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■ 伏見稲荷大社の赤い鳥居の連続(友人のKさん提供)
既に書いたことをまた書く。雑誌「新建築」の日本現代建築家シリーズの一冊、『出江寛』1989年発行に「感性が読み取る美」と題する出江さんのエッセイが掲載されている。その最後の一節。
**赤い鳥居を千本もくりかえすことでデザインとしての奇抜さを生み、畏怖感のようなものを表現している。平凡なものの集合はときとして芸術にまで高められるのである。**
私が繰り返しの美学に関心を持つきっかけとなったこの文章に取り上げられている伏見稲荷の鳥居。先月関西方面へ旅行に出かけてこの神社も見学したという友人に送ってもらった写真、アップを了解してもらった。「繰り返しの美学!」とシャッターを切ったかどうかは訊かなかった。
例えば野原一面に咲くコスモスやヨーロッパの古い町の同色の屋根のように平面的に同じものが広がっている状態も「繰り返し」と捉えることができるが、私が取り上げるのはこのように同じ要素の一方向への繰り返し。
いつかこの空間を体験してみたいと思う。紅葉の京都か・・・。