透明タペストリー

本や建築、火の見櫓、マンホール蓋など様々なものを素材に織り上げるタペストリー

長野県辰野町の石神・石仏

2025-02-23 | B 石神・石仏


長野県上伊那郡辰野町横川 2025.02.18

 辰野町横川には火の見櫓を見に何回も出かけている。今回(02.18)は石神・石仏を見るために出かけた。辰野町立川島小学校の少し奥に進んだところに石神・石仏が十数基横並びに祀られている(写真①)。

② 
右端に祀られた甲子塔と庚申塔(写真②)。庚申塔はあちこちで見かけるが、甲子塔はいままで見たことがなかった。裏面には昭和五十九年と建立年が刻まれている(写真③)。調べると、この年の干支(十干十二支)は甲子。知らなかったが、甲子塔にはオオアナムジ(オオクニヌシ)が祀られているとのこと。なぜ?

『古事記』に答えがあった。


オオアナムジはオオヤビコにすすめられて根の堅州国(ねのかたすくに)へ行き、スセリ姫と出会う。ふたりとも恋に積極的。恋に落ちて、即、ふたりは夫婦になった。この本は少年少女向けの古典文学集の一冊だから、このような表現になっているのだろう。余談だが、ぼくが好きな北 杜夫の小説『木精』にも**「今宵、ノッコと夫婦になった」という表現がある(新潮文庫1978年 82頁)。オオアナムジは後のオオクニヌシ(大国主)で因幡の白うさぎで有名だが、行く先々で恋に落ち、子どもが何人もいたという神様。

スセリ姫は父親のスサノウの命(みこと)にオオアナムジを紹介する。ろくでもない若造と見た父親はオオアナムジに意地悪をする。蛇がうようよいる部屋で寝るように命じたり・・・。で、一面の草野原に放った矢を取りに行かせ、野原に火をつける。

万事休す! このとき、ねずみが大きな穴を教え、中に入って火をやり過ごせばいいとオオアナムジに教え、救ってくれたのだった(以上『古事記』写真④を参考にした)。

このことから甲子塔は、ねずみに因んでオオアナムジ、後のオオクニヌシ(大国主命)が祀られているとされた、ということだ。なるほど。 


 


繰り返しの美学なY-cat

2025-02-23 | B 繰り返しの美学

 建築の構成要素を直線的に、そして等間隔にいくつも配置すると、「あ、美しいな」とか、「整っていて気持ちがいいな」とか、そういった感情を抱く。シンプルなルールによって建築構成要素が秩序づけられた状態を脳が歓迎しているのだ。



対象を建築構成要素に限定せず、広げても同様。ものを直線状に等間隔に並べるとそこに秩序が生まれ、それを美しいと感じる。このことを「繰り返しの美学」と称して時々ブログで取り上げてきた。


映画監督の山崎 貴さんデザインのキャラクター、Y-catによる繰り返しの美学@松本市美術館2Fホール 2025.02.22

Y-catの姿かたちは同じでも色が違うから、繰り返し度は低下するけれど、その分、楽しさが増す。

いいなぁ 繰り返しの美学なY-cat ニャン