中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

とうとう、ドラマ「坂の上の雲」が始まる…

2009-11-23 15:53:58 | その他
 待ちに待った「坂の上の雲」ドラマ版が、今週11月29日(日)の普段なら、大河ドラマをやっている時間帯に放送される。以前なら「絶対に映像化は不可能」といわれていた、この壮大なドラマは、これから3年もの長期にわたって放送されるという。「いてもたってもいられない」ので、いつもの週一ペースを変えての緊急投稿だ。
http://www.nhk.or.jp/matsuyama/sakanoue/index.html

 ボクが「坂の上の雲」を読んだのは今から11年前だ。それから現在に至るまで司馬遼太郎氏の作品を何作も読んだが、その中でもボク的にはベスト1の作品だ。だが、それが今回のドラマでどこまで描けているのか、今、ボクの心の中では期待と不安で一杯なのだ。

                  
                      (抜けている2~4巻は兄貴に貸し出し中)

 内容について事細かに語るには未熟なボクだが、この小説のメイン・テーマは、世界最強と言われたロシア騎兵の「コサック兵」に勝利し、後に日本の騎兵の父と呼ばれるようになる兄、「秋山好古(あきやまよしふる)」とロシアのバルチック艦隊を打ち破る日本海海戦の作戦計画を作った弟、「真之(さねゆき)」の秋山兄弟、その秋山真之の親友で後に俳界に革命をもたらせた「正岡子規」、そして、賛否両論あるものの、乃木希典将軍に代わって影からロシア軍の旅順要塞攻略の指揮を執ったと言われる「児玉源太郎」らを通してみる、明治人達の「リアリズム(=現実主義)」だと思う。

秋山好古(あきやま よしふる)=ドラマでは阿部寛が演じている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%8B%E5%B1%B1%E5%A5%BD%E5%8F%A4
秋山真之(あきやま さねゆき)=ドラマでは本木雅弘が演じている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%A7%8B%E5%B1%B1%E7%9C%9F%E4%B9%8B
正岡子規(まさおか しき)=ドラマでは香川照之が演じている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AD%A3%E5%B2%A1%E5%AD%90%E8%A6%8F
乃木希典(のぎ まれすけ)=ドラマでは柄本明が演じている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B9%83%E6%9C%A8%E5%B8%8C%E5%85%B8
児玉源太郎(こだま げんたろう)=ドラマでは高橋英樹が演じている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%85%90%E7%8E%89%E6%BA%90%E5%A4%AA%E9%83%8E

 ボクは右派でも左派でもない、中道を歩く市民として暮らしているが、そのボクにとって日露戦争は、どう調べ、どう考えても欧米列強の支配を跳ね返すための「祖国防衛戦争」に思えてならない。江戸時代から欧米列強との間に結ばれていた不平等条約に関しては、これ以前の日清戦争の直前にようやく領事裁判権等の治外法権が撤廃されていたものの、もう一つの念願だった関税自主権の回復は、この日露戦争の勝利を待たなければならなかった。そのことからも判るが、もし当時の「食うか食われるか」の状況下で日露戦争に敗れ、あるいは戦争そのものを避けていたのなら、今の日本はかなり変わった様相になっていただろう。そして極東アジアの一小国でしかない、ただの島国になっている確率は高いと思う。

 その、国家存亡の危機を乗り切るために明治政府の政治家や軍人の指導者達は、戦争をする準備段階から引き際の見定めまで、自分たちに動員できうる人員、予算といった「国力」という「分」をわきまえつつも、それぞれが持てる能力の全てを発揮し、徹底したリアリズムに基づいて遂行した。そして国民も、それに応えて一斉に立ち上がっていった。
 だが、その後…司馬さんの意見を借りれば、そんなリアリズムを忘れたから日本の軍部は後の戦争で破滅を迎えてしまうのだが、昭和20年の終戦を経て現在に至るまで、これほど多くの指導者的立場の人々が、奢らず、自分自身と世の中に対して正直になれた時期は無かったのではないか?と個人的には思っている。
 そして、それを個人に置き換えてみれば、夢や希望がなくては生き辛いだろうが、そのベースにはリアリズムがなければ、ただの絵空事でしかないとボクは思っている。

 戦争を美化するつもりなんて更々ないが、絶対平和を標榜する人であっても、過去に「戦わなくてはならない戦争」があったことを認識するために、ドラマ「坂の上の雲」を見て、出来れば原作も読んで欲しい。そして、その時代背景についても興味を持って調べ、現在の日本が置かれている状況との比較をして欲しい。
 司馬さんの歴史解釈は「司馬史観」として「史実とは違う部分がある」と言われることもあるが、仮にそうであったとしても、明治期男子の友情、責任感、生き様などが見事に描かれた、言葉としては古く適切ではないのかも知れないが、日本の男なら必見の小説(ドラマ)には違いないと思う。


                           ……オマケ映像……
 
                             山頂の秋
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