朝日新聞2014年5月17日付朝刊
■ 前稿にも書いたが、自室の書棚の本を100冊まで減らしたいと思っている。100冊の中には漱石の小説も残るだろう・・・。
朝日新聞が今年の4月に実施した「漱石の小説で好きなキャラクター」を問うアンケートの結果が新聞に掲載された(写真)。
読んだことのある小説のトップ3は「坊っちゃん」と「吾輩は猫である」と「こころ」で、好きなキャラクターは「坊っちゃん」のおれと「吾輩は猫である」の猫が他を大きく引き離してトップ2だった。次が「坊っちゃん」の山嵐だったというのは意外な気もするし、頷ける結果のような気もする。
漱石の作品をあえてひとつだけ残すとすればやはり「猫」になるだろうか。
名前のない猫の飼い主、苦紗弥先生のモデルは漱石自身。そして猫は苦紗弥先生、すなわち漱石を客体化して観察するもうひとりの漱石。ふたつの視点を設定したところが漱石のスゴイところだ。
この小説、もう1回は再読したい。