tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

コロナも落ちつき、これからが観光シーズン、ぜひ奈良に足をお運びください!

そば処 觀

2008年11月15日 | グルメガイド
久しぶりに、奈良市高畑の「そば処 觀(かん)」(奈良市東大路町731)を訪ねた。秋の観光シーズンとあって、たくさんのお客が入っていた。
http://gourmet.yahoo.co.jp/0006712788/M0029000482/

ここは観光客に人気の店で、観光ガイド本などにもよく取り上げられる。試しに手元の『五木寛之の百寺巡礼ガイド版 第一巻 奈良』を開くと「そば処 觀 地元でも人気の店」というタイトルで《奈良公園の南側、高畑エリアにある、1968年創業の老舗のそば処。地元でも「そばといえば、ここ」という人が多い人気店だ。ほとんどの来店客が頼むのは、内容充実の「觀定食」》云々とある。

観光ガイド本が「地元でも人気」と書くところが面白い。われわれ地元民からすれば、「観光客に人気」と言うところだが。

確かに民芸調のお店は洒落た雰囲気なので、観光客にも受けるだろう。その雰囲気が買われて、映画『春の鐘』に登場したこともある。
http://movies.jp.msn.com/film.aspx?p_mediaid=21766

棚に並んだ1300個の古伊万里は、いつ見ても壮観だ。大地震が来たらどうなるのだろう、と心配にもなるが…。
http://zuboratarou.blog80.fc2.com/blog-entry-373.html


店は砕石町(わりいしちょう)のバス停前にある

私が訪ねた日、ふと周りを見渡すとお客はみんな観光客で、判で押したように1500円の「觀定食」を食べていた。観光ガイドブックの威力はすごい。 私は「ひやとろ」(ざるそば+とろろ=900円)を注文した。単品で頼んでもそばの量は多くないという記憶があるので、白ご飯(300円)も注文。それが冒頭の写真だ。

麺はこげ茶色の田舎風だが、ツルツルと口当たりが良い。割り箸は、香り高い吉野杉の天削箸だ。締めて1200円になるから、そばの量が少ないのを気にしなければ、わずか300円差の「觀定食」がリーズナブルだろう。

もと地元銀行員だったという親父さんは、さすがに寄る年波は隠せないが、矍鑠(かくしゃく)として店に出ておられた。

この店のように、観光客にも地元民にも人気の店は、奈良には案外少ない。地元民は(多少不便でも店が汚くても)とにかく安くて味の良い店を求めるし、観光客はガイド本に地図が載っていて、雰囲気が良い店を求めるから、重ならないのだ。しかし、とかくガイド本に載るような店は、(味と雰囲気ははそこそこだが)値段設定の高い店が多く、「奈良の食べ物は割高だ」という悪評が広がることになる。

その点「そば処 觀」は、観光客・地元民ともに満足できる店である。「觀」のおかげで、奈良観光の問題点がひとつ浮かび上がってきた。
コメント (3)
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