『やんちゃジジイ・ゆうちゃん』のイカすセカンドライフ

我儘で『やんちゃ』な爺さんの目標は、
周りに笑顔を振りまいて、楽しくセカンドライフを生きる事。

『珈琲への思い』その②

2015年01月07日 | Weblog

僕が珈琲を呑むようになったのは高校生の頃。
学校の帰りに、喫茶店が有って当時の値段は120円~150円ほどが相場だった。

喫茶店の内部は、カウンターが有ってサイフォンが置いて有る店が多かった。
今は何処へ行っても機械式の珈琲マシンが主流。
とてもじゃないが、『1杯毎に心を込めて・・・・』なんて代物じゃない。
今はコーヒーメーカーが主流で、珈琲豆を挽くミルまで付いている一体型が多い。

僕の経験では、1杯ずつ淹れるならサイフォンで淹れた珈琲が一番美味い。
サイフォンはお湯の温度や、豆の挽き方(粗さ)が味を左右する。

今の仕事である電子顕微鏡の技術者らしい説明をしてみましょう。
焙煎した珈琲豆をミルで挽いた後を顕微鏡で覗いてみると、まるで軽石の様。
その小さな窪みのような所に、いわゆる『珈琲のエキス』が入っている。

サイフォンの場合は沸騰したお湯の勢いで、そのエキスを掻き出す。
熱いお風呂に入ると、肌にチクチクと刺さるようなイメージ・・・・
って言うと解り易いかもしれません。

だから、サイフォンの場合は出来るだけお湯が沸騰するまで粉の入った
ロート(サイフォンの上部)をフラスコに挿しこまないのがコツです。
ロートを差し込んだ途端に、フラスコ内の圧力が上がってお湯が一気に上昇する。
上昇したところで一気に掻き回し、火を離す。
その後、フラスコの圧力が徐々に下がり、珈琲が落ちて行くのです。

たまにアルコールランプでお湯を沸かして、充分に沸騰して居ないのに
ロートを差し込んで、お湯がゆっくり上がって淹れている店を見かけるけれど
その場合は挽き方を変えないと、美味しくは入らない。
サイフォンでの淹れ方の特徴を知らない人が淹れてるとしか思えませんね。

対して大量に珈琲を淹れる場合にはドリップ(布)が向いています。
僕は大久保に有った『亜麻亜亭(アマーテ)』という、喫茶店でアルバイトしてました。
弟も同じ『亜麻亜亭(アマーテ)』の池袋店(こちらは今でも有ります)でやっていた。
ドリップに関しては弟の方が上手に珈琲を淹れますね。

『亜麻亜亭(アマーテ)』池袋店は一日1000杯もの珈琲を淹れて居た。
だから一回で50杯、10リットル近くの珈琲を一気に淹れる。
ドリップの場合は、最初に約5リットルのケトル(ヤカンです)でゆっくりお湯を注す。
このお湯は珈琲の粉を膨らませる「蒸らし」という行程。
「蒸らし」の時にコーヒーが膨らむのは、コーヒーに含まれるガスが放出されるため。
ガスを出すと、コーヒーとお湯が馴染み易くなり、お湯の通り道ができる。
さっき出て来た『珈琲のエキス』を取り出しやすくするのです。
つまり「蒸らし」は、コーヒーのおいしい成分を十分に引き出すための大切な工程なのです。
この最初の5リットルが下に落ちて来ないように、ゆっくりと豆全体を蒸す。

そして2回目のお湯で一気に淹れるのだけれど、この時はドリップの中の珈琲の粉に、
まんべんなくお湯を叩きつけて、思い切り泡を立てて、泡が山のようになって、
真中が凹んで崩れる前にサーバーから引き離すのがコツ。これは弟の方が遙かに上手かった。
オマケに5リットルの沸騰したお湯を一気に注ぐには、かなりの腕力が必要だった。

サイフォン、ドリップ共に泡を沢山出してその泡が崩れる前に引き離すのは一緒です。
この泡、実は珈琲の『不味い成分』、灰汁みたいな雑味なのです。
それを混ぜないようにするのが、美味しい珈琲を淹れる秘訣です。

機械任せのコーヒーメーカーでは、こう云った事は出来ない。
紙のドリップはお湯の保持力が無い。
したがって、珈琲メーカーや紙のドリップで淹れた珈琲が美味い訳が無いのです。

日本に上陸する『ブルーボトム』は、そう云う『心を込めた』珈琲の淹れ方にも拘っているんじゃないかな?

最近の喫茶店やコーヒーショップで飲ませられる珈琲ならば、
開けたてのインスタント珈琲の方が美味しく感じたりすることが有りますね。
また、サイフォンで淹れた珈琲が呑みたくなりました。

続く

コメント
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