奈良新聞に連載している「明風清音」、11月は「自転車競技で五輪出場」(11/21付)だった。私も最近になって知ったのだが、奈良北高校(生駒市)と榛生昇陽(しんせいしょうよう)高校(宇陀市)は、自転車競技の名門校なのだそうだ。それぞれに部活として「自転車競技部」がある。奈良北高校の公式HPには、
※トップ写真は奈良北高校自転車競技部の公式Twitterから拝借
私たちは自走不息(じそうやまず)の精神をモットーに日々厳しく・激しく・楽しい練習に取り組んでいます。授業のある平日には40~60kmの街道練習、休日には100~150kmの街道練習を行っております。また、競輪場でのバンク練習や校内や校内周辺での体力向上トレーニングや心肺機能強化のための持久走なども行っております。
部員数は少ないですが、その中には全国大会で活躍する選手もたくさん在籍し、部員全員が高い目標を持って日々の練習に取り組んでいます。練習は厳しいですが、走り終えた達成感、登り切った爽快感、勝ったときの嬉しさは他のスポーツよりも充実しています。やる気と根性と体力があれば全国優勝も見えてくるかも!!!?
部訓の「自走不息」とは、つらい場面でも自ら前に出る、という意味だそうだ。また榛生昇陽高校について毎日新聞奈良版(2017.4.11付)は、「全国高校選抜大会 さらに上目指す 榛生昇陽高・自転車競技部、好成績を報告」の見出しで、こんなニュースを報じている。

この写真は、榛生昇陽高校の公式HPから拝借
福岡県久留米市などで3月にあった全国高校選抜自転車競技大会で優秀な成績を収めた県立榛生昇陽高校(宇陀市)自転車競技部の3年生3人が10日、同市役所を訪れ、竹内幹郎市長に報告した。個人種目では3キロ追い抜きで河野翔輝さん(17)が優勝し、他の2人も入賞。学校対抗では3位だった。
河野さんのほか、西原裕太郎さん(17)と二宮敦史さん(17)。個人種目で西原さんが3位、二宮さんが6位だった。竹内市長は「道路など練習環境を整備するので、更に高いステージを目指して」と激励した。
インドであったジュニアのアジア大会(2月)での3位入賞も報告した河野さんは「全国大会はタイムがよくなかった。夏のインターハイでは自己ベストを出して優勝したい」と話した。また、西原さんは「悔しさをバネに練習を重ねて次は優勝を」、二宮さんは「足りないところが分かったので、次につなげたい」と目標を掲げた。
これは頼もしい限りである。これらの高校を卒業した4人のOBが、東京オリンピック出場をめざして、日々トレーニングに励んでいる。では最後に記事全文を紹介する。
自転車競技で五輪出場
「自転車競技」をご存じだろうか。「自転車を用具として行われるスポーツの総称。現在では世界的に広く普及しているが、とくにヨーロッパではサッカーや陸上競技とともに大衆に人気のあるスポーツで、1903年にはじまった『ツール・ド・フランス』(フランス一周ロードレース)などは,毎年フランス国民を熱狂させている」(『世界大百科事典』)。
「オリンピック大会においても正式種目であり、男子は1896年第1回アテネ大会から、女子は1984年第23回ロサンゼルス大会から行われている。1996年よりマウンテンバイクが、2008年よりBMX(バイシクルモトクロス)が、正式種目に加えられた。世界選手権大会も1893年シカゴで第1回が開催されて以来(トラック競技)、二度の世界大戦期を除いて今日まで世界の各都市で毎年行われている」(『日本大百科全書』)。日本では第1回国民体育大会からの正式種目である。
奈良県は自転車競技の強豪県として知られ、県立奈良北高校(生駒市)と県立榛生昇陽(しんせいしょうよう)高校(宇陀市)の生徒やOBたちが活躍し、国体やインターハイで優勝または入賞を果たしている。しかし県内でレースを行う例が少ないので、この事実があまり知られていないのが残念だ。県内での開催例は、トラックレースは県営奈良競輪場でのトレーニングや記録会、ロードレースは毎年6月に宇陀市で行われる近畿高体連ロードレース。
なお「山岳グランフォンドin吉野」(県サイクリング協会と県の共催、奈良新聞社など後援)というイベントが毎年夏に開催されている。「グランフォンド」とは、自転車で長距離を走ること。「紀伊山地の霊場と参詣道」が平成16年(2004)に世界遺産に登録されたことを記念して毎年行われている。タイムを競うレースではなく、完走を目的としたサイクリングイベントであるが、吉野山をスタートし、野迫川村や天川村を経由して宇陀市に至るアップダウンの激しい道は、日本でも屈指の山岳長距離コースなっている。
東京オリンピックが近づいてきた。県出身で五輪出場が期待される自転車競技の選手は▽山本元喜(げんき)平群町出身27歳、奈良北高、鹿屋(かのや)体育大卒▽山本大樹(まさき・元喜の弟)平群町出身22歳、榛生昇陽高、鹿屋体育大卒▽入部正太郎(いりべ・しょうたろう)奈良市出身29歳、榛生昇陽高、早稲田大学卒▽吉田隼人(はやと)田原本町出身29歳、榛生昇陽高、鹿屋体育大卒、の4人である。なお鹿屋体育大は、鹿児島県鹿屋市に本部を置く国立大学だ。
山本兄弟はキナンサイクリングチーム(紀南の熊野地方が本拠)、入部選手はシマノレーシング(堺市が本拠)、吉田選手はNIPPOヴィーニファンティーニ(日本とイタリアが本拠)に所属し、好成績をあげている。
来年5月には「ツアー・オブ・ジャパン」(1日目は堺市、2日目は京田辺市)、5~6月には「ツール・ド・熊野」が新宮市周辺で開催される。いずれもUCI(国際自転車競技連合)公認のレースで、4人の選手も出場する。県民の皆さんにも観戦・応援していただき、その勢いで五輪出場につなげてもらいたいと願う。(てつだ・のりお=奈良まほろばソムリエの会専務理事)
※トップ写真は奈良北高校自転車競技部の公式Twitterから拝借
私たちは自走不息(じそうやまず)の精神をモットーに日々厳しく・激しく・楽しい練習に取り組んでいます。授業のある平日には40~60kmの街道練習、休日には100~150kmの街道練習を行っております。また、競輪場でのバンク練習や校内や校内周辺での体力向上トレーニングや心肺機能強化のための持久走なども行っております。
部員数は少ないですが、その中には全国大会で活躍する選手もたくさん在籍し、部員全員が高い目標を持って日々の練習に取り組んでいます。練習は厳しいですが、走り終えた達成感、登り切った爽快感、勝ったときの嬉しさは他のスポーツよりも充実しています。やる気と根性と体力があれば全国優勝も見えてくるかも!!!?
部訓の「自走不息」とは、つらい場面でも自ら前に出る、という意味だそうだ。また榛生昇陽高校について毎日新聞奈良版(2017.4.11付)は、「全国高校選抜大会 さらに上目指す 榛生昇陽高・自転車競技部、好成績を報告」の見出しで、こんなニュースを報じている。

この写真は、榛生昇陽高校の公式HPから拝借
福岡県久留米市などで3月にあった全国高校選抜自転車競技大会で優秀な成績を収めた県立榛生昇陽高校(宇陀市)自転車競技部の3年生3人が10日、同市役所を訪れ、竹内幹郎市長に報告した。個人種目では3キロ追い抜きで河野翔輝さん(17)が優勝し、他の2人も入賞。学校対抗では3位だった。
河野さんのほか、西原裕太郎さん(17)と二宮敦史さん(17)。個人種目で西原さんが3位、二宮さんが6位だった。竹内市長は「道路など練習環境を整備するので、更に高いステージを目指して」と激励した。
インドであったジュニアのアジア大会(2月)での3位入賞も報告した河野さんは「全国大会はタイムがよくなかった。夏のインターハイでは自己ベストを出して優勝したい」と話した。また、西原さんは「悔しさをバネに練習を重ねて次は優勝を」、二宮さんは「足りないところが分かったので、次につなげたい」と目標を掲げた。
これは頼もしい限りである。これらの高校を卒業した4人のOBが、東京オリンピック出場をめざして、日々トレーニングに励んでいる。では最後に記事全文を紹介する。
自転車競技で五輪出場
「自転車競技」をご存じだろうか。「自転車を用具として行われるスポーツの総称。現在では世界的に広く普及しているが、とくにヨーロッパではサッカーや陸上競技とともに大衆に人気のあるスポーツで、1903年にはじまった『ツール・ド・フランス』(フランス一周ロードレース)などは,毎年フランス国民を熱狂させている」(『世界大百科事典』)。
「オリンピック大会においても正式種目であり、男子は1896年第1回アテネ大会から、女子は1984年第23回ロサンゼルス大会から行われている。1996年よりマウンテンバイクが、2008年よりBMX(バイシクルモトクロス)が、正式種目に加えられた。世界選手権大会も1893年シカゴで第1回が開催されて以来(トラック競技)、二度の世界大戦期を除いて今日まで世界の各都市で毎年行われている」(『日本大百科全書』)。日本では第1回国民体育大会からの正式種目である。
奈良県は自転車競技の強豪県として知られ、県立奈良北高校(生駒市)と県立榛生昇陽(しんせいしょうよう)高校(宇陀市)の生徒やOBたちが活躍し、国体やインターハイで優勝または入賞を果たしている。しかし県内でレースを行う例が少ないので、この事実があまり知られていないのが残念だ。県内での開催例は、トラックレースは県営奈良競輪場でのトレーニングや記録会、ロードレースは毎年6月に宇陀市で行われる近畿高体連ロードレース。
なお「山岳グランフォンドin吉野」(県サイクリング協会と県の共催、奈良新聞社など後援)というイベントが毎年夏に開催されている。「グランフォンド」とは、自転車で長距離を走ること。「紀伊山地の霊場と参詣道」が平成16年(2004)に世界遺産に登録されたことを記念して毎年行われている。タイムを競うレースではなく、完走を目的としたサイクリングイベントであるが、吉野山をスタートし、野迫川村や天川村を経由して宇陀市に至るアップダウンの激しい道は、日本でも屈指の山岳長距離コースなっている。
東京オリンピックが近づいてきた。県出身で五輪出場が期待される自転車競技の選手は▽山本元喜(げんき)平群町出身27歳、奈良北高、鹿屋(かのや)体育大卒▽山本大樹(まさき・元喜の弟)平群町出身22歳、榛生昇陽高、鹿屋体育大卒▽入部正太郎(いりべ・しょうたろう)奈良市出身29歳、榛生昇陽高、早稲田大学卒▽吉田隼人(はやと)田原本町出身29歳、榛生昇陽高、鹿屋体育大卒、の4人である。なお鹿屋体育大は、鹿児島県鹿屋市に本部を置く国立大学だ。
山本兄弟はキナンサイクリングチーム(紀南の熊野地方が本拠)、入部選手はシマノレーシング(堺市が本拠)、吉田選手はNIPPOヴィーニファンティーニ(日本とイタリアが本拠)に所属し、好成績をあげている。
来年5月には「ツアー・オブ・ジャパン」(1日目は堺市、2日目は京田辺市)、5~6月には「ツール・ド・熊野」が新宮市周辺で開催される。いずれもUCI(国際自転車競技連合)公認のレースで、4人の選手も出場する。県民の皆さんにも観戦・応援していただき、その勢いで五輪出場につなげてもらいたいと願う。(てつだ・のりお=奈良まほろばソムリエの会専務理事)
