青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

終章近きベイキング

2010年12月13日 22時15分46秒 | 日常

(画像:霞富士 東京湾に スカ色を)

先週に引き続き朝早く起きてちょろっと出掛けて来たのだが、今月は「富士山と○○」と言うのをマイテーマとしているので夜明け前のアクアラインを通って房総の方に抜けてみた。房総じゃ富士山と反対側じゃねえかって?いやいや、房総でも場所を選べば東京湾越しの富士が見えるんですよ。ってな訳で佐貫町~上総湊間の高台から富士山をバックに走る内房線のスカ色こと113系なんぞを。先週とは違って富士山から100kmくらい遠くなっているのと、なんか予報よりも冷え込まなくて空気のモヤモヤが抜けずに富士のクリア度合いはイマイチ。房総では数少ない富士見のお立ち台だけに、三々五々集まって来た同好の士と「イマイチっすね」なんて談笑しながら待つ事しばし、国鉄型のモーター音を響かせて初冬の東京湾岸を往く113系。個人的にはこの列車、富浦の夏合宿を思い出しますなあ~(笑)。千葉駅でみんなで集まって、万葉軒の弁当を買って乗り込む夏の内房線。ボックス席で開くのは焼き蛤弁当か菜の花弁当かって感じですが、私はトンカツ弁当が好きでした。安い割にボリュームあっていいんですよ万葉軒のトンカツ弁当って。


さっきの113系が館山から返して来る間に、ちょっと場所を移して上総湊へ。河口部に架橋されたトラス&ガーターの湊川橋梁は海の上を渡るような趣で、ここも内房線の名撮影地のひとつ。遥か東京湾の向こうに横浜のランドマークタワーを望みつつ、「特急さざなみ」が通過して行きます。館山まで高速が開通し、すっかり劣勢に立たされたこの特急、残念ながらこの12月改正で減便されてしまいました。木更津過ぎたらほぼ各停、単線の交換待ちが多く所要時間が縮められないと言うのがどうしてもネックなんでしょうなあ。値段も時間もバスに対しては分が悪すぎますからねえ。銚子行きの「特急しおさい」も成東過ぎたらほぼ各停、単線の交換待ちが多く所要時間が縮められないと言う病巣は同じ。某労働組合のせいでカネが投入されなかった結果なんだろうが、根は深いものがあります。


返しを待って佐貫町付近のストレートへ。かつては横須賀線の久里浜から総武内房と東京湾岸をぐるりと囲むようにその足を延ばしていたこの車両は、まさに湾岸の王者でありました。房総ではまだまだ現役だと思いきや、最近は東海道や高崎線、宇都宮線から転属して来た211系だの209系だのに押されてその活躍の場は極端に狭まりつつあります。ウジャウジャいた時は見向きもされなかったものにもいずれ終わりは来るって事なんですかね。意外にもこのスカ色だけを狙ってる人もいるみたいで、着実に「終わりの気配」を感じ取ったファンの撮りの対象になっているようです。
昨日は堂々の8両編成で館山~千葉の往復に付いていましたが、木更津から先のこの区間ではさすがに空気輸送かな、と言った感。色のない初冬の里山、ススキ光る半逆光の中を、千葉に向けて上って行きました。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする