ライラックが咲いた。ハクモクレンも一斉に全開だ。
さわやかな5月の空に鯉のぼりが泳いでいる。
甍の波と雲の波、
重なる波の中空を、
橘かおる朝風に、
高く泳ぐや、鯉のぼり
そして、もう一つ思い出す歌は
柱のきずは おととしの
五月五日の 背くらべ
粽たべたべ 兄さんが
計ってくれた 背のたけ
きのうくらべりゃ 何のこと
やっと羽織の 紐のたけ
柱に身長を測っり刻んでくれた父、母、兄が浮かんできた。
子どもたちに付けた柱は、どこへ行ってしまったのだろう。
今、我が家の柱に、孫たちの背丈を刻んでいる。
この歌を口ずさむと、なんだか切なくなってきた。
繰り返す、子どもたちの成長と、日々の営みが見えてきた。
そんな昔が、無性に懐かしい。