(特徴ある三角屋根の駅舎@見奈良駅)
横河原の駅から二つ戻り、行きがけに何となく駅舎の形が面白そうな見奈良(みなら)駅で下車してみました。1面2線の島式ホーム、横河原に向かって最後の交換駅。頂点の角度の鋭い見事なトンガリ三角屋根の木造駅舎。ちなみに駅を降りて周囲をロケハンしていたら、駅に勤めている初老の嘱託っぽい駅員氏に「何かお探しですか?」と露骨な警戒感を持って声掛けをされてしまった事をご報告しておきます。まあね、平日の朝に明らかに地元っぽくない風体の人間がカメラ持ってこんな場所をウロウロしているのは警戒されても仕方ないですね・・・丁度周囲の小学校の通学時間だったんで余計にね。
時刻はそろそろ通勤ラッシュの時間帯。伊予鉄の郊外電車は、朝のダイヤが平日と土休日でだいぶ違いまして、横河原駅発で朝の7時台は平日5本に対し土休日は3本しかありません。平日のみ運行の2本は、松山市着が7:40~8:00と通勤通学の一番のピークタイムに当たる列車なので、2連×2の4連運行となっています。いわゆる輸送力列車というヤツですが、700形の4連が横河原行きで送り込まれて来ました。
横河原への送り込み列車である700系4連が、松山市へ向かう3000系と交換。どちらも高度経済成長時代の京王帝都電鉄を代表する車両ですが、当時は1,372mmの本線に対し井の頭線が1,067mmとそもそも軌間が異なっていましたので、お互いに相まみえることはありませんでした。時は流れ、伊予の国にて同じレールの上を走る事になるのですが、まあ京王当時よりはお互いの関係は親密になったんじゃないかなあって思いますよね(笑)。
という訳で、見奈良の駅先にある踏切のインカーブで横河原からの4連の返しを待つ。地方私鉄において運用数が最大になる朝のラッシュタイムは、車庫にいるありったけの車両を使ってダイヤを回すため、一番の撮れ高の稼ぎ時。そして地方私鉄の朝の醍醐味と言えば増結編成の輸送力列車!だから「地方私鉄は平日行け」って10万回くらい言ってるんだよなあ。特に伊予鉄は土休日の朝はダイヤがスカスカになっちゃうしね。
京王時代はアイボリーホワイトに赤いラインを締め、東都のクイーンとして君臨した元京王5000系。現在はミカン色の塗装に塗り替えられ、松山都市圏の通勤通学需要に従事しています。正面貫通路の方向幕こそ埋められてしまったものの、片開き3ドア、小口の二段窓や屋根上の分散クーラーも何となく京王当時の意匠をそのまま保っているような。もう車歴も60年近くになる古豪ですが、それでも未だに伊予鉄の輸送力の大事な部分を担っている姿に拍手を送りたくなる形式です。
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