火の見櫓のある風景 長野県朝日村にて 描画日2022.11.21
■ 上手く描こうなどという邪念をはらわないと、また制限時間を短めに設定しないと活きた線は引けない。この場所に立ち、風景を構成している要素を把握する。で、それらを再構成してこの風景の魅力を30分くらいで線描すると決めて描き始めた。分析的に風景を捉えようとするのは僕の脳のクセだろう。
道路の左側に何本も立つ電柱をざっとラフに描く。ゆっくり引けばもっと真っすぐな線を引くことができるが、それではおもしろくない。ラフな線が「味」だと思っている。しまった、と思うような線を引いてしまっても、それを踏まえてその後の線を引く。このスケッチにも引き直したい線が何本もある。だが、あえて引き直さない。消すことができない油性ペンで線を引く、しかもいきなり本ちゃんの線を引くのが僕の流儀、こだわり。
この頃は彩色を自宅でしている。あまり忠実に再現しようとな思わない。建物の屋根や壁の色を変えることもあるし、紅葉していない樹を紅葉させることもある。
風景の再構成は創造的行為だ。それ故、自分の感性に素直に従って線描が、彩色ができるかどうか、それがポイントだと思う。
スケッチは楽しい。