■ 「赤い建築」秋野不矩美術館 藤森照信 (051112)
■ 「白い建築」金沢21世紀美術館 妹島和世(050723)
■ 藤森照信さんの定義を再度書いておく。
赤派とは「もの」としての建築の実在性を求める建築家のこと、白派とは抽象性を求める建築家のこと。藤森さんはこのように明快に建築家を分けてみせた。
この際、赤派の作品を「赤い建築」、白派の作品を「白い建築」と呼ぼうというわけだ。それぞれの分かりやすい代表的な実例を載せておく。
赤派の代表、藤森さんの「赤い美術館」がフリーハンドな線・面で構成されているということ、そして白派の代表、妹島さんの「白い美術館」は実際に白くて幾何学的な構成ということの意味というか雰囲気が写真で分かる。
赤派の祖がル・コルビュジエ、白派の祖がミースだと藤森さんは指摘している。ミースが「白」というのは実によく分かる。だが、コルビュジエは最初から「赤」ではなかった。サヴォア邸はコルビュジエが40歳位の時の作品だが、これは四角い宇宙船で「白」。実際に白い建築だ。一方ロンシャン教会、これは「きのこ」、晩年の作品で間違いなく「赤」。
ル・コルビュジエははじめは白かった。それがいつ頃赤に転向したのだろう・・・。それを知りたい。森美術館で現在開催中の展覧会で確認できそうだ。来月24日までのこの展覧会、会期中に出かけたい。