昨日(9/13)「索餅(SAKUBEI)まつり 日本の麺のルーツを旅する」が開催された。晴天に恵まれ、多くの方が参加された。当ブログ読者の松永さんから、午前0時のNHKの全国ニュースで流れたという情報をいただいた。NHKのHPによると、
※トップ写真は「春日はくたくうどん」。報道用特別バージョン
オープン前の行列に、はや松永さんご夫妻の姿が…
平安時代の麺料理を再現 奈良
奈良市の奈良公園でうどんに似た平安時代の麺料理が再現され、観光客にふるまわれました。ふるまわれたのは、小麦粉に米粉などを混ぜて作る「はくたく」と呼ばれる平打ち麺で、平安時代に奈良の春日大社を訪れた天皇の勅使にふるまわれたという記録が残っています。
春日はくたくうどんを再現されたNPO法人「奈良の食文化研究会」の瀧川潔理事長
13日は春日大社で20年ぶりに行われている修復作業、「式年造替」を記念するイベントが奈良公園で開かれ、この古代の麺料理が会場を訪れた観光客にふるまわれました。訪れた人たちは、うどんに似た平らな麺の食感を楽しんでいました。
天平美女は麦縄(索餅)菓子を販売中。1本100円
会場ではこのほか、そうめん発祥の地とされる奈良県桜井市の「三輪そうめん」などもふるまわれました。「はくたく」を再現した「奈良の食文化研究会」の木村隆志さんは、「今後もたくさんの方に食べていただける機会を設け、歴史のある奈良の食文化をアピールしていきたい」と話していました。
ならどっとFMに電話で生出演中の山本太治さん(イベント仕掛人の1人・三輪そうめん山本社長)。右は同局の中川直子さん
また奈良新聞(9/14付)《麺のルーツを味わう 「うどんの元祖」再現人気》には《「春日はくたくうどん」は、平安時代の春日大社で勅使に提供されたとの記録がある麺料理。鎌倉時代の料理書をもとにNPO法人「奈良の食文化研究会」(瀧川潔理事長)が再現した。小麦粉、米粉、ヤマイモで作った生地を幅広の麺に仕上げた。「うどんのルーツ」は、今後、同市飲食店組合を通じて商品化される予定だという》とある。
うどんの元祖については諸説あるが、これまでの有力説は「博多起源説」だった。Wikipedia「うどん」には《仁治2年(1241年)に中国から帰国した円爾(聖一国師)は製粉の技術を持ち帰り、「饂飩・蕎麦・饅頭」などの粉物食文化を広めたと云われている。また、その円爾が開いた福岡市の承天寺境内には「饂飩蕎麦発祥之地」と記された石碑が建っている》とある。
流しそうめんを楽しむ韓国からのお客さん
しかし平安時代の貴族の日記である小野宮右大臣・藤原実資(さねすけ)の『小右記』には、989年(永祚元年)、一条天皇の行幸のおりに春日大社で餺飥(はくたく=ほうとう)が振る舞われたとあるので、こちらが252年も早い。つまり文献上「うどんのルーツは奈良」ということになるのだ。餺飥女(はくたくめ)という女性たちが、音楽に合わせて麺を打ち、天皇の一行に振る舞ったという。
「竹鶴ハイボール」は1杯500円。向かって右から、増井義久さん(イベント仕掛け人の1人・エムワイピー社長)、長岡光彦さん(奈良まほろばソムリエ)、宮崎剛志さん(奈良ホテル The Bar支配人)、渡邉匠さん(The Sailing Bar チーフバーテンダー)、大山恵功さん(奈良まほろばソムリエ)。宮崎さんと渡邉さんは、日本チャンピオン
そうめんのルーツは、もちろん三輪(奈良県桜井市)だ。日本各地で作られるそうめんは、すべて三輪に起源があるということは、奈良のうまいものプラザのサイトに書いた。また『奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック』の「素麺」(奈良の特産品)には、
奈良時代に中国から伝えられた素麺は、中国後漢時代(25~220)の記録にある索餅(さくべい)が原形だという。索餅は索麺や麦縄とも呼ばれ、奈良時代の貴族が食べる特別な一品だった。素麺が作られるのは巻向川と初瀬川が流れる三輪山のふもと。かつて、巻向川にはいくつもの水車が回り、小麦をひいていた。夏の食品である素麺は極寒期に作られる。今でも寒風に晒される素麺は真冬の風物詩。
つまりこれで、うどんもそうめんも奈良県が発祥の地だということが判明したのだ。今回のイベントは、それを皆さんに知っていただき、食べていただくことがねらいの1つだった。これからは「うどん・そうめん発祥地」を表看板に掲げ、大いに「奈良の食」をPRしましょう!
※トップ写真は「春日はくたくうどん」。報道用特別バージョン
オープン前の行列に、はや松永さんご夫妻の姿が…
平安時代の麺料理を再現 奈良
奈良市の奈良公園でうどんに似た平安時代の麺料理が再現され、観光客にふるまわれました。ふるまわれたのは、小麦粉に米粉などを混ぜて作る「はくたく」と呼ばれる平打ち麺で、平安時代に奈良の春日大社を訪れた天皇の勅使にふるまわれたという記録が残っています。
春日はくたくうどんを再現されたNPO法人「奈良の食文化研究会」の瀧川潔理事長
13日は春日大社で20年ぶりに行われている修復作業、「式年造替」を記念するイベントが奈良公園で開かれ、この古代の麺料理が会場を訪れた観光客にふるまわれました。訪れた人たちは、うどんに似た平らな麺の食感を楽しんでいました。
天平美女は麦縄(索餅)菓子を販売中。1本100円
会場ではこのほか、そうめん発祥の地とされる奈良県桜井市の「三輪そうめん」などもふるまわれました。「はくたく」を再現した「奈良の食文化研究会」の木村隆志さんは、「今後もたくさんの方に食べていただける機会を設け、歴史のある奈良の食文化をアピールしていきたい」と話していました。
ならどっとFMに電話で生出演中の山本太治さん(イベント仕掛人の1人・三輪そうめん山本社長)。右は同局の中川直子さん
また奈良新聞(9/14付)《麺のルーツを味わう 「うどんの元祖」再現人気》には《「春日はくたくうどん」は、平安時代の春日大社で勅使に提供されたとの記録がある麺料理。鎌倉時代の料理書をもとにNPO法人「奈良の食文化研究会」(瀧川潔理事長)が再現した。小麦粉、米粉、ヤマイモで作った生地を幅広の麺に仕上げた。「うどんのルーツ」は、今後、同市飲食店組合を通じて商品化される予定だという》とある。
うどんの元祖については諸説あるが、これまでの有力説は「博多起源説」だった。Wikipedia「うどん」には《仁治2年(1241年)に中国から帰国した円爾(聖一国師)は製粉の技術を持ち帰り、「饂飩・蕎麦・饅頭」などの粉物食文化を広めたと云われている。また、その円爾が開いた福岡市の承天寺境内には「饂飩蕎麦発祥之地」と記された石碑が建っている》とある。
流しそうめんを楽しむ韓国からのお客さん
しかし平安時代の貴族の日記である小野宮右大臣・藤原実資(さねすけ)の『小右記』には、989年(永祚元年)、一条天皇の行幸のおりに春日大社で餺飥(はくたく=ほうとう)が振る舞われたとあるので、こちらが252年も早い。つまり文献上「うどんのルーツは奈良」ということになるのだ。餺飥女(はくたくめ)という女性たちが、音楽に合わせて麺を打ち、天皇の一行に振る舞ったという。
「竹鶴ハイボール」は1杯500円。向かって右から、増井義久さん(イベント仕掛け人の1人・エムワイピー社長)、長岡光彦さん(奈良まほろばソムリエ)、宮崎剛志さん(奈良ホテル The Bar支配人)、渡邉匠さん(The Sailing Bar チーフバーテンダー)、大山恵功さん(奈良まほろばソムリエ)。宮崎さんと渡邉さんは、日本チャンピオン
そうめんのルーツは、もちろん三輪(奈良県桜井市)だ。日本各地で作られるそうめんは、すべて三輪に起源があるということは、奈良のうまいものプラザのサイトに書いた。また『奈良まほろばソムリエ検定 公式テキストブック』の「素麺」(奈良の特産品)には、
奈良時代に中国から伝えられた素麺は、中国後漢時代(25~220)の記録にある索餅(さくべい)が原形だという。索餅は索麺や麦縄とも呼ばれ、奈良時代の貴族が食べる特別な一品だった。素麺が作られるのは巻向川と初瀬川が流れる三輪山のふもと。かつて、巻向川にはいくつもの水車が回り、小麦をひいていた。夏の食品である素麺は極寒期に作られる。今でも寒風に晒される素麺は真冬の風物詩。
つまりこれで、うどんもそうめんも奈良県が発祥の地だということが判明したのだ。今回のイベントは、それを皆さんに知っていただき、食べていただくことがねらいの1つだった。これからは「うどん・そうめん発祥地」を表看板に掲げ、大いに「奈良の食」をPRしましょう!