孫娘の週末の宿題は、俳句の材料らしい、春を探してくることだった。
手帳に感じた春を書きながら、家のまわりを一緒に歩いた。
まず、スズメのさえずりがひときは嬉しそうに聞こえた。梅の蕾をのぞくと3ミリ程、まだまだ固かった。
雪の上から枝を出したユキヤナギの新芽にも未だ緑が見えない。コモをかけたジンチョウゲの花芽を見ると白いつぼみが少し膨らんでいた。
気温も13℃に上がり温かかったが、おおむね木々は眠ったままで、春は見つけにくかった。
門柱の上にあるミセバヤの植木鉢に緑を見つけた。鮮やかな緑の苔だ。橙色の胞子体が伸びてとてもきれいで趣がある。枯れ葉をよけると、ミセバヤの新芽が見えた。
まだ1メートル程もある雪の山を、注意して踏みしめながら裏庭に回った。
多少ゆるんだ雪に長靴が埋まった。 ムクゲの長い枝を雪が覆い曲がっていて、あらためて大雪だったこの冬を思った。
庭木の幹の回りに根回り穴が見えて、少しの春を感じた。でも、もうしばらく待たなければならないようだ。
軒から張り出していた屋根の雪がきのうの夜の間に落下していた。落ちたかたまりが道をふさいでいた。
ガス屋さんが来ると大変、苦労してかたずけた。
我が家は会津では少ないスレートの屋根、雪は積もりっぱなしで、東側は、まだ3~40cmも積もった雪の下に10cmを超える分厚い氷が出来ていた。
未だ屋根に残っている氷の層に、ずれたスレートが見えていた。実は去年も軒のスレートが氷と一緒にはがれて大損失を被ったばかりだ。
屋根からの落雪
今年は積雪が多く、庭の土も未だ見えない。雪が消えるのはいつになるだろうか。
玄関先までの踏み固まった雪は硬い氷でかなり厚く、角スコップで砕いた。
厚さ10センチ以上、手にまめが出来る程がんばって庭を広げた。
春は名のみだが、じきに間違いなく緑萌え、花が咲くのだ。
本当に4から5ヶ月間、会津の冬は長いと思った。