中島ブラザーズ ”弟”の「外で遊ぼう!」

近頃は日本海で、ヒラマサを追ってばかり。よって磯釣りや渓流釣りは休止状態ですが…。

春の経ヶ岬 ~5回目

2021-05-22 12:30:00 | 船釣り・釣行記
 白石グリではヒラマサがオキアミに反応するようになったのは4月22日頃と、例年に比べてかなり遅かった。「これで安心。」と思い、シーズンインしてからの展開に期待を待ったが、またもや荒天のサイクルにハマって一度しか釣行チャンスがなく、悶々とした日々を送っていた。しかし、その間に急転直下し、5月15日以降はゴロッと状況が変わってしまった。原因は大量に集まったベイトフィッシュの影響だと思うが、釣行当日近辺は「オキアミに見向きもしない」状況でのスタートだった。


■イヤな予感■

 いつものように白石グリへと向かったが、今回利用したのは第八大海丸さん。いつもお世話になっている第八十八大海丸さんの言わば「兄弟船(実際は友人関係で、兄弟ではないし、鳥羽一郎の歌も関係ない。)的な位置づけ」ということになる。元々が大物狙い指向の釣り人が船長になった経緯から、周波数がボクと同じなのは嬉しい限りだ。

●伊佐津川沿いから出港する、第八大海丸さん●


 協定時間である11時に実釣スタート。前日はブッ飛び潮だったそうだが、当日は、「速いが何とかなるレベル」で一安心。まずは水中帆一個のみを装着して探りを入れてみる事にした。

●100mあたり3分15秒●

 船長の想定ポイントは160m以降という事だったので、まずは150mで10mの巻き戻しを入れた後、220m出た時点で回収する。するとサシエサが盗られていたので、120mで10mの巻き戻しを入れて220mまで流してみたが、これでも盗られたので、120m、160mの2回の巻き戻しを入れてみると、今度はサシエサが残っていた。
 何度か調整したが、これらの巻き戻しパターンが効きそうにないので、120mで20秒止めた後にリールのメカニカルブレーキを絞って流してみたがこれもダメ。気付けば船の周囲ではベイトフィッシュが追われて盛んにボイルが始まっていた。

●あちこちで起こるボイル●

 「やはりオキアミに興味が無いのか…。」と、噂が実感となった瞬間だった。


■飲ませ釣り■

 そうこうしている内に周囲ではポツポツと竿が曲がり始めていた。様子を見ていると、どうやら小アジをエサに飲ませ釣りをしているようだった。そんな時の為に、この日は早起きをしてその小アジを購入していたので、仕掛けをまるごと交換してチャレンジ。
 だが、ボクは「M体質」なのが、魚に反撃される一種の弱みや隙がこちらある方がオモシロく感じるし、本来は事細かくイジクる釣りが好きなので、豪快であるものの、やや大味になり、太いハリスが使えるこの釣りがどうしても好きになれない。そのため、僅かな投入回数で諦めてしまった。
 さりとてオキアミの釣りに戻しても状況は好転しないままだった。諦めムードの漂う中、気付けば周囲の船も減っていたので、船長はアンカー位置の修正を決意した。そして元のポイントからほど近い位置で再スタートを切る事になった。


■念願のアタリ!■

 再スタートにあたって、頭の中を整理してパターンの再構築を行った。ここまで潮流は速いものの、上下の速度差は多少あっても極端な二枚潮ではなかった。と、なれば、「速めの上潮に乗せた仕掛=サシエサを、どの距離で本命魚の層に落とすのか?」をシンプルに考えてみようと、そんなパターンに強い「越前方式」で攻めてみる事にした。
 まずは探りを入れる為に最初の送り出しは20m、B.B.入サルカン0号のみが着いた状態で200mまで流してみた。すると、サシエサは盗られていた。次いで発砲ウキの8番を入れて送り出し量や流す距離は同じのままに流すと今度はサシエサが残っていた。

●越前方式の浮力調整用発砲ウキ●

「それならば…。」と、発砲ウキ7番に交換して同様の流しを試みると160m付近で、一気に「ブーンッ!」といった感じではなく、1秒ごとに2割増しにスピードアップする感じでスプールの逆転スピードが上がっていた。
 「どこかで見たアタリ・パターンだ!」とばかりに、反射的にアワセを入れると、「ドスンッ!」といった感の衝撃がロッドを持つ手に伝わった。そして、それと共に長い長い攻防が始まった。

■柔よく剛を制す■

 ファーストラン付近のやり取りでは、速い潮に起因する水流抵抗にパワーの何割かを奪われているのか、道糸の引き抜きさえ行えば、相手は素直について来る様子だった。自身でカメラのシャッターを切る余裕もあったので「もしかするとブリかも?」という気さえ起こっていた。

●イイ曲がり!●

 ところが水深の1.5倍=100mを切る頃から人(?)が変わったように反転を開始し、一気に20m以上の単位で走るようになった事から、デカマサ・クラスと判断して「押さば引け・引かば押せ」の要領で慎重に距離を詰めて行った。

●ヒン曲がったように見えないのは、竿を左に回しているから●

 これまで、何度かデカマサ・クラスの引きに遭遇しているが、ファーストランをウマくかわした後には、最低でも三か所の関所的なキョーレツ・ポイントがあるように思っている。
 まず最初は自分の遊泳層から大きく引き上げられ始める水深の1.5倍辺りが第一関門。続いて船下の水深分の距離を切る辺りで、この日は75m付近が第二関門だった。そして最後の第三関門が、デカマサが船影を確実に目視する辺りがそれに該当する。
 その実、パターン通りの展開になったが、当日のデカマサは、特に最後の20~30mからの距離がなかなか縮まらなかった。
 勿論、これには理由がある。ここ迄の間のどこかでハリスが傷ついている可能性がある事と、出ている道糸の量も少なくなってショック吸収力が落ちていて、ハリスが飛んでしまう可能性が高くなるからだが、白石グリ仕様の8号ハリスでは更に無理が効かなくなる。
 いつものようにこの距離では極力ハリスをいたわるために、リールのドラグはズルズル滑るようにして微調整は親指の押さえで行う=サミングを駆使し、相手が走ろうとする方向=頭側に差を先を振って先回りし、もち上げてゆくが、相手が大きい分だけ時間がかかるので、こっちの体力も奪われてしまう。
 どうにかこうにかリールのカウンターが0mを指す迄に詰め寄ったが、道糸の伸びでカウンターは狂っており、実際はまだ20m以上も残っている。にも関わらず、ここから先は手巻き区間になるから堪らない。
 時間をかけて何とかサルカンが見えそうな距離迄詰めても、そこから猛ダッシュされ、20m以上の距離からやり直し。何度も何度もこれを繰り返した末ににようやく船長にサルカンを掴んでもらう事に成功する。次いでここから慎重な手繰り寄せが始まった。
 そして「ネット・イン!」と言いたいところだが、重さとデカさから玉枠がヒン曲がって危うくこぼれ落ちそうになった。それでも何とか体勢を立て直して船内に引きずり込む事に成功した。ここまでかかった時間は20分以上。まさに「ヒヤヒヤモノ」のフィニッシュだった。


■ぬか喜び■

 自己記録クラスなので、船長と二人で慎重に計測する。すると、実寸で124cmを指しているではないか!。自己記録更新に小躍りして喜んだが、直ぐ後にゲージの読み違いが発覚した。

●一時は読み違えて124cmだと思ったが…●


●本当は実寸で119cm!●

 残念ながら、更新とはならず、後に魚拓をとった際の拓寸では122cmとなり、2019年に玄達瀬で釣った123cm(実寸)に次ぐデカマサという事になった。これで通算9本目のメーターオーバーになったが、白石グリでの最自己記録である104cmを大きく超える事には成功した。いずれにせよ、完全フカセ釣りを誰もが諦めそうになる程に全く気配のない中、懸命に調整を繰り返し、ビッグ・ワンを無理やり引きずり出せた喜びは大きかった。


■夕マヅメ■

 デカマサの後も引き続いて攻めていたが、続く魚も無く、エサが盗られなくなってきた事から、再スタートの意味で発砲ウキを外すとブリが喰って来た。だが、連発はしない。

●これでも95cm級●

 そして最終段階に入ってマキエサの"ドカ撒き“を開始する。その中に2Bのガン玉を打った仕掛を入れてやるとマダイが2枚(62~50cm)連続で来て、それでオシマイ。この日の釣りが終わった。


 春期の経ヶ岬釣行は残すところあと2回の予定だ。恐らく119cmを超える確率はかなり低いだろうが、「まだまだチャンスはある」と言い聞かせ、チャレンジは続けてゆく。
コメント
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