tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

大和長寿道を歩く

2008年11月19日 | 奈良にこだわる
「大和長寿道」をご存じだろうか。桜井市の安倍文殊院と橿原市のおふさ観音(観音寺)を結ぶ、一直線に西に伸びる道のことだ。知恵の文殊さまのご利益でぼけ(認知症)を封じ、十一面観音さまに身体の健康を授けていただく、というお年寄りに人気のコースである。

私は11/16(日)、地元銀行の「萬葉チャリティーウォーク」に参加して歩いてきた。万葉集ゆかりの地を講師の講話を聞きながら巡る、というウォーキング・ツアーで、参加費も拝観料も無料である。



朝はあいにくの雨だった。最初に訪ねた安倍文殊院では、新しい「ジャンボ絵馬」が完成していた。約8千株のパンジーを使い、20m×25mの花壇一杯に植えられている。陰陽師・安倍晴明の誕生他であるこの寺には、若者の参拝も多いそうだ。境内の文殊院西古墳は、石室にも入ることができる。







講師の長岡玲子氏(写真=安倍文殊院内)は、「奈良あをに会万葉教室」「万葉さきさは会」などを主宰される万葉集の研究家である。長年、このウォーキングの講師を務めておられる。お話はとても分かりやすくて、いつも好評である。







この辺り(橿原市東池尻町の御厨子観音の東)に、万葉集に登場する磐余(いわれ)の池があったとされる。今は田んぼが広がっている。

大津皇子は、草壁皇子に対する謀反の罪で逮捕された。その時に歌が詠まれた(皇子は翌日に処刑された)。



大津皇子(おほつのみこ)、死を被(たまは)りし時に、磐余(いはれ)の池の堤にして涙(なみた)を流して作らす歌一首

百(もも)伝(づた)ふ 磐余(いはれ)の池に 鳴く鴨(かも)を 今日(けふ)のみ見てや 雲(くも)隠(がく)りなむ(巻3-416)







畝傍山が見えてきた。藤原京跡は、もうすぐだ。





おふさ観音は、有名な「バラの寺」。お参りのあとは、1500種類のバラを楽しんだ。



伝統のある町並みを抜けると、まもなく解散場所のJR畝傍駅だ。



安倍文殊院住職の祈祷のおかげで、雨は午前中に上がり、暑くも寒くもない快適な気候のもと、ウォーキングは無事終了した。文殊院では抹茶と茶菓子が出、お弁当の時間には熱いお茶もいただいた。ご住職の法話も、ユーモアたっぷりでとても楽しいものだった。このイベントが20年以上続くというのもうなずける。ぜひ、次回(09年5月)も参加したい。
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