今日からいよいよ立ち稽古。
台本を読んで、セリフのやり取りをするだけじゃなく、動きが加わると
セリフのタイミングや言いまわしも、本読みの時とは大きく変わる。
今回の芝居は、大道具が作る舞台装置が今までの公演の物とは大きく違う。
これまで27回やって来た公演で、青山円形劇場でやって居た時は舞台装置は固定。
つまり芝居は有る一か所を想定して行われて来た。
最初に参加っした時は豪華客船のラウンジ、その後はカフェだったり、
廃業するキャバレーだったり、場面転換は行わなかった。
2015年に青山円形劇場が閉鎖になって、この歳から池袋にある東京芸術劇場に会場を移した。
この舞台はいわゆる『額縁舞台』で、バトンなどに釣りものを仕掛けられるので、
その時から場面転換を用いるようになった。
そう云う意味では、芝居のグレードがちょっと上がった気がした。
ところが今度の会場は、オープンステージで釣りものが出来ない。
と言う訳で、場面転換が出来ないのです。
なのに、台本を見ると場所がコロコロ変わる。
少なくとも4か所、老人ホーム、編集社、町工場、パーティー会場と
話の場所が変わるのです。
それで今回は舞台装置に頼らずに、黒い背景に格子状の枠で囲まれた空間で芝居をする。
我々は、芝居の演技でその場所をお客さんに連想させる。
これは、プロの役者でも簡単じゃない。
素人の下手糞劇団にとっては、かなりハードルの高い芝居になるのです。
立ち稽古になって、そのあたりも意識して芝居をする。
なかなか簡単じゃないです。
でも、簡単じゃないから面白い、簡単なら誰にでも出来ますからね。
この歳になって、新たなものにチャレンジする機会はなかなか無い。
楽しみながら、やって行こうと思っています。
※写真は2018年公演『家族のかたち』より