徳利屋の吹き抜け空間 0607
■ 中山道六十七宿、奈良井宿はそのうちの一つ。この宿場の旅籠だった徳利屋を見学してきた。
この建物の見所である吹き抜けは、3間×4間半、27畳の大きさ。なかなか大きな空間だ。屋根面2箇所に設けられた天窓から入る光で室内は十分明るい。この吹き抜け空間をコの字型に二層の部屋が囲んでいる。
写真に写っている棟の直下の壁の中央(正確にはこの部屋の右側の壁から2間目のところ)に棟持ち柱が立っている。この柱に大きな丸太梁がぶつかっているのが写真でも分かる。この吹き抜けには2ヶ所階段がつけられているが、どちらも梁から下げられた2本の吊束によって支えられている。この階段、なかなかいい!
梁の上から立ち上げられた8本の小屋束が1間ピッチの母屋を支えている。束を繋ぐ数段の貫が空間に変化を与えている。ダイナミックな空間構成だ。ここを宿にしたかつての旅人達も、この空間に魅了されたに違いない。
現在は手打ち蕎麦などを提供する食堂になっている。名物だという五平餅を食べながら、私は上ばかり見ていた。