青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

夕陽の見える丘から

2010年05月16日 22時02分22秒 | 日常

(画像:米山夕照)

飯山線を撮った後、新緑の松之山を抜けて日本海へやって来た。
日本海に沈む夕陽を見るのが目的だった訳だが、何だかんだと朝陽夕陽マニアですねえ>自分
米山海岸の聖ヶ鼻と言う岬に立って、沈み行く太陽を拝む。
ま、簡単にそれなりのきれいな風景を写真に収めたいと思ったら、朝陽夕陽が一番手っ取り早いのも事実w
日中と違って低い位置からの光線は、陰影を際立たせて物を浮かび上がらせてくれるから。

ここ聖ヶ鼻は、直下に北陸本線を俯瞰する事も出来る、いわゆる「撮り鉄」の定番撮影地でもある(笑)。
夕日マニアで撮り鉄であれば、実に一粒で二度美味しい場所なのですね。
夕日が沈むまでの二時間くらいを、崖の上に三脚を立てて撮ってみる。
三脚を立てて一本目、いきなり懐かしの国鉄特急色で「特急北越」が通過。

さすがにGWの有名撮影スポット、夕陽の時間を前に続々と同好の士が集まって来る。
中には親子で一眼レフなんか持って熱心に撮影に勤しんでいる家族もいたり…
この趣味の世界の敷居も相当低くなってるんだなあと。
JR東日本新潟支社のジョイフルトレイン「NODOKA」で運行された「快速妙高ミズバショウ号」。

ゆっくりと太陽は水平線に近付き、周囲が赤に染まって行く。
春らしい霞に赤い光が分散されて、朱のビロードの帯をまとった米山の海。
凪の海はある意味日本海らしくなく、穏やかに浜辺に寄せては帰って行く。
撮る方にしても波っ気があった方が海に表情が付いていいのかな、と思ったりもするが…
こちらは上越市と新潟市内を結ぶお得なランナー「快速くびき野」。

 

さて、撮り始めてからかれこれ二時間。
三脚を立ててカメラを据え、車に積んだ簡易デッキチェアに座って動きもせず。
たまにお茶を飲みながら、ずーっとこんな感じで日本海沿いを行き交う列車をずーっと撮っている私(笑)。
人からしたら、絶対に付き合い切れないでしょうねw
ただ、刻々と変わる光線状態に応じ、微妙に感度だとか絞りだとかシャッタースピードだとかを変えて撮ってはいるんです。
んで、そこらへんのサジ加減みたいなものも面白かったりするんですよね。
GWはお休みかと思ったら、貨物列車が一本大阪方へ。
やっぱり日本海縦貫線には長い編成が似合います。

思えば、小さい頃にオヤジに連れて行かれた定番の散歩コースは、小田急線の見える丘の上だった。
足元を右に左に走る電車を、飽きずに見続けたものだ。
次は何が来るかな、何が来るかなと、楽しくてしょうがなかったんだろうな。
夕陽が夕焼けに変わる頃あい、ひときわテツな方々が増えて来た。
遥かかなたに、機関車のヘッドライトが二つ。
この場所この時間の真打、大阪発札幌行きの寝台特急「トワイライトエクスプレス」がやって来た。

大阪から札幌を約23時間、走行距離と走行時間は日本一の長距離寝台特急。
黄昏の名を持つ特急列車は、深緑の色を鈍く残照に輝かせ黄昏の米山海岸を走り抜ける。
時刻はここで18時半、太陽は長くなったとは言えそろそろ限界なのですけどね。
明るいレンズに取り替えて、なんとか写し止められた…かな?

周囲の同好の方々も、この列車の通過を以って三脚を畳む人が多かったね。
堂々10両の豪華客車を連ね、専用色の機関車に牽かれた姿は風格十分。
まさに日本海縦貫線のスター、大トリに相応しい列車でした。

と、すっかり満足して自分も三脚を畳むのでありますが…
なんかアレだね、ある人に「最近電車の写真ばっかだね」って言われたw
まあ否定はしないが、個人的には、一応風景写真のつもりで見ていただければありがたいかな~と。
いい風景の中に、そっと列車が入っているような絵が理想です(笑)。

コメント (1)
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