tetsudaブログ「どっぷり!奈良漬」

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遷都1300年祭の民間イベント

2008年11月11日 | 平城遷都1300年祭
11/6(木)、平城遷都1300年記念事業協会は「平城遷都1300年祭“県民活動支援事業”採択事業」を発表した。協会は1300年祭にちなんだ民間イベントなどを補助・後援するとして広くプランを募集していたが、その審査が終わり、対象となる事業を発表したのだ。今回は第1弾として、平城宮跡の外で行うイベントが対象である。
http://www.1300.jp/news/2008/11/post-15.html

11/7付奈良新聞によると《平城遷都1300年祭を盛り上げる県民活動を支援しようと、1300年記念事業協会は、本年度初めて「県民活動支援事業」を創設。同協会は6日、元興寺禅室の屋根裏部屋の初公開など24事業について、資金助成と後援事業の対象として認定したことを明らかにした。後援事業のみは18事業。同協会県内・広域事業部の中山悟事業部長は「民間が活発に動かないと1300年祭の成功にはつながりにくい。第2弾も公募するので多くの参加を期待したい」と話している》。

応募のあった42事業のうち、24事業については「補助」(総経費の半分以下かつ50万円以内の補助)と「後援」、残り18事業については補助金なしで協会は「後援」しますよ、ということだ。

《同協会は1300年祭を盛り上げるため、県民が企画・実施する事業を助成金や広報などで支援する県民活動支援事業を発足。同事業にあたる県内事業を今年8月から9月にかけて公募し、公開プレゼンテーション、審査会などを経て、採択事業24事業が決まるに至った》(同)。

10/19(日)に奈良公園内の県新公会堂で実施されたプレゼンテーション(午後1時~6時)は一般公開されていたので、誰でも見ることができた。当日のプレゼンの様子を、(補助の決まった団体について)ピックアップして発表順に紹介することにしたい。

プレゼンのトップバッターは「日本宇宙少年団(YAC)大和まほろば分団」だった。《子どもたちに古代天文図や古代の宇宙観と現代の宇宙を読み解き「過去から現代そして未来」への繋がりを実感させ、また科学する心を伝える講演会、体験教室、パネル展の実施》という事業だ。いかにも少年たちが好みそうなコスチュームであった。


左端は協会職員のT氏(司会)。とても熱い心の持ち主である

次の写真は「アート・プロムナード実行委員会」で《現代美術家30人のグループ展、森本泰昌+オノデラユキの展覧会やトークショーの開催》をするという。現代アートというのは、どうもよく分からないが、審査員はよく分かっているのか、好意的な声が出ていた。



次の若者たちは「映画制作団体チーズfilm」で、《ならまちを舞台とした映画「夕暮れ(仮称)」を制作し、東京・大阪・奈良で無料上映会を開催する。その際、オリジナルに作成した「1300年祭PRフィルム」を流し、多くの若者にPRを行う》のだそうだ。何でも、今夏に公開した「花の袋」(舞台は奈良)という長編映画の出来が良かったそうで、この団体も好意的な評価だった。



写真のお坊さんは、天理市・長岳寺のご住職の北川慈照氏。北川氏が実行副委員長を務める「山辺夢おこしネットワーク」という団体が《長岳寺千燈会の開催及び「極楽地獄絵」の開帳及びミュージカルの上演》をされるという。こんな名刹が、率先して村おこしに協力するとは、素晴らしい。



休憩時間に表に出ると、ウォーキングのグループが記念撮影していた。このような良いお天気の日は、外で歩く方がよほど気分が良さそうだ。しかし、プレゼンは延々と午後6時まで続く。





この女性たちは「ラ・クロシュ」というグループで《なら燈花会の開催時期に合わせてシルクロードをイメージさせるオカリナのコンサートを開催。全国から参加者を募集し、観客と奏者が一体化できるコンサートを目指す》という。演奏はあまり上手とは言えなかったが、土笛なら県内でも制作しているところがある。県産オカリナを使って、宇陀の「かぎろひの丘」あたりでコンサートをすれば、いかにも奈良らしいイベントになりそうな期待が持てる。



次は「奈良千年音楽市実行委員会」。《燈花会に合わせて、ストリートライブを市内10カ所で開催し、そこから優秀なバンドを選抜し、なら100年会館でコンサートを実施。全国に向けて、音楽を通して奈良をアピール》するそうだ。この団体は実績もあるので、面白い展開が期待できそうだ。審査員からは「近鉄が乗り入れる神戸のバンドと組めばどうか」とのアドバイスも出ていた。



次はおなじみ「高取土佐街なみ天の川計画実行委員会」の野村幸治氏。《街に花を咲かせ、また「町家の雛めぐり」「土佐町並み風鈴めぐり」など、四季折々のイベントを開催。住民こぞって来場者にもてなしを行い、街並みの景観保全や高齢者の生きがい作り、ひとづくりにも結びつける》というプランだ。野村さんはトシをとらないのだろうか。いつも元気でメリハリのある発表なので、つい引き込まれてしまう。



次は冒頭に写真を掲げた「今井町町並み保存会」。旧知のW氏が、今井宗久の衣装で登場したが、とてもよく似合う。あとで聞くと、堺で開かれたイベントからの帰りだったそうだ。《例年5月に行っている「茶行列」に加え、今井宗久を主人公に描いた「覇商の門」の作者、火坂雅志氏講演会を開催し、奈良ゆかりの茶人を招き顕彰会を行う》という。「立派すぎて近づきにくい」といわれる今井町は、茶がゆを提供するイベントを行うなど、最近はもてなし上手になってきた。

写真の最後は、「奈良県果樹研究会」。《1300年祭シンボルイベント(吉野)のイベント会場と最寄り駅前をブドウやブルーベリー、柿などの鉢植えで飾り、イベントに訪れた人をもてなすと同時に観光果樹園の情報も提供》するそうだ。審査委員長の村田武一郎氏からは、「その柿の鉢を買いたい」という声もあった(実は渋柿で、試作品のため売れないとのこと)。



写真には撮らなかったが「(財)元興寺文化財研究所」の《元興寺禅室の屋根裏探検》とか、「西大寺地区自治連合協議会」の《「せんとくん」を先頭に踊ろうじゃないか》というアイデアも、とても面白い。


せんとくん着ぐるみ発表会(8/19)

産経新聞(11/7付)は、《同事業協会は「いずれもユニークな事業ばかり。平城遷都1300年祭の盛り上がりにつながるのでは」と期待している》というコメントを紹介していたが、全くその通りだ。この0.1カラットのダイヤモンドが24個、いや42個集まれば、奈良県を照らす4.2カラットの光を放つ大粒のダイヤモンドになるのだ。


平城(なら)遷都祭2008(5/3)

これまで「せんとくん騒動」や、南都経済センターの「1300年祭の認知度は低い」というアンケート結果などを報じてきた新聞も、打って変わって好意的な論調になっている。

1300年祭は、(県や奈良市が主体の)協会だけの事業ではなく、われわれ県民の事業なのだ。今回の民間事業の発表は、それを改めて教えてくれた。奈良市も同様の支援事業を企画しているし、協会の第2弾募集(宮跡内のイベント)は来春を予定しているそうだが、ぜひ今回を上回る面白いアイデアを応募していただきたいものだ。
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