■ 昨年の12月から読んでいた『鉄道技術の日本史』 小島英俊/中公新書 を読み終えた。
明治初期に始まった日本の鉄道技術史を第1章の「線路を敷かねば汽車は走れない」から最終、第11章の「鉄道立国・日本」までに詳しく紹介している。
**線路が部分開通し、輸入車両も揃ったところで、列車の試運転が開始される。運転はすべて外国人が当たり、日本人は火夫(機関助手)として乗務した。彼らは石炭をくべながら、一生懸命、機関士の操作を観察したため、ほどなく日本人火夫の中から優秀な者が、試験を経て機関士に登用されるようになった。**(8頁)
**戦後はアジアやアフリカ、北南米と輸出地域を拡大している。高付加価値車両の製造に特化した今、アメリカはもちろん、ついに鉄道技術の本場ヨーロッパへも乗り込んだ。**(228頁)
この間、百数十年。多岐にわたる日本の鉄道技術が次第にレベルアップしていく状況がよく分かる。
既に何回も書いているが、中公新書は総じて中身が濃い。この本も例外ではなかった。