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(日本最後のヤマ男@EF641033)
今回の信州行、土曜日は木曽路のロクヨンを撮影して来ました。ロクヨンことEF64形電気機関車は、EF62からEF63、64と続く勾配線区の国鉄型機関車の最後の生き残り。現在残っているのは主に昭和55年から投入された後期型(1000番台)ですが、後期型とは言えもう投入から30年を経過しているのですね。子供の頃から南武線でロクヨンの石灰貨物を見てきた身としては1000番台なんて新しいカマだなという印象しかないのですが、いまや日本最後のヤマ男となってしまいましたねえ。
金曜の深夜3時に家を出て、中央道を甲府昭和ICまで。あとは甲州街道をダラダラと下ってやって来たのは長野県松本市の南松本駅。広いヤードを持つ駅は、JR貨物の信州地方における要衝でもありますね。駅横の跨線橋に上がってその広いヤードを見渡すと、松本盆地を囲むゆるやかな山並みの下に、貨車や機関車が朝の光の中で佇んでいる。パッと見では中央東線を受け持つ「ブルーサンダー」ことEH200が多いね。ブルサン好きの息子が喜びそうw
そして駅の松本寄りに停泊していた我らがロクヨン、EF641033+1035にEF641027+1028。1027+1028がパンタを上げて通電しており、軽いブロワ音が聞こえて来る。今日はこのコンビが動くのかしらね。JR貨物のロクヨンはいわゆる国鉄色の塗装のヤツが人気あるみたいですけど、一般的なJR貨物色のソリッドなラインのデザインも結構好き。特に中央西線は重連運用だから白のラインが流れるように繋がって見えるのがいいよね。「JRF」のロゴとかもスピード感があってカッコイイ。
現在JR貨物では、ロクヨンを愛知機関区にまとめて配置し、東では東海道線を通って関東方面へ、西では伯備線の貨物を伯耆大山まで持って行くなど幅広く運用しておるのですが、一番のメインは愛知県の稲沢駅から中央西線を通っての信州方面への貨物輸送でしょう。ここ南松本までの石油輸送と北長野までのコンテナ輸送がメインって事になりますが、前述の通り基本的に重連運用と言うのがお鉄的にはポイント高いんですよね(笑)。特に石油輸送は四日市から稲沢までをDD51(重連)が持って来て、稲沢から南松本までをEF64(重連)が継走する「国鉄型から国鉄型(しかもどっちも重連)のリレー」とゆーのがさらにアツイんですよバンバン!(机叩く)。
南松本駅の周辺をブラリ。貨物が走る時間まではまだだいぶあるのでねえ…基本的には中央西線の貨物列車は土日運休のものが多く、おまけに石油列車を撮るなら冬場の需要期じゃないと列車の設定自体が少ない。土曜日でおまけに夏を思わせるような5月の終わりってのは真夏にイチゴ狩りをするが如きの行為なのですが(笑)、まあ今回は来たるべき時に備えてのロケハンも込みと割り切って来たのでしょうがない。駅の南側にあるセメントサイロ群、以前はこの設備にも専用貨物列車でセメントが着発送されてたんでしょうね。デンカセメントの鉱山が糸魚川の先の青海にあるので、青海~直江津~長野~南松本ってとこか。
セメントサイロのさらに南側に日本オイルターミナルの石油基地があり、四日市から持って来た石油類はここでタンクローリーに積み替えられ信州各地に運ばれて行きます。ガソリンのほかにも軽油や重油も取り扱いがあり、特に寒冷地である信州の冬は燃料需要も高く、まさに鉄道貨物がライフラインを守っていると言えるのかもしれません。小さなコンビナートのように張り巡らされたパイプラインと備蓄タンク、その間を無数に走る引き込み線に留置されたエメラルドグリーンのタキが青空に映えますね。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/04/5d/350fbdfce5b1835d453d4f4dfe76d8c2.jpg)
鉄道貨物が劣勢の昨今、それでも石油だけは大量一括輸送の担い手としてまだまだ鉄道が活躍出来るフィールド。上高地や安曇野への観光を担う松本駅が表の顔なら、南松本駅は信州のエネルギーを陰で支える裏の顔でもあります。朝日に輝く駅名票も、少し誇らしげな南松本・通称ナンマツ。ちなみに駅前にある立ち食いそばの「イイダヤ軒」の駅そばは美味いので、来る機会があったらぜひお試しください(笑)。
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