エッセイ  - 麗しの磐梯 -

「心豊かな日々」をテーマに、エッセイやスケッチを楽しみ、こころ穏やかに生活したい。

中秋の月餅

2009-10-09 | 旅行
           【美しい化粧箱に入った 本場中国の月餅】

 妻の実家へは、お盆前の墓参りから2ヶ月ぶり、楽しい夕食を囲むことが出来た。
 我が家の挿し芽で根付いた黄色いバラ苗と白の小菊の株を土産にした。
 翌朝、互いの健康を祈りながらお暇した。豊科ICから高速に乗る前に、義姉宅を訪ねた。
 甥の幸司君は8月に3年ほどの予定で中国に行ったばかりだったが、丁度帰国していた。中秋節の休みが長いようだ。
10月3日、中秋節は日本の中秋の名月に当たる祝いの行事だ。お土産のお菓子月餅をいただきながらしばし中国談義に花が咲いた。現地の様子をいろいろ伺うことが出来た。
 中国では伝統的な祭日にゆかりのある食品がたくさんあるらしい。たとえば元宵節の元宵、端午節のちまき、重陽節のむし餅などで、中秋節の伝統的な食品が月餅だそうだ。月餅は形が圓型で、団圓(団らん)を象徴し、一家団らんという人々の願いをあらわしており、このためまたの名を「団圓餅」とも呼ぶ。
ご馳走になった月餅は実に豪華だった。何種類かの月餅が、見たこともないきれいな化粧箱に入っていた。中秋節の時だけに登場する「中秋月餅」だ。いつか横浜中華街で土産に買ったものとは比べものにならないボリュームだ。小さく切ると、月餅の真ん中には何か硬い丸いものが入っていた。味はチーズのようだが見当が付かなかった。あとでネットで調べたら、あんの中は月をイメージした「蛋黄(たんふぁん=アヒルの卵を塩漬けにしたもの)」らしい。はからずも中国の伝統の味を楽しむことができた。
 昼近くまでゆっくりお茶をご馳走になり、丁度12時、豊科ICから高速道長野自動車道に乗った。 10/5

【安曇野市明科付近からの 常念岳】
 

日記@BlogRanking

霧ヶ峰の草紅葉

2009-10-08 | 旅行
       【霧ヶ峰からの八ヶ岳連峰】

 青春の地を離れ、妻の実家へ向かった。途中、妻の親友のいる長和町に立ち寄った。
中山道の宿場町、長和町の黒耀石石器資料館で妻とKさんとの40年ぶりの再会を見た。
 旧石器時代には和田峠は日本有数の黒曜石の産地で、ここの石が全国の遺跡から出土している。資料館には男女倉遺跡からの出土品が展示されていて、興味ある旧石器を知ることが出来た。



 和田峠から霧ヶ峰へ向かった。扉峠から松本へ下り、妻の実家を目指すことにした。次の季節を迎える静寂の中、八島が原湿原で草紅葉を堪能した。本州最南端の高層湿原は、泥炭層の厚さから、約1万年かけて現在の姿になっていると推定されている。銀色にススキのたなびく霧ヶ峰の草原の彼方に、八ヶ岳の山並みが美しく見えた。

【八島ヶ原湿原の草紅葉】


 自然保護センターを見学した。そこで、「日本蝶類保全協会」のきれいなパンフレット「チョウが消えてゆく」をいただくことが出来た。そこには多くのチョウ類が絶滅の危機にあることが訴えられていた。あわせて、同協会のガイド小冊子「ミヤマシロチョウ」をいただいた。かつて私自身、飼育に熱中した思い出のチョウだった。1970年代ころより減少が始まり、現在はほんの一角で棲息しているにすぎない状況だという。県では天然記念物に指定され、レッドデータブック絶滅危惧1類に指定されている。あらためて、私自身、チョウを守るためにに出来ることをしなければならないと思った。


【小冊子「チョウが消えてゆく」表紙】


日記@BlogRanking

懐かしの小旅行

2009-10-07 | 旅行
       【学部講堂 国登録有形文化財】

 還暦を迎えた1昨年、卒業以来初めて大学の同級会が開かれた。折悪く、入院中で出席出来なかった。今回は第2回目、何とか元気で過ごしているので、皆との再会を楽しみに出かけた。身体の心配もあり妻が同伴、帰りに実家へ立ち寄る小旅行となった。

あれから、実に40年の歳月が流れた。互いに老いた顔をみつめた。名前と顔が一致しない旧友もあったが、すぐに紅顔可憐な当時の顔が浮かんできた。40人中、亡くなった友が4人、住所が不明な友4人、今回は12名の出席だった。
 過ぎ去りし青春を、そしてその後の、思えばいつしか過ぎ去った40年の歳月を見つめる機会になった。
あの若かりし時と同じように、酒を酌み交わすことができる自分を感謝した。またも、生かされたいのち、健康の有り難さを思った。

  【湯川秀樹も泊まった特別室《山つつじ》に泊まる:ホテル祥園】


翌朝は、学部を案内していただく予定だった。その前にと、卒論のH研究室で共に学んだT君、Y君、そして妻と、高台にあるH先生のお宅を訪ねた。私たち夫婦は、仲人でもあるH先生とは5,6年ぶりだが、二人は卒業以来40年ぶりの再会だった。
 お元気な先生の近況を嬉しくお聞きしながらつかの間の時が流れた。別れが惜しかった。もっとお話ししたかったが、次の予定もあり、先生ご夫婦に見送られて学部へ向かった。

 学部の事務棟2階の部屋で、私の学んだ研究室の後輩でもあるH学部長からから、大学の現況を伺った。その後、構内の施設や設備を見学したが、素晴らしい発展を続ける学部が実にたのもしく思えた。
 40年の歳月の流れか、構内に林立するヒマラヤスギの大木に驚きながら歩いた。いくつもの新しい高層の研究棟が建っていたが、その狭間にみすぼらしい武道場を見つけた。涙が出るほどに懐かしかった。文字通り青春の汗を流した道場が当時のままに、タイムスリップしたように佇んでいたのだ。その脇には、当時はたしかテニスコートがあった場所に、ゴージャスな学生協が建っていた。

 2年後のまたの同級会での再会を約して、皆としばしの別れを告げた。
 懐かしい青春を回顧する旅となった。ついでにと、学生時代にお世話になった何軒かを訪ねた。
 何年かお世話になった下宿先、家庭教師をしたI君も立派に店を経営していた。 多くの方々にお世話になり、かけがえのない青春を過ごすことが出来た幸せを感謝しながら、懐かしい第2の故郷に別れを告げた。
 

日記@BlogRanking

仮面ライダー

2009-10-03 | 昆虫
 しばらくブログお休みします。
 第2のふるさと信州へ小旅行です。


トンボの顔

【ネキトンボ 10/1】


【マユタテアカネ 7/23】


【ナツアカネ 9/25】


【アキアカネ 7/21】


【ヨツボシトンボ 6/23】


【チョウトンボ 8/25】


【ショウジョウトンボ 7/3】


【ハラビロトンボ 6/18】


【オニヤンマ 8/8】


【マダラナニワトンボ 9/27】


【マイコアカネ 10/1】


日記@BlogRanking

 読書の秋

2009-10-02 | 文芸
   【弾けたサンショ】

 読書の秋だ。それに合わせたように、昨日と今朝のラジオ深夜便 こころの時代は、紀田順一郎氏(神奈川近代文学館・館長)の話、《わたしの読書遍歴「江戸川乱歩との出会い」(1)、(2)》だった。評論家であるくらいしか知らなかった氏の話に、立派な人柄を感じた。

 終戦時10歳、その後の周囲に書籍の不足していた時代に、読書の遍歴ノートにる教師の指導の人間形成に与える意義等々、大切なものを思った。そして、あふれる豊かさのなかで読書離れの進んでいる今、子どもに接する大人社会の姿勢を思った。
 若者は本を読まないようだ。余暇には、テレビ、ビデオ、CD、ゲーム、また携帯でのメールに忙しく、ますます本は読まれなくなっているに違いない。読書によって得られるものは大きく、読書の習慣が欲しい。時代の変化にもその意義は薄れるものではない。若者の読書離れを憂えている。

 とは言いながら、私自身も最近は本を読まなくなった。読むと言えば、感動とはほど遠い、趣味のコンピュータか科学関連雑誌のたぐい。
 若き日に浩然之気を養うべく読書にいそしんだことや読書からの感動が自分を大きくしてくれたと考えると、あれからどれだけ成長したのだろうかと、精神的に次元の低い現在を反省したくなる。

 かつてよく読んだ作家、好きな作家を思い付くままにあげてみた。
 石川啄木、北杜夫、島崎藤村、斎藤茂吉、宮沢賢治、太宰治、寺田寅彦、司馬遼太郎、中野孝次、良寛、田淵行男、藤沢周平・・
 
 これからの燈火親しむ候、テレビ、ラジオのない静かな夜長に、努めて本を読み、久しく忘れていた涙を流すほどの感動を求めたいと思っている。


日記@BlogRanking

栗拾い

2009-10-01 | 自然観察
   踏み入ればススキ波打つ栗拾い

 昨日、午前中い栗拾いに出かけた。毎年少しばかりの栗拾いを楽しんでいるが、お目当ての栗の木周辺は、すでに茶色いイガが沢山落ちていた。去年より大分早いように思えた。粒も小さかったが、結構楽しく拾うことができた。もっとも妻が拾っているあいだ、私はもっぱら散策、脱皮中のシマヘビを観察していた。曇り空でトンボも少なかったが、ネキトンボのペアを撮った。帰りの林道で何人か栗拾い人を見かけた。そのうち、栗ご飯を楽しめそうだ。


   【脱皮中のシマヘビ】

 帰路、鮮やかな紫色の花を発見して通り過ぎた車を止めた。トリカブトだ。初めて見るあの猛毒の花だ。
ネットで見た。「キンポウゲ科の多年草。植物としてはもっとも強い毒アコニチン系アルカロイドを含み、天然物としてはフグ毒に次ぐという。名は、花の形が烏帽子(えぼし)に似ることによる。日本には約30種が自生している。」

  【トリカブト】

 トリカブトは、葉も花も、どこかデルフィニュウムに似た雰囲気に思え、調べたら同じキンポウゲ科であることが分かった。さらに、【アルカロイドの一種、デルフィニンを有し、食べると下痢や嘔吐を起こし、死に至る場合がある。】とあり、驚いた。

 そう言えば昨日9月30日のラジオ深夜便の【今日の誕生花と花言葉】でキキョウ科のサワギキョウ、が紹介された。《花言葉》は高貴だった。実は、9月初めときどき行く林道でサワギキョウを見た。なかなか名前を思い出せずにいた花だった。園芸店で何度か買ってきて、確か赤色もあったと記憶しているが、根付かず涸れてしまった。山地の湿った草地や湿原などに自生するとの解説に納得した。ついでに調べたら【サワギキョウは毒草としても知られる。麻酔などの効能を薬草として利用された例もあるが、危険が大きいようである。】の記述も見つけた。
 何となくこの紫色の醸し出す雰囲気が毒の成分と関係するような勘がした。
   
 【サワギキョウ 2009.9.4】

 合わせて放送された《今日の一句》は、【雨降れば暮れる速さよ九月尽】(作者は聞き逃した)、今日から10月、あらためて時の流れの速さを思った。



日記@BlogRanking