『万葉集』に、長忌寸意吉麿(ながのいみきおきまろ)が詠んだこんな歌がある。
荷葉(はちすのは)を詠みし歌
蓮葉(はちすば)はかくこそあるもの意吉麿が家なるものは芋(うも)の葉にあるらし(巻⑯3826)
(訳文)蓮の葉とはこんなものなのだ。私、意吉麿の家にあるのは芋の葉であるらしい
題詞に「荷葉(はちすのは)を詠める歌」とあるように、蓮の葉を詠んだ一首だ。「蓮(はちす)」は植物のハスのこと。「芋(うも)」はイモで、この場合は蓮の葉に似ているので、サトイモのこと。園地の立派な蓮の葉を見て卑下しておどけた歌、または宴席の食器として出てきた蓮の葉を褒めて詠んだものか。よく畑などで見かけるサトイモの葉は、確かに蓮の葉に似ている(サトイモの葉の方が小さい)。
水曜日(2021.9.15)の奈良新聞に〈「サトイモの花」咲いた 生駒の民家〉という記事が出ていた。記事内容は画像をご覧いただきたいが、サトイモの花が咲くなどとは、前代未聞だ。『旺文社 生物事典』の「サトイモ」には、
熱帯アジア原産.多年草で地下に球茎をつくる.葉は4~5枚根生,高さ1m.日本ではめったに開花しない.球茎のほか葉柄も「ずいき」と呼んで食用にする.ヤツガシライモほか品種が多い.
熱帯では花が咲くが、日本ではめったに開花しない。記事には「梅雨時期の多雨と8月の猛暑が影響したのでは」と出ていたが、地球温暖化の影響がこんなにところにも出たのか、と驚いている。
荷葉(はちすのは)を詠みし歌
蓮葉(はちすば)はかくこそあるもの意吉麿が家なるものは芋(うも)の葉にあるらし(巻⑯3826)
(訳文)蓮の葉とはこんなものなのだ。私、意吉麿の家にあるのは芋の葉であるらしい
題詞に「荷葉(はちすのは)を詠める歌」とあるように、蓮の葉を詠んだ一首だ。「蓮(はちす)」は植物のハスのこと。「芋(うも)」はイモで、この場合は蓮の葉に似ているので、サトイモのこと。園地の立派な蓮の葉を見て卑下しておどけた歌、または宴席の食器として出てきた蓮の葉を褒めて詠んだものか。よく畑などで見かけるサトイモの葉は、確かに蓮の葉に似ている(サトイモの葉の方が小さい)。
水曜日(2021.9.15)の奈良新聞に〈「サトイモの花」咲いた 生駒の民家〉という記事が出ていた。記事内容は画像をご覧いただきたいが、サトイモの花が咲くなどとは、前代未聞だ。『旺文社 生物事典』の「サトイモ」には、
熱帯アジア原産.多年草で地下に球茎をつくる.葉は4~5枚根生,高さ1m.日本ではめったに開花しない.球茎のほか葉柄も「ずいき」と呼んで食用にする.ヤツガシライモほか品種が多い.
熱帯では花が咲くが、日本ではめったに開花しない。記事には「梅雨時期の多雨と8月の猛暑が影響したのでは」と出ていたが、地球温暖化の影響がこんなにところにも出たのか、と驚いている。