青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

伊予鉄を 今も見守る 明治橋。

2021年12月08日 17時00分00秒 | 伊予鉄道

(橋上駅@石手川公園駅)

ぽつぽつと途中下車しながら横河原線の旅。最後に降りたのは石手川公園駅。松山市駅の一つ手前。松山市街を流れる石手川と言う川の上にあります。「橋上駅舎」というのはそこら中にありますが、「橋上駅」ってのは珍しくて、全国に何個もないんじゃないかなと。駅が出来たのは1972年(昭和47年)の事らしいですが、この石手川橋梁自体は1893年(明治26年)に架橋されたものが現在でも使われており、架橋された場所のまま現存するもので日本最古の鉄道橋梁という貴重な土木遺産になります。

という事で、2012年に石手川橋梁は「土木学会選奨土木遺産」として登録を受けております。形としてはポニーワーレントラスって言うのかな、トラス部分が車両の腰の高さ程度までしかない下路トラス。秩父鉄道の見沼代用水橋梁とか、近江鉄道の愛知川橋梁には同タイプの橋梁もまだ残ってますけど、鉄道黎明期の製造ですから、そんな大きな荷重を支えられるトラスでもない。それこそ品川~横浜に鉄道が開通した時、多摩川に架かる橋(六郷川橋梁)はこのポニーワーレントラスで作られたそうなのだけど、いずれにしろ輸送力の小さい地方私鉄でしか残れないタイプの橋梁だと思います。

少し色付き始めた石手川の土手。3000系の横河原行きが橋の上のホームに滑り込んで来ました。吉祥寺から梅津寺、井の頭公園から石手川公園。京王と伊予鉄、似ているようで随分違う。ちなみにこの駅、橋のトラス部分がホームにそのまま突き刺さっているのですが、この部分は別にドアカットとかされてないので普通に電車を待つ事も出来るしドア扱いも行われます。器用にトラスを潜り抜けて横河原行きに乗って行ったおばあちゃんは流石ジモティとお見受けするので慣れてらっしゃいますが、夜とか酔っぱらって降りたらトラスに頭ぶつけそうで危ねえよな(笑)。

河原に降りて、石手川橋梁と石手川公園駅を下から見上げてみる。一応高浜方面行きの電車が停車しているアングルなのですが、こちら側から見るとあまり駅感が感じられないな・・・というビミョーな絵になってしまった。橋の横には歩道が付けられていて、歩行者と自転車はこの歩道で川を渡って松山市駅方面に抜ける事が出来ます。

橋の向こうは松山市の中心街。松山市駅まではそんなに距離がある訳でもないので、電車を待たずに歩いて行く事にしましょう。


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