(秩父鉄道のヤル気@寄居駅)
「ショッピングもおでかけも 秩父鉄道で行こう!」という力強い横断幕が掛かる寄居駅。この秋、沿線のふかや花園駅前に「ふかや花園プレミアム・アウトレット」という大型商業施設がオープンしまして、秩父鉄道も多客対応のためのダイヤ改正を行いました。具体的には、熊谷~寄居間を中心に折り返し列車を設定して増発の実施を行い、土日は同区間の日中に臨時電車を走らせるなど、アウトレットへのアクセスルートとして鉄道も一枚噛んでやろうという意気込みに満ち満ちたダイヤ改正。
ここんとこ、どこの鉄道会社も「コロナ禍での生活態様の変化」みたいなお題目で減量ダイヤしか提示してこなかったので、今回の秩父鉄道のダイヤ改正には久々に胸のすく思いが致しますね。4番線に入る寄居折り返しの7500系。この日は、アウトレットモールがオープンして最初の週末だったので、寄居駅から電車でふかや花園へ向かう乗客の姿も目立ちました。
寄居折り返しの列車が4番線に入っているので、通常は長瀞・三峰口方面行きが発着する3番線に入線する5000系の熊谷行き。こっち側のホームに熊谷行きとか来ないのでちょっと違和感。寄居の駅も、駅構内こそ広いものの駅南口にあったライフ(スーパーマーケット)は閉店後建物が長い間そのまんまで、商圏としての勢いがない。潰れたスーパーの跡地とかさっさと更地にしちゃって、駐車場作ってそれこそアウトレットモールへのパークアンドライドとかやったらええんやと思わずにいられない。
駅の周りは寂しくとも、寄居は東武・秩父・八高の三線が交わる交通の要衝。かつては秩父の山から産み出された大量のセメント貨物がここで八高線に引き継がれ、関東甲信越の各方面へ出荷されていました。今でも残る貨物の出発線と広いヤード。高麗川の駅の一番南側を固める東武東上線、セイジクリームに塗られた81111Fが、駅員氏の合図でゆっくりと出発して行きました。
いつでも行ける距離と思っていたが故に、いつまでも訪ねることのできないまま時の経ってしまった秩父鉄道、増便のダイヤ改正とは嬉しい話題を目にすることができました。
先日、高崎線の車内から眺めた熊谷の貨物ターミナルは、既に秩父鉄道側の線路は剥がされ、車窓から離れていく一筋の線路跡には背の高い雑草が生い茂っていました。
思い立ったときに自分の足で訪ねないとダメですね。大切なものを失ったような気持ちで眺めていました。
新しい駅も含めて、今のこの鉄道の姿を眺めに行こうと思います。今度こそ。