透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

「本所おけら長屋 十八」

2022-04-02 | A 読書日記


『本所おけら長屋  十八』畠山健二(PHP文芸文庫2022年)

 時代小説『本所おけら長屋』の第1巻から最新18巻には86編もの作品が収録されている。おけら長屋の住人を主人公にこれだけの物語を紡ぎ出す作家・畠山健二さんの才能ってすごいと思う。

第18巻には短編が4編収録されている。

「あやつり」 あらすじは省略。最高の結末。

「たけとり」 暴力亭主から竹細工を商う老いた夫婦のところに逃げてきたお竹さんをおけら長屋にかくまうことになる。長屋に暮らす魚屋の辰次が美しいお竹さんに惚れて・・・。「たけとり」というタイトルが示す通り、お竹さんは爺が仕入れてきた竹の中にいたんじゃないかなどと噂される。

「さいころ」 おけら長屋の大家さんとお満さんのおとっつぁんが同じ女性を惚れてしまって、さあ大変。

すったもんだの末、お竹さんは亭主と離縁することができて甲州の大村で旅籠を営む叔父のところに身を寄せることになる。

最後、やはりかぐや姫はやはりに帰っていく・・・。

帯には第19巻が今年の秋に発売予定と載っている。**ついにあの二人が所帯を持つことになるが・・・・・。** あの二人・・・、そうか、ついに万造とお満さんが結婚するのか。で、どこで暮らすことになるんだろう。おけら長屋?