『やんちゃジジイ・ゆうちゃん』のイカすセカンドライフ

我儘で『やんちゃ』な爺さんの目標は、
周りに笑顔を振りまいて、楽しくセカンドライフを生きる事。

お袋の日記

2022年06月07日 | 定年退職後の人生
今日はアパートの荷物整理。
ロフトに保管していたひな人形やこけし、博多人形など大量の不用品。
たまたま見つけたボロボロの日記帳のようなものを開いたら、
なんとお袋が家を出て、親父と駆け落ちするまでの葛藤が、記載されていました。

お袋の家は複雑な家庭でした。
大正時代に海軍の軍人だった祖父が、当時『モガ』と言われ銀座を闊歩していた
20歳も歳が離れた祖母を見初めて、結婚したまでは良かったのだけれど、
了見の狭い祖父が、子供が出来た途端に『どこかで遊んで出来た子』と言って
生まれた子供を自分の戸籍に入れなかった。

それを見かねた祖父の長兄が、お袋を自分の子供として戸籍に入れたので
お袋は実の親とは戸籍上は、血がつながっていないことになる。
ところが大きくなってあまりにも自分に似て来たので、
今度は勝手に養子縁組して、自分の実子を養女として戸籍に入れたのです。

それまで姉妹として仲良く暮らしていた叔母と引き裂かれ、
親の監視の中で自由に生きて来られなかったお袋が、
就職先で出会ったオヤジと恋に落ちて、最後には『駆け落ち』と言う
人災最大の決断をするまでの心の葛藤が、生々しく書かれていて、
時間を忘れて見入ってしまいました。


その最後のページ。
駆け落ちする直前に両親に向けて書いた物のようです。
鉛筆で書かれているので、見にくいですが解読した文章です。
『お許しくださいませ。
いいえ、こんな事は言えないのですけれど・・・・
24年間の長い間、育てて頂いて、恩を仇で返す様になってしまって。
決して、決して私はお父様、お母様を捨てたのではありません。
こんな事を云えば、勝手な事を云っているとお思いでしょうが、
でも、もう私の気持ちはだれもわかって頂けないのです。
馬鹿や・・・と、お怒りになるのもわかっております。
でも、もうどうにもなりません。
自分で作った棘の道は、自分で踏んでまいります。
最後の御慈悲をもって、お見逃しくださいませ。
皆様のご健康を祈らせて頂きます。』

僕を含めて今の人には、こんな覚悟のある文章は書けないかも知れませんね。
しかし、この日記を見つけた祖父母は、これを大事に保管していた・・・。
何だか、ドラマを見ているような気持になりました。
コメント
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