
(紅葉纏いし駅@塔ノ沢駅)
9月の時も、モハ1モハ2を追い掛けて訪問した塔ノ沢の駅。9月の時はまだ夏の名残りの残る雰囲気だったですけれども、駅を取り囲む塔ノ峰の森も赤く色づき、落ち着いた佇まいの塔ノ沢の駅の雰囲気をより一層引き立てています。

大平台から乗って来たザンナナ編成は、ここで湯本から登って来る列車と交換待ち。この時期、森とトンネルに囲まれた駅は日差しの届く範囲が限られていて、限られた光線の中で列車の全容を収めるのは大変です。ひょっとしたら曇りの方がいい駅なのかもしれない。登山電車唯一の無人駅である塔ノ沢の駅、ホームの清掃も列車待ちの間の大切な任務と見えて、運転士さんが落ち葉履きを始めました。


駅から僅かに離れるだけで、鬱蒼とした木々に覆われて見えなくなってしまう塔ノ沢の駅。国道1号沿いの温泉街に繋がる駅前通りは、緑と紅葉のコントラスト。


国道1号線に沿って連なる塔ノ沢の温泉街。大型車両が通るにはかなり狭いカーブだ。あと一ヶ月もすれば年も替わり、ここの坂道をタスキを付けた学生たちが走り抜けて行くのだろう。風情ある入浴施設として残っていた上湯大衆公衆浴場も廃業して久しい。箱根値段で湯銭はお高め、小ぶりの浴槽一つだけだったけど、名宿・環翠楼と同じ肌触りの良い源泉でした。

宿の裏手を流れる早川の水は清く。塔ノ沢の旅館ってどこも風情があって良いのだけど、湯本と比べるとどこもいい値段を取るイメージがある。環翠楼に始まって福住楼、山の茶屋、金乃竹…みんなおつよいですもんね。それだけプライベート感が強くて、お忍び的な需要に使われてそう。あんまり子供連れでガヤガヤ行っちゃいけないような感じはあるよね(笑)。

塔ノ沢の駅でザンナナを写真に収めていた私の後ろで、強羅方面の電車を待っていた若いカップル。
「次の電車、どんなのが来るかな?」
「えっ?座れればなんでもよくねー?」
「わたし、あのレトロなのがいい」
女の子のかわいさがアップ(当社比)した事は、言うまでもありません。