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■ 年越し本『黄色いマンション 黒い猫』小泉今日子(新潮文庫2021年)を読み終えて、『古都再見』葉室 麟(新潮文庫2020年)を読み始めた。この2冊は年越し本として年末(30日)に買い求めていた。
2020年の5月に自室の本1,700冊を松本市内の古書店に引き取ってもらい減冊した。その結果、書棚に並ぶ本は約1,800冊(*1)となった。その際ブログに**数年かけて、1,000冊まで減らしたいと思うができるかどうか・・・。当分の目標は本を増やさないようにすること。**(2020.05.21)と書いたが、再び増え始めている。既に2,000冊を超えたのではないか、と思う。まあ仕方ない。
葉室 麟の時代小説は何作か読んだが、随筆はたぶん初めて。
葉室さんは2015年から京都で暮らしていたという。その理由を次のように書いている。**これまで生きてきて、見るべきものを見ただろうか、という思いに駆られたからだ。(中略)幕が下りるその前に見ておくべきものは、やはり見たいのだ。**(13頁)
この件を読んで考えた。見ておくべきもの、私にとってそれは何だろう・・・。
葉室さんは京都のまちを散歩しながら歴史的な出来事についてあれこれ思いを馳せる。**歩き疲れて四条河原町のレトロな喫茶店で注文したコーヒーを待ちながら、ふと考えた。
戦国時代とは、一面で宗教戦争の時代でもあったのではないか。織田信長は宗教を利用して天下を取り、だからこそ本能寺で殺されたのではないか。**(89頁)
金閣寺を眺めながら金閣焼亡について考える。当時産経新聞の記者だった司馬遼太郎が現場に駆け付けたこと(そうだったのか、産経新聞の記者だったことは知っていたが、このことは知らなかった)、三島由紀夫の『金閣寺』、水上 勉の『五番町夕霧楼』のことなどを想起する。京都だから当然龍馬暗殺のことも出てくる(71頁~)。「檸檬」(84頁~)も。
京都のまち歩きでみつけた茅葺きの民家
目の前の景色から想起することは人それぞれ。歴史に詳しい葉室さんは歴史的な出来事を想起する。歴史に全く疎い私は京都のまちを歩きながら何を見て、何を想うだろう。建築を見るだろう。そこで何を想うのかは分からない。
京都に行きたいなぁ。
*1 内訳は単行本が1,100冊、新書本450冊、文庫本250冊。