12月5日(水)、奈良市の猿沢池畔、創業150の老舗「吉田屋旅館」横の別館跡地に、ホテル「セトレならまち」がオープンした。修学旅行のメッカといわれる猿沢池畔だが、旅館ではなく、吉野杉・檜などをふんだんに使った瀟洒なホテルである。しかも支配人の岸本舞さん(沖縄県出身)は27歳というから驚く。YOMIURI ONLINE(12/4付)「ホテル続々進出の奈良、27歳女性支配人の挑戦」によると、
※画像はいずれも、「セトレならまち」の公式サイトから拝借
全国でホテル・旅館の客室数が最も少ない奈良県内で、新たなホテル進出の動きが顕著になっている。5日には奈良市の観光名所・猿沢池東側にホテル「セトレならまち」が開業。今後、外資系ホテルの建設などが相次いで計画されており、増加傾向にあるインバウンド(訪日外国人客)の恩恵を生かし切れていない現状の打開が期待されている。
厚生労働省の2017年度調査では、県内のホテルと旅館の客室数は計9197室と全国最下位。また、国土交通省の17年調査では宿泊者数は約265万人と46位だった。観光庁が公表した17年の外国人観光客の都道府県別訪問率ランキングでは、7・3%と全国9位タイだったが、宿泊客数は24位にとどまっている。奈良市の奈良公園周辺の寺社など歴史文化にあふれた観光スポットがあるものの、日帰り客が中心で、宿泊は大阪や京都に流れていた。
こういった課題を解決しようと、県も積極的にホテルを誘致。20年春には国内初進出の外資系高級ホテル「JWマリオットホテル奈良」が開業予定で、知事公舎がある県庁東側でもホテル建設の計画が進む。6月に施行された住宅宿泊事業法(民泊法)の影響もあって、旧市街地・ならまちでは、民泊施設や簡易宿泊所の開業も相次いでいる。
3日には、セトレならまちの内覧会が開かれた。創業150年の旅館「吉田屋旅館」の別館跡地に建設。神戸市や姫路市などでホテルを展開する「ホロニック」(神戸市東灘区)が地域密着型ホテルとして運営する。ホテルは4階建て延べ約2000平方メートル。外観や内装に吉野産スギやヒノキを多用した。様々な技術で土壁が手がけられ、ホテル全体を町家風に見立てたという。
客室数は32室。奈良の山並みを表現した部屋のほか、和紙のふすまや畳など奈良の伝統産業の技術を体感できる特別な「匠室」や、興福寺の五重塔を望めるテラスを備える。レストランは大和野菜や大和牛など地元食材を生かしたメニューが並ぶ。
ホロニックの長田一郎社長は「100年続くホテルを考えて始まったプロジェクト。地域の資源を発信、企画するホテルをならまちでも感じてもらいたい」と話した。平日1泊朝食付きで1万3000円(税込み)から、土日祝日は同1万8000円(同)からで問い合わせは、セトレならまち(0742・23・2226)。(岡本久美子)
「セトレならまち」の支配人に抜てきされたのは、入社5年目の岸本舞さん(27)。ホロニックが手がける全国5か所のホテルで最年少支配人だ。沖縄県出身。奈良にゆかりはなく、これまでブライダル担当など現場中心で経営管理業務は初めてという。「立地にあぐらをかかず、おもてなしでお客さまに『ここに戻ってきたい』と思ってもらえるようなホテルを目指したい」と意気込む。
同社の新規ホテルのプロジェクトに関心を持ち、今年メンバーに選ばれた。女性の視点で照明や内装の仕様を提案。意欲を買われて、プロジェクトリーダーに就いた。開業後の支配人に決まり、伝統産業の職人らと人間関係も築いてきた。岸本さんは「支配人の起用に正直驚いたが、自分らしく現場での経験を生かしたい。外国人観光客だけでなく、地元の方にも気軽に訪れてもらえる雰囲気のホテルにしたい」と話した。
ホテルのHPに「ディナーコース 一例」(税込み1万円)が出ている。
Amuse ~和魂洋才~フォアグラ 奈良漬/Dujem amuse ~瀬戸内からの贈り物~/ハマチ 秋鯖/Hors ďoul ~大地の一皿~大和ポーク 大和野菜/Dujem Hors ďoul ~秋の恵~栗 銀杏 松茸/Troisième Hors ďoul ~若草~/Gibier Poisson ~杉~鮭/Viande ~至福~奈良和牛 大和丸茄子/〆 三輪素麺 大和肉鶏/dessert 柿/mignardises 三種 コーヒー・紅茶・日本茶・ハーブティー
これは相当意欲的なメニューである。奈良に宿泊客を呼び込むには、多種多様な宿泊施設が必要だ。これまで「セトレならまち」のようなタイプのホテルは少なかったので、新たな顧客層を開拓できる可能性がある。セトレならまちさん、岸支配人、頑張ってください!
※画像はいずれも、「セトレならまち」の公式サイトから拝借
全国でホテル・旅館の客室数が最も少ない奈良県内で、新たなホテル進出の動きが顕著になっている。5日には奈良市の観光名所・猿沢池東側にホテル「セトレならまち」が開業。今後、外資系ホテルの建設などが相次いで計画されており、増加傾向にあるインバウンド(訪日外国人客)の恩恵を生かし切れていない現状の打開が期待されている。
厚生労働省の2017年度調査では、県内のホテルと旅館の客室数は計9197室と全国最下位。また、国土交通省の17年調査では宿泊者数は約265万人と46位だった。観光庁が公表した17年の外国人観光客の都道府県別訪問率ランキングでは、7・3%と全国9位タイだったが、宿泊客数は24位にとどまっている。奈良市の奈良公園周辺の寺社など歴史文化にあふれた観光スポットがあるものの、日帰り客が中心で、宿泊は大阪や京都に流れていた。
こういった課題を解決しようと、県も積極的にホテルを誘致。20年春には国内初進出の外資系高級ホテル「JWマリオットホテル奈良」が開業予定で、知事公舎がある県庁東側でもホテル建設の計画が進む。6月に施行された住宅宿泊事業法(民泊法)の影響もあって、旧市街地・ならまちでは、民泊施設や簡易宿泊所の開業も相次いでいる。
3日には、セトレならまちの内覧会が開かれた。創業150年の旅館「吉田屋旅館」の別館跡地に建設。神戸市や姫路市などでホテルを展開する「ホロニック」(神戸市東灘区)が地域密着型ホテルとして運営する。ホテルは4階建て延べ約2000平方メートル。外観や内装に吉野産スギやヒノキを多用した。様々な技術で土壁が手がけられ、ホテル全体を町家風に見立てたという。
客室数は32室。奈良の山並みを表現した部屋のほか、和紙のふすまや畳など奈良の伝統産業の技術を体感できる特別な「匠室」や、興福寺の五重塔を望めるテラスを備える。レストランは大和野菜や大和牛など地元食材を生かしたメニューが並ぶ。
ホロニックの長田一郎社長は「100年続くホテルを考えて始まったプロジェクト。地域の資源を発信、企画するホテルをならまちでも感じてもらいたい」と話した。平日1泊朝食付きで1万3000円(税込み)から、土日祝日は同1万8000円(同)からで問い合わせは、セトレならまち(0742・23・2226)。(岡本久美子)
「セトレならまち」の支配人に抜てきされたのは、入社5年目の岸本舞さん(27)。ホロニックが手がける全国5か所のホテルで最年少支配人だ。沖縄県出身。奈良にゆかりはなく、これまでブライダル担当など現場中心で経営管理業務は初めてという。「立地にあぐらをかかず、おもてなしでお客さまに『ここに戻ってきたい』と思ってもらえるようなホテルを目指したい」と意気込む。
同社の新規ホテルのプロジェクトに関心を持ち、今年メンバーに選ばれた。女性の視点で照明や内装の仕様を提案。意欲を買われて、プロジェクトリーダーに就いた。開業後の支配人に決まり、伝統産業の職人らと人間関係も築いてきた。岸本さんは「支配人の起用に正直驚いたが、自分らしく現場での経験を生かしたい。外国人観光客だけでなく、地元の方にも気軽に訪れてもらえる雰囲気のホテルにしたい」と話した。
ホテルのHPに「ディナーコース 一例」(税込み1万円)が出ている。
Amuse ~和魂洋才~フォアグラ 奈良漬/Dujem amuse ~瀬戸内からの贈り物~/ハマチ 秋鯖/Hors ďoul ~大地の一皿~大和ポーク 大和野菜/Dujem Hors ďoul ~秋の恵~栗 銀杏 松茸/Troisième Hors ďoul ~若草~/Gibier Poisson ~杉~鮭/Viande ~至福~奈良和牛 大和丸茄子/〆 三輪素麺 大和肉鶏/dessert 柿/mignardises 三種 コーヒー・紅茶・日本茶・ハーブティー
これは相当意欲的なメニューである。奈良に宿泊客を呼び込むには、多種多様な宿泊施設が必要だ。これまで「セトレならまち」のようなタイプのホテルは少なかったので、新たな顧客層を開拓できる可能性がある。セトレならまちさん、岸支配人、頑張ってください!