NPO法人「奈良まほろばソムリエの会」は毎週木曜日、毎日新聞奈良版に「ディスカバー!奈良」欄に記事を書いている。奈良の隠れスポットや行事を写真と短い文章で紹介するコーナーである。
※トップ写真は、参拝者に湯滴をふりまく巫女(みこ)
その第3回(1/26掲載)は「三輪の初えびす 桜井市の御湯(みゆ)の神事」だった。執筆されたのは、同会の名物男・神出鬼没の雑賀耕三郎理事だ。
「御湯の神事」は、春日若宮おん祭(まつり)の「大宿所祭(おおしゅくしょさい)」(12/15)の「湯立行事」で拝見したことがある。「清め祓(ばら)いの行事」である。『日本大百科全書』の「湯立」によると、
神前の大釜(おおがま)に湯を沸かして神意を問い、笹(ささ)を振りつつ湯を周りに振りかける清め祓(ばら)いの行事。「ゆたて」「ゆだち」ともいう。古代には「盟神探湯(くかたち)」という行事があり、神前で沸かした熱湯を手で探らせ、真偽正邪の判断を行った。中世には「湯起請(ゆぎしょう)」とよばれる一種の神判があり、盗みなどの実否をただすために熱湯に手を入れさせて判定した。
湯立を問湯(といゆ)とよぶ所もあるように、神意を問う方式であったことを示す。神意を問うことを目的とした湯立は、島根県の美保神社で春の節分祭にかつて行われた湯立神事が名高く、一年神主とよばれる頭人が湯釜の中に入って神がかりとなり、託宣をした。修験道(しゅげんどう)に取り入れられた湯立は、修験者の験力を示す行法にもなり、また神楽(かぐら)と結び付いて湯立神楽として芸能化した。
三輪の惠比須神社は、JR三輪駅の南西方向(徒歩5分)、白玉屋榮壽(みむろ最中)本社や今西酒造本社もほど近い場所にある。記事全文を紹介すると、

鯛引き行事で引き回される巨大な鯛
三輪の初えびす/桜井市の御湯の神事
三輪惠比須神社(桜井市三輪)は2月5日~7日、「初えびす」を執り行います。万葉集にも歌われた古代の市場、海石榴市(つばいち)の伝統を引き継ぐ土地柄でもあり、大きなにぎわいとなります。
最終日の7日、午後2時から行われる御湯(みゆ)の神事が見逃せません。八つの大釜で湯を煮えたぎらせます。巫女(みこ)はそれぞれの釜に米、塩、神酒を入れ、笹の葉に浸して参列者にふりかけます。この飛び散る湯滴を受けると無病息災、商売繁盛につながるとされ、参列者は身を乗り出してこの湯滴を受けるのです。
三輪素麺(そうめん)の相場を占い、それを報告するという神事も行われます。三輪の町を練り歩く華やかな「鯛引き行列」も祭りを盛り上げます。
メモ JR桜井線(万葉まほろば線)三輪駅から徒歩5分。近鉄桜井駅下車(バス便あり)
【奈良まほろばソムリエの会 理事 雑賀耕三郎】
さすが伝統のある町には、伝統ある行事が残っているものだ。ちなみに「盟神探湯(くがたち)」は明日香村豊浦の甘橿巫(あまかしにます)神社で営まれるので、ぜひこちらもご覧いただきたい。
雑賀さん、興味深い行事のご紹介、有り難うございました!

※トップ写真は、参拝者に湯滴をふりまく巫女(みこ)
その第3回(1/26掲載)は「三輪の初えびす 桜井市の御湯(みゆ)の神事」だった。執筆されたのは、同会の名物男・神出鬼没の雑賀耕三郎理事だ。
「御湯の神事」は、春日若宮おん祭(まつり)の「大宿所祭(おおしゅくしょさい)」(12/15)の「湯立行事」で拝見したことがある。「清め祓(ばら)いの行事」である。『日本大百科全書』の「湯立」によると、
神前の大釜(おおがま)に湯を沸かして神意を問い、笹(ささ)を振りつつ湯を周りに振りかける清め祓(ばら)いの行事。「ゆたて」「ゆだち」ともいう。古代には「盟神探湯(くかたち)」という行事があり、神前で沸かした熱湯を手で探らせ、真偽正邪の判断を行った。中世には「湯起請(ゆぎしょう)」とよばれる一種の神判があり、盗みなどの実否をただすために熱湯に手を入れさせて判定した。
湯立を問湯(といゆ)とよぶ所もあるように、神意を問う方式であったことを示す。神意を問うことを目的とした湯立は、島根県の美保神社で春の節分祭にかつて行われた湯立神事が名高く、一年神主とよばれる頭人が湯釜の中に入って神がかりとなり、託宣をした。修験道(しゅげんどう)に取り入れられた湯立は、修験者の験力を示す行法にもなり、また神楽(かぐら)と結び付いて湯立神楽として芸能化した。
三輪の惠比須神社は、JR三輪駅の南西方向(徒歩5分)、白玉屋榮壽(みむろ最中)本社や今西酒造本社もほど近い場所にある。記事全文を紹介すると、

鯛引き行事で引き回される巨大な鯛
三輪の初えびす/桜井市の御湯の神事
三輪惠比須神社(桜井市三輪)は2月5日~7日、「初えびす」を執り行います。万葉集にも歌われた古代の市場、海石榴市(つばいち)の伝統を引き継ぐ土地柄でもあり、大きなにぎわいとなります。
最終日の7日、午後2時から行われる御湯(みゆ)の神事が見逃せません。八つの大釜で湯を煮えたぎらせます。巫女(みこ)はそれぞれの釜に米、塩、神酒を入れ、笹の葉に浸して参列者にふりかけます。この飛び散る湯滴を受けると無病息災、商売繁盛につながるとされ、参列者は身を乗り出してこの湯滴を受けるのです。
三輪素麺(そうめん)の相場を占い、それを報告するという神事も行われます。三輪の町を練り歩く華やかな「鯛引き行列」も祭りを盛り上げます。
メモ JR桜井線(万葉まほろば線)三輪駅から徒歩5分。近鉄桜井駅下車(バス便あり)
【奈良まほろばソムリエの会 理事 雑賀耕三郎】
さすが伝統のある町には、伝統ある行事が残っているものだ。ちなみに「盟神探湯(くがたち)」は明日香村豊浦の甘橿巫(あまかしにます)神社で営まれるので、ぜひこちらもご覧いただきたい。
雑賀さん、興味深い行事のご紹介、有り難うございました!
