透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「芸術缶」

2016-01-03 | A あれこれ



■ 初詣の善光寺でお札を、その帰路で八幡屋磯五郎本店で七味唐辛子を買い求めた。よく知られたデザイン(左)ではなく、長野市芸術館の開館を記念する「2016年イヤーモデル芸術缶」が欲しかった。

パッケージには**竣工から五十年、惜しまれつつ幕を下ろした〈長野市民会館〉のその地に、二〇一六年、新しく〈長野市芸術館〉が開館します。長野市芸術館は、新市役所との複合施設で、音楽を主目的とした1300席の〈メインホール〉、音楽専用300席の〈リサイタルホール〉、平土間ボックス型小劇場の〈アクトスペース〉、三つの専門性の高いホールに加え、各種練習室等、市民の芸術活動を支援する部門を備えています。**という簡にして要を得た説明文が付いている。

長野市芸術館の設計者は槇 文彦さん。槇さんは新国立競技場のザハ・ハディドの未来的なデザインに異を唱えたことで知られてもいる。過去ログ

昨年末、新しい長野市芸術館の見学会があったが、残念ながら参加できなかったから、まだ外観すら見ていない・・・。槇さんはモダニストだから、その場所の歴史的・地理的な文脈を意識した建築を期待するのは無理。知的で美しい建築が完成しているだろう。敷地が狭いということが気になるが・・・。

昨年も一昨年もクラシックを聴きたいと思っていながら、果たせなかった。今年は槇さんの長野でも、伊東さんの松本でも、柳沢さんの上田でもどこでもいいから聴きたい、いや聴く。


長野市民会館 過去ログ

2016年イヤーモデル芸術缶 420円



 


新国立競技場A案+B案=長野駅!?

2016-01-03 | B 繰り返しの美学







■ 今年も善光寺へ初詣に出かけた。すっかり様変わりしたJR長野駅善光寺口の外観を見て気がついた。新国立競技場のA、B両案を折衷すればこうなる! と。

隈研吾さんのチームが提案した新国立競技場のA案は法隆寺の五重塔の上方への屋根の繰り返しと水平方向への垂木の繰り返しに和の美を見い出し、それを軒天井の格子に表現した。

一方、伊東豊雄さんのチームが提案したB案は諏訪の御柱など、柱の祝祭性に注目し、それを72本の列柱によって表現した。

JR長野駅善光寺口の大庇はA案とB案両方の「和」の表現を既に取り入れてデザインされている。天井の格子の繰り返しはA案、列柱の象徴性はB案そのものだ。

黒川紀章さんもかつて福岡銀行でこのような大庇を設計し、それを外でも内でもない中間領域だと位置付け、アーバンルーフと名付けていたことを思い出した。 

長野駅に新国立競技場の両案を見る。このようにオリジナルな視点でものを見ること、ものを捉えることができるとおもしろい。