1月7日(日)~8日(月・祝)と、東京の日経カルチャーが主催する「日本酒の起源を辿る旅」のガイドを担当した。とても充実した行程だったので、早速、写真とともに概要を紹介させていただく。
※トップ写真は正暦寺(しょうりゃくじ)
■1日目
東京駅(8:50発)=新幹線普通指定席・のぞみ(車中弁当昼食)=(11:08着)京都駅(11:30発)=近鉄特急=(12:05着)近鉄奈良駅=ジャンボタクシー春日大社 参拝 酒殿見学(非公開・外観見学のみ)―奈良豊澤酒造―天理教本部(社内から外観見学)―稲田酒造(明治10年、天理教の御神酒として「稲の花」醸造を始める)―ホテル日航奈良(18:30~「会席と奈良地酒めぐり」の夕食)

ご参加者は4名。一行は、添乗員の加藤輝さん(日経カルチャー)、ジャンボタクシー(大和交通)運転手の北田正信さんと私の7人である。まずは初詣で賑わう春日大社へ。お参りを済ませたあとは酒殿(さかどの)を外から拝観。上の画像は春日大社・式年造替のサイトから拝借した。6年前の平成24年に修理が完成、屋根の檜皮葺がとてもきれいだ。この酒殿では近年、奈良豊澤酒造がお酒を醸造し、春日祭(毎年3月13日・日本三大勅祭の1つ)に供える。

壺神神社

壺神神社の下には、こんな石像があった。由緒は不明
春日大社境内(春日荷茶屋の近く)には、末社の「壺神(つぼがみ)神社」がある。奈良市内に生まれ育った同僚によれば「昔はこのお社の周りに、たくさんの酒樽が(お供えとして)積んであった」という。

春日大社のお参りのあとは、奈良豊澤酒造へ。ここでは酒蔵見学と試飲をさせていただいた。ご参加者のお1人が、「豊という名前の友人に贈るため以前、京都で『豊祝』というお酒を買ったことがある」。同社の社員さん曰く「京都の伏見には(同じグループの)豊澤本店という会社があり、そこも『豊祝』を出しています」とのことだった。

奈良豊澤酒のタンクの上
奈良豊澤酒造のあとは一路、天理市へ。天理教本部の外観を車中から拝観し、天理本通り商店街の稲田酒造で2回目の酒蔵見学。1月8日は両社とも、見学の都合がつかなかったので、7日に2つの酒蔵を見学することになったとのこと。

向かって左端が稲田酒造の社長さん。このお店の裏に酒蔵がある


奈良豊澤酒造が春日大社にお酒を納めているのと同じく、稲田酒造は天理教にお酒を納めている(稲の花)。聞くところによると、奈良豊澤酒造の社長さんと稲田酒造の社長さんは、高校の同級生同士とのこと!これには驚いた。

1日の行程の最後は、ホテル日航奈良で夕食「会席と奈良地酒めぐり」。お料理が1品出てくるごとに、それにあったお酒が出てくるという趣向で、お料理とお酒の相性(マリアージュ)は抜群。田中料理長が試飲して、お決めになったというからすごい。サイトは、こちらである。

■2日目
ホテル日航奈良(9:30発)―正暦寺(しょうりゃくじ・日本清酒発祥の地)菩提もと清酒祭―清澄の里 粟(昼食)―大神神社(正式参拝)・活日神社ほか―今西酒造表参道店―橿原神宮前駅(16:53発)=近鉄特急=(17:51着)京都駅(18:35発)=新幹線普通指定席・のぞみ46号=東京駅(20:53着)

朝からは、年に1度この時期(不定日)に営まれる正暦寺の「菩提(ぼだい)もと清酒祭」へ。10時半のスタートだが、10時頃に到着すると、すでにたくさんの見学者が来ておられた。古来の「菩提酛(もと)」という酛(酒母)を平成11年(1999年)に復元した。これを使ってお酒を造る(=菩提酛づくり)。

酛とは、米麹、仕込み水、蒸米を混ぜた状態で酵母を加え培養して造る。この酛を筵(むしろ)の上に広げて冷まし(熱いと酵母が生きられないので)、それを各酒蔵が持ち帰ってお酒を造るのである。





粕汁のふるまいや餅つき体験、つきたての餅の振る舞いなどの楽しい催しがあるので、多くの見学者たちも喜んでいた。正暦寺の境内を参拝し、次は昼食。ミシュランで★に輝く「清澄の里 粟」で、野菜づくしのランチをいただいた。

午後の部は、大神(おおみわ)神社。拝殿で正式参拝である。写真が撮れなくて残念だったが、お正月は特別に、三つ鳥居(三輪鳥居)のすぐ横に臨時参拝所が設けられるので、間近で三つ鳥居を拝むことができるのだ。

正式参拝の後は巳の神杉(みぃさん)と杜氏の祖神・高橋活日命(たかはしいくひのみこと)をお祀りする活日神社を参拝。

巳の神杉

活日(いくひ)神社
最期に狭井(さい)神社でありがたいお水をいただいて、今西酒造表参道店でお買い物。

橿原神宮前駅に向かう途中、少し時間があったので、北田運転手が本薬師寺跡を案内してくださった。北田さんは地元で有名な運転手さんで「この人が運転するのなら、添乗員もガイドもいらない」と言われている。車内でも車窓から見える風景などを解説してくださり、お客さまはとても喜んでおられた。

2日目こそ少し雨が降ったが、とても充実した楽しいツアーだった。綿密にツアーを企画された加藤輝さん、弁舌もハンドルさばきも素晴らしい北田正信さん、有り難うございました。はるばる東京からのお客さま、またぜひ奈良をお訪ねください!
※トップ写真は正暦寺(しょうりゃくじ)
■1日目
東京駅(8:50発)=新幹線普通指定席・のぞみ(車中弁当昼食)=(11:08着)京都駅(11:30発)=近鉄特急=(12:05着)近鉄奈良駅=ジャンボタクシー春日大社 参拝 酒殿見学(非公開・外観見学のみ)―奈良豊澤酒造―天理教本部(社内から外観見学)―稲田酒造(明治10年、天理教の御神酒として「稲の花」醸造を始める)―ホテル日航奈良(18:30~「会席と奈良地酒めぐり」の夕食)

ご参加者は4名。一行は、添乗員の加藤輝さん(日経カルチャー)、ジャンボタクシー(大和交通)運転手の北田正信さんと私の7人である。まずは初詣で賑わう春日大社へ。お参りを済ませたあとは酒殿(さかどの)を外から拝観。上の画像は春日大社・式年造替のサイトから拝借した。6年前の平成24年に修理が完成、屋根の檜皮葺がとてもきれいだ。この酒殿では近年、奈良豊澤酒造がお酒を醸造し、春日祭(毎年3月13日・日本三大勅祭の1つ)に供える。

壺神神社

壺神神社の下には、こんな石像があった。由緒は不明
春日大社境内(春日荷茶屋の近く)には、末社の「壺神(つぼがみ)神社」がある。奈良市内に生まれ育った同僚によれば「昔はこのお社の周りに、たくさんの酒樽が(お供えとして)積んであった」という。

春日大社のお参りのあとは、奈良豊澤酒造へ。ここでは酒蔵見学と試飲をさせていただいた。ご参加者のお1人が、「豊という名前の友人に贈るため以前、京都で『豊祝』というお酒を買ったことがある」。同社の社員さん曰く「京都の伏見には(同じグループの)豊澤本店という会社があり、そこも『豊祝』を出しています」とのことだった。

奈良豊澤酒のタンクの上
奈良豊澤酒造のあとは一路、天理市へ。天理教本部の外観を車中から拝観し、天理本通り商店街の稲田酒造で2回目の酒蔵見学。1月8日は両社とも、見学の都合がつかなかったので、7日に2つの酒蔵を見学することになったとのこと。

向かって左端が稲田酒造の社長さん。このお店の裏に酒蔵がある


奈良豊澤酒造が春日大社にお酒を納めているのと同じく、稲田酒造は天理教にお酒を納めている(稲の花)。聞くところによると、奈良豊澤酒造の社長さんと稲田酒造の社長さんは、高校の同級生同士とのこと!これには驚いた。

1日の行程の最後は、ホテル日航奈良で夕食「会席と奈良地酒めぐり」。お料理が1品出てくるごとに、それにあったお酒が出てくるという趣向で、お料理とお酒の相性(マリアージュ)は抜群。田中料理長が試飲して、お決めになったというからすごい。サイトは、こちらである。

■2日目
ホテル日航奈良(9:30発)―正暦寺(しょうりゃくじ・日本清酒発祥の地)菩提もと清酒祭―清澄の里 粟(昼食)―大神神社(正式参拝)・活日神社ほか―今西酒造表参道店―橿原神宮前駅(16:53発)=近鉄特急=(17:51着)京都駅(18:35発)=新幹線普通指定席・のぞみ46号=東京駅(20:53着)

朝からは、年に1度この時期(不定日)に営まれる正暦寺の「菩提(ぼだい)もと清酒祭」へ。10時半のスタートだが、10時頃に到着すると、すでにたくさんの見学者が来ておられた。古来の「菩提酛(もと)」という酛(酒母)を平成11年(1999年)に復元した。これを使ってお酒を造る(=菩提酛づくり)。

酛とは、米麹、仕込み水、蒸米を混ぜた状態で酵母を加え培養して造る。この酛を筵(むしろ)の上に広げて冷まし(熱いと酵母が生きられないので)、それを各酒蔵が持ち帰ってお酒を造るのである。





粕汁のふるまいや餅つき体験、つきたての餅の振る舞いなどの楽しい催しがあるので、多くの見学者たちも喜んでいた。正暦寺の境内を参拝し、次は昼食。ミシュランで★に輝く「清澄の里 粟」で、野菜づくしのランチをいただいた。

午後の部は、大神(おおみわ)神社。拝殿で正式参拝である。写真が撮れなくて残念だったが、お正月は特別に、三つ鳥居(三輪鳥居)のすぐ横に臨時参拝所が設けられるので、間近で三つ鳥居を拝むことができるのだ。

正式参拝の後は巳の神杉(みぃさん)と杜氏の祖神・高橋活日命(たかはしいくひのみこと)をお祀りする活日神社を参拝。

巳の神杉

活日(いくひ)神社
最期に狭井(さい)神社でありがたいお水をいただいて、今西酒造表参道店でお買い物。

橿原神宮前駅に向かう途中、少し時間があったので、北田運転手が本薬師寺跡を案内してくださった。北田さんは地元で有名な運転手さんで「この人が運転するのなら、添乗員もガイドもいらない」と言われている。車内でも車窓から見える風景などを解説してくださり、お客さまはとても喜んでおられた。

2日目こそ少し雨が降ったが、とても充実した楽しいツアーだった。綿密にツアーを企画された加藤輝さん、弁舌もハンドルさばきも素晴らしい北田正信さん、有り難うございました。はるばる東京からのお客さま、またぜひ奈良をお訪ねください!