火曜日(2020.5.26)の読売新聞夕刊「編集委員 鵜飼哲夫の ああ言えばこう聞く」に、万葉学者の上野誠氏が登場していた。見出しは「天平と令和 重なる思い 今こそ読みたい万葉集」。リード文には、
“今こそ読みたい古典”第3弾は、新元号「令和」の典拠になった万葉集です。万葉文化が花開き、奈良の大仏が建立された天平時代は、天然痘が流行した時でもありました。万葉学者で奈良大教授の上野誠さん(60)に、今こそ見直したい万葉の精神を学びました。
全5段ぶち抜きの大きな記事(新聞にはカラーで掲載)だが、すでに松森重博さんがご自身のブログ「鹿鳴人のつぶやき」に紹介されている。引用すると、
コロナ禍のなか疫病について、万葉集の時代を振り返って、奈良大学教授で万葉学者の上野誠先生のインタビュー記事「ああ言えばこう聞く」が、読売新聞5月26日の夕刊に半ページをつかって大きく載っていました。
「天平と令和 重なる思い」「今こそ読みたい万葉集」
〇令和と名づけられたのは今となれば時代の必然であった。
〇万葉集の鬼病
・壱岐島に至りて、雪連宅満(ゆきのむらじやかまろ)の忽(たちま)ちに鬼病に遭(あ)ひて死去(みまか)りし(巻15)「世の中は常かくのみと別れぬる君にやもとな我が恋ひ行かむ」
※雪連宅万、遣新羅使の一員。鬼病はおそらく天然痘。
〇コロナ禍では人の命と同時に、暮らしをいかに守るかが問われていますがその構造は1300年前と変わっていないようです。
〇離別の歌
「君が行く海辺の宿に霧立たば我が立ち嘆く息と知りませ」
「うらうらに照れる春日にひばり上がり心悲しもひとりし思へば」大伴家持 753年
〇言葉
「新しき年の始めの初春の今日降る雪のいや重(し)け吉事(よごと)」
雪が降り積もるように、万葉集に歌を寄せたすべての人によいことが永く積み重なるようにとの祝福歌です。万葉とは万の言の葉であり、万世、永遠でもあるのです。言祝ぎで大切なのは日本語の美しさです。ガミガミいがみ合うような日本語では、いい世の中になりません。
「磯城島の大和の国は言霊の助くる国ぞま幸くありこそ」という柿本人麻呂歌集歌にあるように、言葉の魂に国が助けられるには、いい言葉を使わねば。法律も言葉、人を生かすも殺すも言葉なのですから。
天然痘が流行した天平時代は、新型コロナ禍の令和の時代に通じる。「新しき年の始めの初春の今日降る雪のいや重け吉事」。このような時こそ、美しい言葉を使って幸福を祈らねばならない。
“今こそ読みたい古典”第3弾は、新元号「令和」の典拠になった万葉集です。万葉文化が花開き、奈良の大仏が建立された天平時代は、天然痘が流行した時でもありました。万葉学者で奈良大教授の上野誠さん(60)に、今こそ見直したい万葉の精神を学びました。
全5段ぶち抜きの大きな記事(新聞にはカラーで掲載)だが、すでに松森重博さんがご自身のブログ「鹿鳴人のつぶやき」に紹介されている。引用すると、
コロナ禍のなか疫病について、万葉集の時代を振り返って、奈良大学教授で万葉学者の上野誠先生のインタビュー記事「ああ言えばこう聞く」が、読売新聞5月26日の夕刊に半ページをつかって大きく載っていました。
「天平と令和 重なる思い」「今こそ読みたい万葉集」
〇令和と名づけられたのは今となれば時代の必然であった。
〇万葉集の鬼病
・壱岐島に至りて、雪連宅満(ゆきのむらじやかまろ)の忽(たちま)ちに鬼病に遭(あ)ひて死去(みまか)りし(巻15)「世の中は常かくのみと別れぬる君にやもとな我が恋ひ行かむ」
※雪連宅万、遣新羅使の一員。鬼病はおそらく天然痘。
〇コロナ禍では人の命と同時に、暮らしをいかに守るかが問われていますがその構造は1300年前と変わっていないようです。
〇離別の歌
「君が行く海辺の宿に霧立たば我が立ち嘆く息と知りませ」
「うらうらに照れる春日にひばり上がり心悲しもひとりし思へば」大伴家持 753年
〇言葉
「新しき年の始めの初春の今日降る雪のいや重(し)け吉事(よごと)」
雪が降り積もるように、万葉集に歌を寄せたすべての人によいことが永く積み重なるようにとの祝福歌です。万葉とは万の言の葉であり、万世、永遠でもあるのです。言祝ぎで大切なのは日本語の美しさです。ガミガミいがみ合うような日本語では、いい世の中になりません。
「磯城島の大和の国は言霊の助くる国ぞま幸くありこそ」という柿本人麻呂歌集歌にあるように、言葉の魂に国が助けられるには、いい言葉を使わねば。法律も言葉、人を生かすも殺すも言葉なのですから。
天然痘が流行した天平時代は、新型コロナ禍の令和の時代に通じる。「新しき年の始めの初春の今日降る雪のいや重け吉事」。このような時こそ、美しい言葉を使って幸福を祈らねばならない。
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