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「毛 生命と進化の立役者」

2022-02-12 | A 読書日記

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 『毛 生命と進化の立役者』稲葉一男(光文社新書2021)を読んだ。


出典:小林製薬のウェブサイト

書名の「毛」は髪の毛や体毛のことではなく、細胞についている繊(せん)毛、鞭毛と呼ばれる微細な毛のこと。繊毛ということばは喉薬の説明などで目にすることがある。

「生命と進化の立役者」と副題にあるように本書には細胞の毛が生命活動と進化を支えているということが書かれている。電子顕微鏡的なミクロの世界、それが地球規模の環境変化にも関わってくるという話。

オタマジャクシのような姿の精子の尾っぽは鞭毛。その鞭毛は一体どのような構造をしているのか、波打ち運動はどのようなメカニズムによるのか、本書の解説にびっくり。すごい、造物主はこんな微細なところまで抜かりなく精巧にデザインしている!

微小管(理化学研究所の関連サイト)、9+2構造、チューブリン、ダイニン、ノード繊毛・・・。初めての用語に戸惑いながらも読み続けた。

本書の章立ては次の通り。
はじめに
第1章 孤独な戦士「精子」
第2章 体内の毛なしに生きられない
第3章 毛のルーツは生命のルーツ
第4章 美しいナノ構造のひみつ
第5章 波打つ仕組み
第6章 細胞の毛は環境問題につながっている
おわりに

細胞の毛は生命の誕生や進化にも関わっている! 器官の形成を司り、例えば心臓が左にあることにも関係している! それから回りの環境からの刺激(光や音、臭いなど)のセンサーの役目もしているし、自然環境の変化への対応にも関わっている。

自分が知らない驚きの世界を覗いてみるのは楽しい。


 



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