青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

港都神戸を睥睨し

2019年08月10日 17時00分00秒 | その他私鉄

(坂道の街を走る@神戸市営バス)

日中の暑さを避け、明石海峡大橋の展望台で涼しい時間を過ごした後は、JR神戸線で三宮に戻って参りました。今回、神戸観光に使ったのが「六甲・まやレジャーきっぷ(阪神版)」。今回の神戸・大阪・奈良三都旅では、毎日一つずつこの手のフリーきっぷを使いました。いわゆるJR的な三都物語ってのは神戸・大阪・京都だったと思うがそれはまあどうでもいい。乗車券が割引になったり乗り放題のエリアがあったりと便利なのはもちろん、ルートがパッケージングされているのでプランニングが楽だという利点もある。ようはアレコレ考えずにフリーパスの推奨コースに乗っかってしまおうという安直な考え(笑)。

夕方に近付き、ようやく少し太陽も西に傾いた。三宮駅前から摩耶ケーブル行きのバスに乗車したのだが、さすがに神戸はすぐ裏に六甲・摩耶を抱える坂の街。バスがこんな坂登るのかい!と思わずツッコミを入れたくなるような急坂を登って、バスは摩耶ケーブル下の停留所へ。停留所から見える路地からの眺めはいかにもな坂の街神戸のソレで、立ち並ぶ住宅の向こうに瀬戸内海が見える。三宮からかなり登ったんだなあ。

三宮からバスで20分。摩耶ケーブル駅は、坂道の住宅街のど真ん中にありました。もっとこうケーブルカーってーと観光地観光地した場所にある感じを勝手に想像していたのだが、周りが普通の民家なので幾分場違いな感じすら受ける。夕方のケーブル駅は日曜日の割にひっそりとしており、我々の他はアジア系のカップルが一組のみ。

摩耶(まや)山は、神戸の中心街の真裏にそびえる標高703mの山。六甲・摩耶観光の目玉と言えばもちろん「100万ドルの夜景」「日本三大夜景」と言われる神戸・大阪方面の夜景。摩耶ケーブルとロープウェイを使って、「掬星台(きくせいだい)」という展望台に上ることが出来ます。ただこの時期はまだ日が長くて日没が7時頃と正直夜景まで待ってられないというのはあるんだよなあ(笑)。「六甲・まやレジャーきっぷ」では摩耶山上から六甲ケーブルまで六甲山上を縦走するバスに乗車出来るのですが、このバスが午後5時半過ぎに終わってしまうというのもある。折角なので、どっちのケーブルにも乗りたかったのでねえ。摩耶ケーブル駅から終点の虹の駅までは標高差約300m。摩耶山の山肌にしがみつくように敷かれたレールをよじ登って所要時間は5分程度。中間点から終点に向かっては結構な斜度がありましたねえ。

虹の駅で摩耶ロープウェイにお乗り換え。この摩耶ケーブル&ロープウェイを総称し「まやビューライン」の愛称で呼ばれています。ロープウェイから芦屋・西宮・大阪方面の眺め。右手前の山にある古い建築物は摩耶観光ホテルと言う廃ホテル。廃墟趣味者には「マヤカン」と呼ばれつとに有名な物件で、昭和初期のアールデコ様式と西洋建築の技術をふんだんに活かして建てられたホテルが山中で静かに遺されています。ちなみにこのホテルを建てたのは現在の摩耶ケーブルを敷設した摩耶鋼索鉄道。六甲摩耶地域の、いわゆるリゾート開発の一環だったようです。

摩耶山山頂から夕方の神戸の街を。ケーブルとロープウェイで楽に登れてしまうのだからありがたい。遥か大阪の街から六甲アイランド、ポートアイランド、そして神戸三宮までを一望のもとにする展望台。港都と言われる神戸の街らしく、沖合に浮かぶは無数の船。これほどの展望なので、さぞかし夜景は美しいものと思われるが、これから2時間以上待ってなきゃならんのもそれはそれでかったるい。なんか時間潰せるような場所でもあればよかったんだけど、山の上は展望台が広がるばかりで、あくまで景観を見に来るだけの純粋な施設と言った感じ。ロープウェイ駅にBBQテラスみたいなのがあったから、バーベキューでもやりながら夜景を待ったりするくらいは出来るのかもしれないけどね。


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