透明タペストリー

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「「戦後」を読み直す」を読む

2025-02-26 | A 読書日記


『「戦後」を読み直す』有馬 学(中央公論新社 中公選書2024年)

 この本の書評を日本経済新聞(2024年11月16日付)の書評面で読み、買い求めて読んだ。今年(2025年)は太平洋戦争の関連本を読もうと思っているので。

読み終えたが、書かれている内容が理解できなかった。特に難しいことが書かれているわけではなかったが、意味が分からないことば、表現・・・。ぼくに内容を理解する知識、能力がないということだ。ということは、あまり関心がないテーマだったともいえる。やはり本は書店で内容を確認してから買い求めるべきだ。だが、残念ながら、新聞の書評面で取り上げられている本が書店にないことも少なくない。

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いつも本を読んでいて、なるほど、と思う箇所には付箋を貼る。

それが、この本では以下の2か所だけだった・・・。

**後世の研究者に、その時代の日本社会を描くのならこれがいい史料になると教えたくなるような、そんな本に出くわすことがある。そのような本を読み直すことを通して、「戦後」を再考してみたい。**(6頁) これが本書の方法と意図。

**本書の仕掛けは、かつて私が読んだ本をかなりの時間を距てて再読することで、その間の時間的距離の測定を試み、それを通して私自身が生きた時代を歴史としてとらえ直すという、かなり面倒でひねくれたものだ。そう考えたときに取り上げるべき本は、書かれた時代として「戦後」のある時期が濃密に、あるいは特徴的に反映されており、なおかつそれは私が同時代人として生きた時間に重なっており、さらに刊行された時代に私が読んでなんらかの影響を(正負いずれにしても)受けたものである。**(231頁 文中の下線は私がひいた)

この文章の後段の意味は分かる。よく分からないのは前段。時間的距離の測定って、具体的にはどうすることなんだろう・・・。時間的距離という表現ははじめて目にしたのではないかな。測定ということはその対象が「もの」として存在する場合には明快だけれど、この場合は? 

繰り返す。ぼくにはこのような表現、内容を理解する知識、能力がない・・・。

日経新聞に掲載されたこの本の書評からはじめの部分を引く。**敗戦の年に生まれた歴史家が、同時代の定説に抱いた違和感の原因を探る。人生の折々に影響を受けた本を再読し、振り返ることで、戦後昭和を読み替える意欲作である。**

この文章の意味もよく分からない。では、なぜ書評を読んで、この本を読んでみようと思ったのだろう。