透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

読書始め

2016-01-04 | A 読書日記

 今年の読書始めはこの3冊。



『東と西の語る日本の歴史』 網野善彦/講談社学術文庫 

再読。初読は2009年12月。(過去ログ

日本人は「南北」より「東西」をより強く意識しているのではないか、と思う。(過去ログ) このことを裏付けていそうな本、証拠立てていそうな本を探して読みたい。

**中国大陸を強く意識して日の出る東の方向にあることを強調する意味で定められた**(上掲書5頁)「日本」という国名。山頂で御来光を拝む登山者。

東から昇り西に沈む太陽の動き、この東西の軸線を強く意識する日本人の心性。京都の地下鉄に東西線と名づけても南北線とはつけずに烏丸線とつけたのも、この顕れ?




『神と自然の景観論 信仰環境を読む』 野本寛一/講談社学術文庫

**日本人はどんなものに神聖感を感じ、いかなる景観のなかに神を見てきたのだろうか。(中略)古代人は神霊に対して鋭敏であり、聖なるものに対する反応は鋭かった。「神の風景」「神々の座」は、常にそうした古代的な心性によって直感的に選ばれ、守り続けられてきたのである。**(6頁)

日本人の自然感をこのような視点で読み解く興味深い試み。




『無事、これ名馬』 宇江佐真理/新潮文庫 

**吉蔵は町火消し「は組」の頭。火の手が上がれば、組を率いて駆け付け、命懸けで火事を鎮める。**

今年は宇江佐真理さんの時代小説を読んでみようと思う。何冊も並んだ書店の棚からこの本を選んだのはカバー裏面のこの紹介文を読んだから。火の見ヤグラー故の選択。

文春文庫の「髪結い伊三次捕物余話」シリーズも今年読みたいが、他にも読みたい本がたくさんあるからどうなるか・・・。