今日はほぼ全員が揃って、今年最初の稽古。
と言っても、立ち稽古に入る前にもう一度年末のおさらいで本読み。
僕は年末から、台本を何度か読み返しては、役のイメージ作りをやってきた。
今回は初めて、実年齢より上の、老人の役をやるので今までのように
元気にやれば良い訳じゃなく、ちょっとイメージ作りが大変です。
僕は実生活でも元気一杯が取り得の人間です。
だから、劇団の先輩たちのような落ち着きがどこか足りない。
懐が深く、ギラギラした感じが表に出ないオジサンたち見ると
いつも『こんな大人になれるのかな?』って思ってしまう。
こんな気持ちが強くなったのは去年あたりから。
皆さん、誰もが知っている一流企業の取締役を歴任してきた御仁。
そんな『勝ち組』の御仁たちが僕のような男の意見もきちんと聞いてくれる。
時には生意気な事を言ってカチンと来ることもあるでしょう。
それでも、彼らは目的のためにはそれを受け入れる。
やっぱり何処か普通の人とは違う叔父さんたちなのです。
稽古の後に新年会。
その場で色々と話があったんだけれど、元隊長のオペラおじさんが
『あんたのような人間が居ないと、組織は活性化しないんだよ』
と言ってくれる。
元町長役の合唱おじさんからも
『僕らは会社じゃそこそこやってきたけど、サッカーや音楽も
楽しみながら自由奔放に生きて居る貴方が羨ましいよ』と言われた。
帰りがけに座長と珈琲を飲みながら芝居談義をしたんだけれど
座長からも『あんたはいわゆる勝ち組なんだよ』と言われた。
会社と言う狭い社会で上手くやってきても、組織に居るときは
それなりの制約の中でやってきた。
仕事と、プライベートの両方で好きなことをやってきた僕は『勝ち組』なんだと・・・・
今は会社に居ることが凄く辛くて、ストレスに押しつぶされそうなんだけれど
普通の人間は、その会社を離れると何も残らないんだそうだ。
だから劇団にいるオジサンたちは、そういう意味でも勝ち組なんだという。
そっかー・・・・
僕も見ようによっては『勝ち組』なのかぁ・・・・
確かに経済的には何の不自由もないし、定年後に会社にしがみつく必要も無い。
むしろ自分の好きなことをやれる環境にあるのかも知れない。
そんな話をされて、今日はちょっと心が楽になりました。
心から尊敬できるオジサン軍団の人たち。
年齢を超えて、お互いにリスペクトし合って居るオジサン軍団。
その中のピエロ的な存在であることも大事なんだと座長は言う。
今年の公演も、楽しくやれそうな予感が今からします。