青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

霜月/奥大井湖上・岳南原田

2019年12月28日 17時00分00秒 | カレンダー

(霜月・青磁の湖上を渡る@大井川鐡道井川線・奥大井湖上駅)

11月。暖かさが続いたために紅葉の色の進みは遅め。最終週に紅葉狩りがてらの井川線を訪問しました。奥大井の大自然を闊歩するDLロコと客車たち。雨続きの秋を象徴するように、濁りの入った長島ダムのダム湖の湖面。崖に色付く見頃の木々を眺めながら、赤いトラスのレインボーブリッジを行く。紅葉シーズンらしく、接岨峡温泉で増結された堂々のロング編成。井川線は全列車客レ、補機連結によるアプト区間あり、大自然のアクティビティが如くの秘境の絶景路線と売りどころが多数ある割には、あまり乗る人も撮る人も多くはない印象があります。みんなSL撮影して千頭で折り返してしまうようですが、ちょっと足を伸ばすだけで、素敵な景色が待っています。

そんな奥大井の帰りに立ち寄った岳南鉄道。貨物を廃止してからはだいぶ長いことご無沙汰になってしまった富士南麓の小私鉄。最近は富士市内に林立する製紙工場のプラント群にスポットライトを当て、工場夜景を楽しめる鉄道として来客誘致に努めているようです。往時はコキ車によるコンテナの貨物扱いがあった岳南原田の駅。駅には「めん太郎」という立ち食いそば屋があって、脂のコッテリした唐揚げがデデンと乗った唐揚げそばが名物でしたね。ED401や502が入換作業に闊歩していた側線は跡形もなくアスファルトに埋められてはいましたが、岳南らしい特徴のあるキノコ型のホーム上屋に井の頭線3000系の両運改造車がやって来ました。後ろの煙突は日本大昭和板紙(現・日本製紙)吉永工場。ここで製造される段ボールの原材料と製品の輸送が、岳南鉄道の主な仕事でしたね。

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