(終着駅の一つ前@花水坂駅)
福島駅から走り出した飯坂電車。東北本線を乗り越し、福島市の郊外を北へ。左側に走る県道に沿って伸びる住宅街と、ロードサイドの店舗を眺めながら走る風景はちょっと退屈。その分、それなりに乗客は多く、各車両に立ち客を乗せながら短い区間で設置された駅にこまめに停車して行く。車庫のある桜水で運転士が交替。福島交通飯坂線、この規模の私鉄では珍しくツーマン運行。駅に停車するたびに乗客からキップを回収するために車掌がホームに降りて行く。一応「NORUCA(ノルカ)」という福島交通限定の鉄道・バス共通のICカードも導入されているんですが、Suicaのように全国共通のICカードではないのでそこまで普及はしていない様子。先日熊本市交通局では「全国共通ICカードからの脱退」の方針を打ち出し、クレジットカードによるタッチ決済へ舵を切ることを発表していますけども、地方私鉄にとって「全国共通ICカード」ってのは、機器導入のイニシャルコストに加え、ランニングコストとしての決済手数料負担ってのがバカにできないほど高いんだそうで・・・
ぼんやりと車窓を眺めながら電車は医王寺前を過ぎ、緩やかに摺上川の支流の谷へ降りて、電車は水の乏しい川を鉄橋で渡って行く。このまま乗っても終点の飯坂温泉へ行ってしまうだけなので、一つ手前の花水坂の駅で降りる。飯坂温泉の温泉街の入口に、小さな1面1線のホームがあるだけの簡素な駅。駅前の坂を上ると飯坂温泉のようだが、この坂が花水坂なのだろうか。終点の飯坂温泉の駅は目と鼻の先、飯坂温泉の駅も1面1線で折り返しの時間をあまり持てないため、私が乗って来たリバイバル電車はすぐに折り返してきた。「花水坂」の名前の通り、ハナミズキの並木が続く道を横目に福島行きの電車が折り返していく。GWの飯坂温泉の予約状況はどうだったのだろう。
福島へ折り返していくリバイバルカラーを見送った後、せっかく飯坂温泉まで来たからにはどっかで一湯浸かって帰りたいな・・・なんて思ってしまうのは温泉好きの性。ちょうど花水坂駅の裏路地に、「十綱の湯」という共同浴場があったので立ち寄って行くことに。温泉街からはやや離れてますのでジモ専的雰囲気の共同浴場、湯銭200円を払って浸かるのだが・・・飯坂温泉ってのは、有名な共同浴場の「鯖湖湯」に代表されるようにとにかく熱い湯が特徴なんですけども、いやー、久々に熱湯コマーシャルやってしまいましたね。ビリビリ熱湯46℃。もう掛け湯の時点で我慢ならんくらい熱い。この温度を常連は特に難しい顔もせずに浸かっておるのだけど、熱さに関する感覚がマヒしてんのよね。
熱さに苦労して足を入れたり出したりするうちに、ジモのオッサンが「遠慮なくやんなよ!」ってにこやかにホースで水を出してくれた。それはありがとうなんだけど、それなりに湯慣れた人間と自負してはおりますのでちと悔しい部分もある(笑)。しかしまあお湯の温度も45℃を超えてくると、まず体感が「痛い」から始まりますねえ。この日の福島、フェーン現象で最高気温が32℃くらいあったので、湯上がりもヘロヘロ。浴場の前の長椅子に座って汗をダラダラ流しながら飲むミネラルウォーターの美味いこと(笑)。
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