今の事務所に世話になって3年が経過した。
潰れた会社にいた社員を丸抱えして、マイナスからのスタート。
僕が最初に感じたのは、『働く側の意識』が低い事。
潰れた会社に居る時は、働いても働いても給料が払われず、
いまだにその給料が払われていないと言う。
当の元社長は、自分の生活レベルを落とすのが嫌で雲隠れ。
その後、会社に居れば給料が払われるようになって、
用もないのに月に80時間も残業している人間まで出て来た。
僕は、用が無ければ残業をさせないと、
所長から残業管理を代行するように頼まれた。
それでも残業を認めないと生活が成り立たないのは判っている。
だから、残業をする理由をきちんと作りなさいと言ってきた。
それはファイルの整理でも、在庫の管理でも構わない。
『いつまでにこの仕事をする』という目標を立てなさいと言ってきた。
1時間で終わる仕事を3時間かけてやるような、仕事の仕方をするようになって、
居るだけで残業代を貰える『甘い汁』を知ってしまった連中。
そう云う輩には、効率よく仕事をしなさいと言う事は到底無理な話。
そんな訳で、事務所の人間を定時に全員帰らせるのが僕の仕事になっちゃった。
考えてみれば定年まで居た会社は色んな意味で良い会社だった。
社員の仕事に対する意識が高い。
無駄な時間を作らず、残業も必要が無ければやらせない。
やっぱり1部上場企業は違うなぁ・・・・、なんて前の会社の素晴らしさに気が付く。
そう云うのも労働組合がしっかりとしていて、
『労働に対する対価』を社員にきちんと教育しているところや、
組合を動かしている執行部の役員もそれをいつも意識している点が
会社の質や、社員の意識の高さに繋がっているんじゃないかな?
まぁ、逆に考えれば潰れた会社にはそういう意識が欠如していたともいえる。
世の中や景気に左右される会社が悪いんじゃない。
働く人の意識が低かったから、潰れてしまったのでしょう。
今の社員に『意識改革』を唱えて来たけれど、正直言って無理。
可哀想だけれど、救いの手を出すのもそろそろ限界です。