(あの水害から、再びの秋@関東鉄道水海道車両基地公開)
青空の下、水海道車両基地に整然と並んだ関東鉄道の気動車たち。毎年秋に行われていた関鉄の水海道公開ですが、昨年9月の平成27年北関東・東北豪雨による鬼怒川の決壊により、常総市内の線路や設備に甚大な被害を受けたため昨年度の開催は中止されていました。2年ぶりの開催となった今回は、待ちわびたファンの熱気でかなりの人出。関鉄のイベントなんか人もそれなりでまったりしてんだろうなあなんて思ってたんで、正直面食らいました(笑)。
向かって左から、平成21年製造の最新鋭キハ5000形・両数も多く現在の常総線の主力であるキハ2100形・一昔前の主力車両だったキハ0形・そして国鉄キハ35系を両運転台改造したキハ100形。20年以上前の話になっちゃうけど、取手駅の駅ビルに気動車が突っ込んだ事故があったじゃないですか。あの時は、国鉄のキハ30・35系流れの正直ボロっちいセコハン車が幅を利かせていたイメージがあったんだけど、あれから20年以上が経って車両もだいぶ変わりましたね。
「あの」ボロっちい常総線の時代を今に残す国鉄キハ30系の生き残り、キハ101(写真右)。そうそうキハ30系列と言えば正面の強化鉄板とこの外吊りドアでした。子供心に興味があって、なけなしのお小遣いで非電化時代の相模線に乗りに行った事があるんだけど、厚木の駅で小田急のホームから降りると、ガードの下をベージュと紺色のキハ30が物憂げにゴロゴロと走って来たのを思い出します。台車もいかにも国鉄規格のコイルバネの台車。DT22とかでしょうか。左のキハ0形は元々は国鉄キハ17形を導入して改造された車両ですが、導入時に車体が、更新時に機器類が入れ替わって現在は中身が自社発注車のようになっています。
キハ5000形とキハ2100形。どちらも新鋭気動車と言う事で、旧型グループと比べると走行音も静かだし排気ガスも少ない。気動車って発車する時のエグゾーストノートが大きい割にはなかなか進んで行かないというイメージがあるんだけど、さすがに新しいクルマはエンジンの噴け上がりも良い感じがしますね。現在国内での気動車製造のトップメーカーである新潟トランシス謹製。クラの中には2100形の派生系列である2300形が台車を外されて馬に乗ってましたが、気動車でも台車がボルスタレスで当たり前という時代です。
クラの中に半分頭を突っ込んで止まっているのが旧関鉄カラーのキハ300形。旧色は腰回りが朱色で上がベージュという言ってしまえば小湊鉄道カラーなのですが、これは小湊も関鉄も京成グループの一員であり、元を辿ると「赤電」と言われた京成電車の色(ファイアオレンジとベージュ)を踏襲していたのではないかと思われます。ファンを乗せて基地内の線路を200m程度動かすアトラクションに使用されていましたが、結構な数のファンがウロウロしている中で実車を動かすってのも大手私鉄だったら絶対やらなさそうなイベントだよなあ(笑)。
昭和31年製造のディーゼル機関車DD502。線内の貨物輸送を中心に活躍し、晩年は保線工事や新車の入線時などで牽引業務に充当されていたそうな。引退以降は車両基地の片隅で保存されていたそうなのだが、今年の5月に改めて塗り直され、こうやってイベントの際にはお披露目される事に。昭和30年代前半では、まだディーゼル機関車の駆動方式はロッド式が主流で、同時期に製造された国鉄のDD11とかもロッド式でしたよね。
詰めかけた多くのファンに対応する現業の社員の方々。案内も非常に丁寧で好感。おそらく鉄道だけでは人数が足りないで、バス部門からも人員を派遣していた様子。関鉄の現業さんとか、正直私が25年くらい前に乗った時は制服のシャツのボタンもまともに留めず、ペッタンコの靴を履いて細いメガネをかけたチンピラみたいなおっさんばっかでねえ(笑)。そんなおっさん車掌が、車内で騒いでいた通学中の地元の高校生を平気で怒鳴り上げるという都会っ子のアタクシには信じられないような光景を繰り広げていたものですw
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