青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

日本人の基礎

2010年12月14日 22時05分52秒 | 日常

(画像:上総の国の地場産業)

てな訳で日曜日は上総湊界隈まで出掛けていたのだが、ふと思い出してとある店に立ち寄ってみる。以前ネットでツラツラと房総関連の情報を漁ってた時に見付けて行ってみようと思っていた「宮醤油店」である。千葉県と言えば野田のキッコーマン、銚子のヤマサ&ヒゲタと日本を代表する醤油メーカー発祥の地。今もって日本の醤油の生産量のトップの座をキープしているのだが、昔はこのような小さな町の蔵元がちょこちょこと醤油を生産していたらしい。ほとんどが前述のような大手メーカーにそのシェアを奪われて姿を消す中、ここ富津市の佐貫町で天保年間の創業以来170年余に亘って現在ものれんを守る老舗の醤油店であります。場所で言うと上総湊のお隣佐貫町のR127とR465の交点、佐貫町の駅から駅前通りをまっすぐ行った場所にあります。


その風合いは東京湾の潮風にいい感じで侘びて、醤油の色に染まり切ったような焦げ茶色の建物の佇まいは風格十分。明治25年に建てられたものだそうな。国の登録有形文化財にも指定されているその建物は、桁行5間、梁間3間の木造2階建。商号である「たまさ醤油」の大のれんに抜かれた意匠は、醤油を絞るもろみ袋を上から圧搾した図柄を「玉」の字に当てはめた凝ったデザインですねえ。この手の産業系文化財がことに好きな私、その建物の周りを思わずウロウロして写真を撮りまくってしまいました(笑)。


重い引き戸をガラガラっと開けて店内へ。大量生産にて安価な醤油が幅を利かす中、未だにこの「宮醤油店」では木の樽を使って気長に一夏も二夏も越させながらゆっくりと昔ながらの醤油造りを続けているそうな。長い事使われた醤油蔵には、醤油を発酵させる酵母が住みついているらしく、その酵母の働きに任せた天然醸造。ゆえに醤油のデキは樽ごとに違うらしい。折しも世の中お歳暮シーズンと言う事で、この日も朝から大口の発送を頼む近所の人がちらほら。この建物の風合いといい、作り手のこだわりといい、小規模ながらこの富津界隈ではそれなりのブランド商品のようで、「アド街ック天国」あたりで富津が紹介されたなら確実に上位ランクに入選するであろうなあ、とテレ東マニアらしい目線で店内を物色。どうでもいいけど「アド街」ではそうでもないのになぜ「モヤさま」の大江アナは俺の嫁にしたい程愛らしいのでしょうか(笑)。


所狭しと並べられた醤油瓶の中から選びに選びぬいて「かずさむらさき丸大豆しょうゆ(JAS特級)」1リットル580円を購入。醤油なんて近所のスーパー行けば1リットルが安売りで158円くらいですから、高級醤油ですねえ。まあでも日本人の味覚の基礎ってのは醤油味ですから、たまにはこだわってみるのもいいのかもしれません。まだ台所の戸棚に「キッコーマン丸大豆しょうゆ」の買い置きが残っているので封は開けてませんが、同じ「丸大豆」でもどんだけ違うのか試してみたいと思います。よっぽど美味かったらまた買いに来るかもな。近いし。色々掘り下げて調べてみたら電話すれば工場見学も出来るらしい。この手の社会科見学にも興味があるw

てか自分で書いてから「アド街」のHP見たら富津って紹介されてたのね(笑)。
2010年4月24日に放送されたらしい。
1位は鋸山、2位はマザー牧場、3位の潮干狩りに続いて「宮醤油」は堂々4位!
東京湾観音や竹岡式ラーメンより上かよ!
コメント
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