東北復興プロジェクトは、ひとまず終了して解散しました。
また来年まで、それぞれの生活に戻ります。
今回のツアーで、色々な人に出会いました。
一緒にバスで出かけた30名。
ライブハウスの出演者なので、概ね顔は知っているけれど、
実際に話をしたりは、初めてと言う人の方が多かった。
一つの目的に、それぞれのスタンスで集まって、唄を持ち寄る。
現地のミュージシャンとも交流できたし、レベルの差こそあれ
皆で盛り上げて、色々な意味で良い旅になりました。
ツアー以外の所で知り合った人と言えば、屋台村のお好み焼き店
『なにわ屋』のご主人、新山さん。
元々、アパレル関係で働いていて、その後は色んな仕事をしながら
15年前に大船渡の街に住みついた御仁。
自分の仕事に拘りが有って、いつも研究している・・・・。
それだけに、この店で食べたものはすべて美味かった。
たかがお好み焼き・・・・されど、お好み焼きである。
このオヤジと話をしていると、何故か心が癒される。
そんな訳で、最初の日に食べた豚丼(地元四元豚を使用)と、ラーメン、
陸前高田の『ジャズハウスジョニー』の昼食会で食べた時の3回以外は
大船渡で食べたものはこの店のものだけだった。
もちろん、美味しいからなのだけれど、それでけじゃなかった。
向かいの店でラーメンを食べて店を出た時も、オヤジの顔が目に入り、
オヤジの店の前を素通りできない・・・丁度、お客さんも居なかったし・・・
そんな感じで、ついつい店に入ってしまうのです。
満腹なので珈琲を飲みに入ったら、「ここは喫茶店じゃねぇ」と言いながら、
注文に応じてくれる。
我々も、格好つけてハイボールとつまみを頼む・・・
すると出て来たのは、滅茶苦茶濃いダブルのハイボールだったり・・・
でも、オヤジさんから聞いた大船渡の話は、凄くためになった。
オヤジさんいわく、普段は外部から来たお客さんには話さないそうだ・・・
そりゃそうだよね。
僕らみたいに、復興絡みのイベントで3日間居て、仲良くなったからでしょう。
この屋台村、来年の12月で閉鎖になり、その後は自分で店を開くしかないそうで
今から借金して店をやるほど金も無いし、体力も無い。
結果として、この機会に、長年やってきたお店を畳んで、廃業するそうです。
でも、ちっとも寂しそうじゃない。
『一人もんだから、残りの人生は好きな事やって楽しむわ・・・』
このオヤジのように苦く悲しい経験を乗り越え、怒りを忘れ、不安をなくし…
生きていて感じるそんな『嫌な気持ち』は、僕の場合いつまでも心にまとわりついて
なかなか忘れられないのだけれど、このオヤジを見ていると、
嫌な事を忘れたり無理に取り除くのでなく、意識的にしかも自然に「手放す」術を
身につけているような・・・・ここでも、関西出身の『東北人』の強さを感じました。
しか~し、可愛い子のいる店で、女の子と交流して、メアド交換・・・・なんて、
ちょっと淡い期待をしていたのですが(笑)・・・甘かった・・・・
蓋を開けてみればメアド交換したのは、このオヤジとだけだった・・・・とほほ