透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

民家 昔の記録

2008-10-24 | A あれこれ

群馬県水上町平出(当時)の民家 19791018撮影

 久しぶりに「民家 昔の記録」です。

今回は群馬県水上町(現 みなかみ町)の民家。茅葺の屋根に下地を組んでトタン(着色亜鉛鉄板)葺きにするところです。撮影したのは1979年10月。

サービスサイズの昔のプリントをポケットサイズのデジカメで撮った写真ですから、不鮮明です。棟端飾りが取り外されて置いてありました。現場の職人さんに伺った各部の名称が記録してあります。昔は結構マメにこういうことをしていたんです。

「大町の民家」でも取り上げた「小棟」が分かります。他には烏どまり、雨板、破風板、ど板という名称が確認できます。この飾りは「さる」と呼ばれる棒を使って棟の端部に刺してあったんですね。トタン葺きにしてから棟端に戻したのかどうか・・・。

ちなみに、この屋根の形、甲造りです。養蚕のために工夫された形です。

上州武尊山に登った時に出合った現場ではなかったかと思うのですが、30年も昔のことですから記憶が曖昧です。

路上観察 大町の民家(追記)

2008-10-24 | A あれこれ


                大町市内にて 081019

 久しぶりの路上観察、久しぶりの民家です。

先日結婚披露宴に出席するために大町に出かける途中、松川村で道祖神を見かけたことは既に書きました。その後、大町市内で見かけたのがこの茅葺の民家です。一度は通り過ぎたものの、時間に余裕があったので引き返して路上観察しました。

比較的小さな寄棟の茅葺屋根ですが、プロポーションが良くてきれいです。職人の感性によって、軒先のカーブなどが微妙に違ってくるんですよね。

棟の端部には小棟と呼ばれる小さな棟がついています(この写真では分かりにくいですが)。小棟の付く寄棟の屋根は長野から群馬にかけて分布していると記憶しています。

カラー鋼板屋根の平屋の部分は後から増築されたものと思われますが、全体がバランスよくまとまっています。

最近では茅が入手しにくいことや職人がほとんどいなくなってしまったことなどの理由で、茅葺屋根の維持管理は大変困難な状況です。残念ながらカラー鋼板で屋根を包んでしまっている民家がほとんどです。

久しぶりに茅葺屋根を見かけて、うれしくなりました。

「追記」


    白馬村の民家 30年くらい前に撮影した写真

民家は2階建ての場合でも2階は小屋裏のスペースを利用する例が多いと思いますね。 窓を設けるために、屋根の一部をこのように切り取って兜(かぶと、甲の方が一般的でしょう)造りにしたり、突き上げ屋根を設けています。

この大町の民家のように2階の階高をきちんと確保している例はyayoizakaさんご指摘の通り、少ないと思います。

* 寄棟の妻側を切るケースに限って甲造りと呼ぶのか、平側も含めての呼称なのかは確認してみる必要があるかもしれません。