映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「止められるか、俺たちを」門脇麦&井浦新

2018-10-24 17:41:06 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
映画「止められるか、俺たちを」を映画館で観てきました。


「止められるか、俺たちを」は60年代後半から70年代初頭の若松プロダクションに集まる若者たちを助監督志望の女の子の目線で描いた作品である。ポルノというよりピンク映画を撮り続けていた若松プロダクションには、個性あふれる映画好きの男たちが集まっていた。その中に飛び込んでいった紅一点の女の子を門脇麦が演じる。そして若松孝二自身は後期若松映画の常連井浦新が演じる。脇を固める俳優たちも特別出演というべき寺島しのぶや高良健吾、大西信満など粒ぞろいの役者ばかりだ。メガホンは白石和彌がとる。

吉積めぐみ、21歳(門脇麦)。1969年春、新宿のフーテン仲間のオバケに誘われて、"若松プロダクション"の扉をたたいた。当時、若者を熱狂させる映画を作りだしていた"若松プロダクション"。 そこはピンク映画の旗手・若松孝二(井浦新)を中心とした新進気鋭の若者たちの巣窟であった。小難しい理屈を並べ立てる映画監督の足立正生、冗談ばかり言いつつも全てをこなす助監督のガイラ、飄々とした助監督で脚本家の沖島勲、カメラマン志望の高間賢治、インテリ評論家気取りの助監督・荒井晴彦など、映画に魅せられた何者かの卵たちが次々と集まってきた。撮影がある時もない時も事務所に集い、タバコを吸い、酒を飲み、ネタを探し、レコードを万引きし、街で女優をスカウトする。撮影がはじまれば、助監督はなんでもやる。


現場で走り、怒鳴られ、時には役者もやる。「映画を観るのと撮るのは、180度違う…」めぐみは、若松孝二という存在、なによりも映画作りに魅了されていく。 しかし万引きの天才で、めぐみに助監督の全てを教えてくれたオバケも「エネルギーの貯金を使い果たした」と、若松プロを去っていった。めぐみ自身も何を表現したいのか、何者になりたいのか、何も見つけられない自分への焦りと、全てから取り残されてしまうような言いようのない不安に駆られていく。(作品情報 より)

学生運動真っ盛りというべきこの時代の空気が映画のあいだ中流れている。まだまだバブル期の匂いがない。飲み屋やジャズ喫茶の映像ではタバコの煙ムンムンというのも今とは違う。その猥雑な感じがいい。新宿三丁目の裏手をはじめとしたロケハンは成功していると言える。

1.若松孝二と井浦新
残念ながら初期の若松孝二の映画を見たことない。さすがに古い時代の若松ピンク映画はDVDにはならないよなあ。このブログでもいくつか紹介したが、もっぱら後期作品のみ観ている。高校中退で反体制勢力に近い底辺の世界で生きてきた若松孝二は前科者でもあり、そのあたりも台詞で語られる。

赤軍派の映画を撮っているので、若松はアカ系思想かと思ってしまうが、そうでもないらしい。パレスチナの映像を撮るため、カンヌ映画祭に参加した後中東まで取材に行って撮った映像を赤いバスで回って各地で映写会を開く。それももっぱら足立正生の役目だ。若松孝二は他の人がつくった映画も見ないし、本も読まないというセリフもある。ただ、ひたすらピンク映画を量産することしか若い頃は考えていなかった職人と言えるかも?インテリ系で映画評論、脚本もこなす荒井晴彦とは対照的だ。


井浦新が東北のイントネーションで若松孝二役を演じる。実物の肉声を聞いていないのでどんな話しぶりだったかわからないが、末期作品の常連だった井浦新はきっとつかみどころはわかって話したのであろう。それにしても、若松孝二はあっけなく死んでしまったものだ。その追悼で演じた井浦新は配役されてさぞかし光栄だったであろう。


2.門脇麦と吉積めぐみ
門脇麦は好演、92年生まれの彼女には70年前後の雰囲気はよくわからないとは思うが、違和感を感じなかった。ピンク映画の助監督になりたいというこの役柄の女の子吉積めぐみは、高校中退で母親は二回結婚、父親の顔は見たことないという女の子。新宿のフーテン仲間から知り、若松プロダクションに入り込む。金銭の余裕のない実質無給状態。先輩助監督たちに撮影の段取りを教わり若松孝二監督のアシスタントになる。この時代はセクハラ、パワハラ何でもありで、映画撮影の場面では容赦なくこき使われる。ベロベロ酔ったり、柔らかな絡みもある。門脇麦はそんな役柄も上手くこなす。ようやく連れ込み旅館用の30分で完結のピンク映画の監督を任されたりしたのであるが。。。複雑
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映画「響 HIBIKI」 平手友梨奈&北川景子

2018-09-17 17:57:02 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
映画「響 HIBIKI」を映画館で観てきました。

これは面白い。
コミックの原作の実写化である。文才のある高校1年生の響という名の少女が芥川賞と直木賞の候補になるなんて設定が面白そうと思い映画館に向かう。もちろん原作は未読。北川景子、小栗旬、柳楽優弥の主演級を脇役に退け檜坂46の平手友梨奈が主演を務めるが、これがいい。にやりともせずに、自分の世界で生きている。


ジャンル分けとしての大衆文学、純文学の境目というのはあいまいだけど、芥川賞と直木賞を同時受賞いうのも常識的に考えてありえないんじゃないかな?そのこと自体で少女の天才ぶりを示すということなんだろう。ここでは、鮎喰響の家庭を映しださない。父も母も姿を見せない。高校一年で親と同居しているのに出てこないというのは普通だとありえない。余計な設定は省略して、次から次へと主人公響の奇異な行動を列挙して映し出す。

そんな非現実であってもこの映画は痛快だ。原作者柳本光晴の着想に感心する。

響(平手友梨奈)は高校に進学し、クラブ活動必修ということで男友達と文芸部の部室に向かう。そこにはタバコを吸う不良たちがたむろい異様な雰囲気であった。入部したいという響に対して、親分格の不良が無理だと伝えると、響が逆らい不良が怒る。暴力を振るおうとするととっさに響は不良の指を折る。翌日、 部室に向かうと1年先輩の祖父江リカ(アヤカ・ウィルソン)がいた。その後紆余屈折を経て結局、響は文芸部員となる。


一方、編集者の花井ふみ(北川景子)は文芸誌の新人賞の準備にかかっていた。データで配信が必須という中で、封筒で送られてきた原稿を見つける。読んでみると、稀なる文才を感じさせる作品だ。しかし、封筒に鮎喰響という差出人名だけで発送元住所が書いていないので連絡のつけようがなく困っていた。その後、響から電話がかかってくるが、ふみの感想を伝えると一方的に切られたのだ。

ベストセラー作家祖父江秋人(吉田栄作)の新作が発売され、圧倒的な人気となっている。しかし、発行元はライバル出版社であった。編集長は祖父江の高校生の娘が小説を書きはじめたと聞きつけ、娘をきっかけに祖父江に近づこうとふみを祖父江の自宅に向かわせる。家に入ると、祖父江の書斎でたむろう少女を見つける。ここはあなたのいる場所でないとふみが叱責すると、何で出て行かねばならないのかと一悶着が起きた時に、偶然少女が鮎喰響だとわかり、ふみは驚く。祖父江秋人の娘が先輩のリカであったのだ。

その後、ふみは鮎喰響が新人賞をとると確信し、接触するようになる。各審査員の評判もいい。しかし、自分がムカつくことに暴力を振るう響の行為に戸惑う。それでも、一緒に発表の日を待つわけであるが。。。


TVのワイドショーではパワハラ、セクハラ、暴力指導の問題が蔓延している。呆れるくらいだ。たしかに、暴力を振るうのは良くないが、ちょっとした指導でもマスコミ総動員で叩くのはどうかと思うと世の中も思っているのではかしら?この主人公は少しでもムカつくと相手に暴力で対抗する。かよわい少女なのに格闘的な才能を持つということになっている。妙に我慢を重ねるわけでなく、ムカつく奴は叩きのめす。映画を見ていて逆にスカッとしてしまう。

一連の脇役
北川景子はTVドラマ「家売るオンナ」で演じた表情を変えない敏腕不動産屋営業ウーマンと全く真逆の常識人である。文芸誌「木蓮」においては編集者として新人発掘するのが大事な仕事である。悪態つく鮎喰響のしでかした尻拭いにも徹する。こういう役もいいかも?

社長にごまする高嶋政伸の編集長役もいい感じだ。

小栗旬は肉体労働をしながら、一人で悶々と原稿を書きシコシコ芥川賞を狙う売れない作家という設定だ。「苦役列車」の西村賢太のようなものだ。編集者に励まされながら、日夜パソコンで原稿を打ち続ける髪の毛ボサボサの小説家を演じる。普段演じる役と若干違うのも悪くない。


柳楽優弥はピザ屋でフリーターをしながら、創作に励む小説家の設定だ。勤め先でも屁理屈をこねて逆らう嫌なやつ。新人賞を争った鮎喰響に強烈な皮肉を言い一悶着が起きる。「ディストラクション・ベイビーズ」で見せた圧倒的な暴力での強さぶりとは別の面を見せたのがご愛嬌

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映画「最低」 森口綾乃&佐々木心音

2017-12-10 18:41:56 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
映画「最低」を映画館で観てきました。


予想以上にいい映画であった。終盤にかけては涙があふれて仕方ない。
ナイスバディ佐々木心音の映画はいつも観ている。今回もナイスバディを拝みに観にいったわけだったわけだが、全く想像を超える作品だった。AV女優になろうとする人、その親、夫、そしてAV女優の娘の物語をそれぞれ平行線で見せていく。原作はAV女優紗倉まな によるもので、「64−ロクヨン−」の瀬々敬久監督がメガホンをとる。


佐々木心音の絡みシーンは予想通りだったが、普通の奥様役である森口彩乃の演じるAVシーンが見ごたえある。それだけが見物かと思っていたら、最後に向けての展開がなかなかいい。ここまで涙腺を刺激されるとは本当に予想外、最近で一番泣けた。

橋口美穂(森口彩乃)、34歳。何不自由なく暮らしているものの、どこか満たされない日々。夫の健太(忍成修吾)は何事にも無関心で、子供が欲しいと提案しても忙しい仕事を理由に断られる。最近は病に伏した父を姉の美沙(江口のりこ)と交代で見舞うため、家と病院を往復する毎日。このままずっと同じような生活が続くのだろうか……。そんな空虚な思いを埋めるため、美穂が決心したのはAVに出ること。


彩乃(佐々木心音)、25歳。専門学校に通うため、そりが合わない家族から逃げるように上京してきたが、軽い気持ちでAVに出演。その後人気女優となり、多忙な毎日を送る。この仕事に後ろめたさはない。日比野(森岡龍)という頼りなさげな男とバーで意気投合した彩乃は、そのまま一緒に朝を迎えるが、彼女の仕事を知った母親の泉美(渡辺真起子)が突然現れ、穏やかな幸福感が一気に吹き飛ぶ。AVの仕事をやめるよう説得する母を置き去りにし仕事へと向かう彩乃だったが。。。


本間あやこ(山田愛奈)、17歳。小さな喫茶店を営む祖母の知恵(根岸季衣)、東京から出戻った母の孝子(高岡早紀)と3人で、寂れた海辺の町で暮らす。

人と接するのが苦手で、クラスメイトとも打ち解けることができない。自分の部屋でキャンパスに向かって絵を描いているときだけが唯一心休まる時間。しかしある日登校すると、あやこの母親が元AV女優だという噂が広がっていたのだ。自由奔放な生活を送る孝子は田舎町では目立つ存在。あやこはそんな母親との距離感をいまだに掴めずにいたが。。(作品情報より)

見始めてからしばらく、いろんな女性が次から次にでてくる場面が映る。でも、解説もないので訳が分からない。暗闇の部屋に入り込んだ時に目が慣れないのと同じ状態だ。そうしていくうちに佐々木心音がAV女優役ででてくる。相変わらずのナイスバディだ。そのころには少しづつストーリーの外枠がわかってくる。

自分も35歳だから子供が欲しいと夫に告げるシーンで森口綾乃が出てくる。夫はうんと言わない。落胆した彼女が気が付くと、AVをやりたいと、AVプロデューサーに会いに行くシーンが映る。そこで脱ぎ小ぶりな乳房を見せる。今まで、見たことがない女優だ。なかなかいい女だ。結果的にAVに出ていくのであるが、このあたりの展開はいかにも日活ポルノのようだ。でも脚本の質は高い。

いろんな事象と組み合わせながら、ストーリーを進める。でもこうくるか?!という場面も目立つ。うーん違うよと思ってしまうことも多い。でも、目が離せない。

それでも最後に向けての熱い交情シーンには感動した。2人並んだ姿は美しい映像だ。ネタバレになるので言えないが、こうくるとは思わなかった。くっつかないと思われたオムニバス物が見事に融合するといった感じである。自分自身の何年か先を予言してしまうようで、胸がジーンとした。
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映画「彼女がその名を知らない鳥たち」蒼井優&阿部サダヲ

2017-11-03 18:35:49 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
映画「彼女がその名を知らない鳥たち」を映画館で観てきました。

共感度ゼロのイヤな奴ばかりが出ているという宣伝フレーズが気になる。着々と実績を重ねている蒼井優、阿部サダヲ2人の新作は見逃せない。ストーリーの大枠を確認せずに観た。映画を見始めると、雑然とした部屋の中でクレーマーぽい電話をかけている蒼井優と彼女のご機嫌とりに躍起になっている阿部サダヲがクローズアップされている。ともにいつも通りの好演、それに竹之内豊と松坂桃李が加わる。

白石和彌監督「凶悪」「日本で一番悪い男」で男をあげた。確かに両作ともいい出来である。勢いに乗って日活ポルノ「牝猫たち」をつくったが、低予算ということもあるけど、これはもう一歩かな?でもそこで培ったノウハウで、蒼井優に今まで以上に大胆なベッドシーンを演じさせる。よくやるな!と自分にも思わせるけど、バストトップが見えそうで見えないのが残念。


15歳年上の男・陣治(阿部サダヲ)と暮らしながらも、8年前に別れた男・黒崎(竹之内豊)のことが忘れられずにいる女・十和子(蒼井優)。不潔で下品な陣治に嫌悪感を抱きながらも、彼の少ない稼ぎに頼って働きもせずに怠惰な毎日を過ごしていた。ある日、十和子が出会ったのは、どこか黒崎の面影がある妻子持ちの男・水島(松坂桃李)。彼との情事に溺れる十和子は、刑事から黒崎が行方不明だと告げられる。


どれほど罵倒されても「十和子のためだったら何でもできる」と言い続ける陣治が執拗に自分を付け回していることを知った彼女は、黒崎の失踪に陣治が関わっていると疑い、水島にも危険が及ぶのではないかと怯えはじめる。(作品情報より)


2人の二枚目もここでは確かにイヤな奴だ。蒼井優はその昔竹之内豊のことが好きだった。しかし、この男は商才がない。借財もあるようだ。金の無尽だけでなく、借金のカタにスポンサーと寝てくれというくらいの男だ。とんでもない。松坂桃李蒼井優がクレームをつけたデパートの時計売り場の社員、いい男なんで、女性も態度を変える。そして、松坂桃李には妻がいるにもかかわらず、蒼井優に近づいていく。でもそれは単なる性欲処理にすぎない。2人とのベッドシーンはたびたび訪れる。


ストーカーに近い相手のことが気になって仕方ない男ってたまにいる。阿部サダヲ扮するこの男はかなり執着心が強い。15歳も違うと、可愛いさ余ってかわいがるということもある。でも、生活費は男が持っているにもかかわらず、蒼井優扮する同居人は全然男を相手にしない。それでも、女性に性欲がある時には、指で愛撫していかせてあげる。そんな関係だ。男ができたと阿部サダヲにわかった時は2人のデートを尾行するのだ。マシな人は誰もいないと言うが、自分から見たら阿部サダヲ扮する主人公はまともな方だ。今回は阿部サダヲのしつこさが見ものである。


最初はミステリーの要素があるように思えなかったが、ある時から行方不明になった竹之内豊が本当は殺されたんじゃないか?と観客に感じさせる匂いを持たせる。それも阿部サダヲに。それくらい交際相手に執着する姿にヤバさを覚える。そう観客に感じさせるように思いっきり引っ張り、方向性を変える。意外な展開にそう持ってきたのねと感じさせるのはうまい。

この脚本は「ラブジェネレーション」などのラブコメの脚本で名高い浅野妙子である。最後に向けてはちょっと甘すぎかな?

凶悪
白石監督のクライムサスペンスもの
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映画「ANTIPORNO」 園子温&冨手 麻妙

2017-09-27 18:46:21 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
映画「ANTIPORNO」は2017年公開の日活ポルノ映画だ。


現代日本映画の鬼才たちによる新生日活ポルノ映画作品に園子温監督も作品を提供している。これは割によかった。そもそも日活ポルノ映画は単にやるだけでなく、ストーリー性があるのが特徴。ここでは園子温監督独特の映像美が繰り広げられ、「映画の中の映画」の手法をとるが、ストーリー性は強くない。他の作品とは違う個性を持つ。


園子温監督らしくかなり本気の演技だ。黄、赤の原色の壁面の部屋で、元AKB48研究生冨手 麻妙演じる人気作家とその秘書や取り巻きを中心とした話である。豊田議員ばりの激しさで、女流人気作家が秘書をこけおろす。映画「淵に立つ」浅野忠信の相手役になった筒井真理子をたじたじにする。50歳代なかばにして筒井真理子は全裸になる。昔の日活ポルノはまだヘア時代に入っていないけれど、ここではバシッと見せる。

1.エロイ女
同じく日活ポルノ映画「牝猫たち」の感想をアップした。「凶悪」の白石和彌監督がメガホンをとる。現代を象徴するデリバリー風俗嬢を描いた映画であるが、現代のひずみを取り上げようとしてストーリーは中途半端であった。しかも、女性があまり肉感的でなく物足りなかった。


ここではいかにも園子温監督らしくエロイ女をピックアップする。映画「冷たい熱帯魚」では愛妻神楽坂恵の肉感的なボディを前面に出し、男性の股間を刺激し、黒沢あすかに熟女AVばりのなまめかさを押し出す。映画「恋の罪」では人気女優水野美紀を脱がせ、冨樫真にエロイ娼婦を演じさせる。ひと時代前の日活ポルノをスケールアップさせた凄みを持つ。

そんな園子温監督が起用したのが元AKB48研究生冨手 麻妙だ。これがいい。映画「牝猫たち」と違いかなり肉感的なボディが楽しめる。23歳と若いのでピチピチだ。いきなり、黄色や赤色の色がきつい部屋で裸で目覚めるシーンに目を奪われる。健康な男性であれば股間を刺激されるのは間違いない。身体中色鮮やかなペンキ?を裸にぶっかけるシーンはいかにも園子温らしい。

2.筒井真理子
映画「淵に立つ」では浅野忠信演じる男が刑務所帰りに、一緒に犯罪を犯した男が経営する工場に突如現れ住みつく。工場を預かる男の妻が筒井真理子だ。そして浅野が筒井を誘惑する。これはこれでよかったが、今度ははるかに大胆だ。このあいだも映画「ELLE」イザベルユベールが60過ぎにもかかわらず、ボディを披露したが、いい勝負だ。スタイルはいいので、まだまだいけるという感じだ。


ここでは冨手 麻妙演じる作家の秘書役で、とことんいじめられる。これは映画の中の映画の世界で、実際には立場が違い、逆に筒井真理子が徹底的に冨手 麻妙をいじめるシーンがある。これがまた面白い。




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映画「牝猫たち」白石和彌

2017-08-12 18:12:35 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
映画「牝猫たち」は2017年公開の日活ポルノ映画である。


久々の日活ポルノがようやくDVDとなる。その昔は各種雑誌に日活ポルノの女優さんたちのヌードが出まくって、女優の名前もすぐ覚えたものだ。今回は監督の白石和彌「凶悪」や「日本で一番悪い奴ら」で知っているが、3人の名前は知らない。他の助演群もざっと名前を追っても知らない人だらけである。低予算という流れは変わらない。

1972年に日活ポルノで「牝猫たちの夜」という田中登監督作品があった。これは新宿で働く3人のトルコ嬢をクローズアップした映画で、玄人筋の評判がいい作品である。1972年8月号の「映画芸術」日活ポルノベスト10でトップになっている。でもここで出演している女優たちは見おぼえない。ある意味、「牝猫たち」も同じように無名女優たちで作られた作品といえよう。

現代の世相に合わせて、3人の風俗嬢のキャラクターはつくられている。ストーリーらしきものはあり、それ自体に不自然は感じないが、男女の絡み合いがその昔に比較するとさみしい感じはする。


池袋の風俗店「極楽若奥様」で働く3人の“牝猫たち”。彼女たちは不思議と気が合って寄り添うが、互いを店の名前で呼び合うだけで本名も、ここで働く理由も知らない。雅子(井端珠里)の今日の客は、引きこもりの男・高田(郭智博)。常連さんだ。ネットで世間を眺めている客に体を提供し、自分も仕事が終われば、寝床としているネットカフェへ帰っていく。


ベビーシッターに子どもを預けて出勤している結依(真上さつき)は、サービスが得意でなく常連がつかない。店長の野中(音尾琢磨)へ、客を回してくれないなら店を変えると愚痴っていると、「男はただ抜けばいい訳じゃないの。本気で惚れたように感じさせたりとか、恋人みたいな気持ちに興奮するんだから。」と説教される始末。


主婦の里枝(美知枝)は、毎回指名をしてくる独居老人の金田(吉澤健)から体を求められることはなく、ただ一緒に過ごすだけ。いつもと同じように呼び出された里枝は、突然金田から大金を見せられ、店とは関係なく会えないかと懇願される…。


ある日、雅子は高田から動画サイトに投稿された盗撮映像を見せられる。仕事の送迎車の中で、運転手の堀切(吉村界人)から嫌な客のことなどを根掘り葉掘り尋ねられ、苛立った雅子が思わず発した「こっちはこれから好きでもない男のアレしゃぶんなきゃなんないんだよ!」という言葉がクローズアップされていた。動画のタイトルは「薄汚い娼婦3号」。高田は、堀切をこらしてめてやると言い出す。あっという間にネットで炎上し、堀切の顔写真、住所までが流出。そんな中「極楽若奥様」には、雅子を指名する予約が殺到するようになるが…。
(作品情報引用)

店長がゴマをすり、女の子たちを働かせようとしている。
一人はネットカフェ難民で家の中でパソコンオタクになっている引きこもり男の指名を受けHをされるわけもなく長時間の相手をさせられている。一人は子持ちで子供を男性ベビーシッターに預けているが、子供は母親の虐待にあっている。一人は夫はいるけれど、妻を亡くしたばかりの男に常に指名されて情を求められている。そんな3人が池袋の出張デリヘルでお客に呼ばれるのを待っている。


いたるところで盗撮が行われて、それを動画でアップして男性の従業員同士の恨みつらみをはらしている。動画にだすことで炎上させてしまうという行為自体ひと時代前にはなかったこと。いかにも現代流で日活ポルノができている。

3人いるんだけど、いずれもボリューム感のあるボディではない。いざとなったら抜くぞと思わせるような色気もあるわけではない。それでも、非現実感はない。もしかしたらこんな女いるんじゃないかというリアルな感じが残る。




牝猫たち
池袋の風俗で働く3人の人間模様



牝猫たちの夜
1972年の日活ポルノの名作
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映画「この世界の片隅に」 のん

2017-01-25 19:05:55 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
映画「この世界の片隅に」を映画館で見てきました。


2016年キネマ旬報ベスト10の日本映画1位である。アニメは見るのがつい後回しになってしまうが、片手落ちと思っていたら、私の美人部下が「人生ベスト3に入るくらいこの映画はすばらしい。」というではないか。せっかく教えてくれたのに行かない手はない。公開されてから割とたつにもかかわらず、意外に観客で埋まっていた。でも行ってよかった。

戦時中昭和19年に広島から呉に嫁に行った女の子が、家事に悪戦苦闘しながら結婚相手の家族とともに戦火激しい呉の軍港で暮らしていく姿を終戦まで映しだす。歴史上有名な登場人物がいるわけではない。ごく普通の戦前の家庭に嫁ぐ女の子を追いかける。昭和40年前後くらいまでは田舎に行くと見られたような飯炊きのようすをみると、いかに家事がたいへんだったというのがよくわかる。努力する女の子が健気に見えて仕方ない。


その女の子の声は「のん」こと能年玲奈である。これが実にすばらしい。冒頭に流れる「悲しくてやりきれない」の歌を聴きながら感じるやさしさがにじみでている素敵な声だ。

18歳のすずさんに、突然縁談がもちあがる。
良いも悪いも決められないまま話は進み、1944(昭和19)年2月、すずさんは呉へとお嫁にやって来る。呉はそのころ日本海軍の一大拠点で、軍港の街として栄え、世界最大の戦艦と謳われた「大和」も呉を母港としていた。見知らぬ土地で、海軍勤務の文官・北條周作の妻となったすずさんの日々が始まった。


夫の両親は優しく、義姉の径子は厳しく、その娘の晴美はおっとりしてかわいらしい。隣保班の知多さん、刈谷さん、堂本さんも個性的だ。配給物資がだんだん減っていく中でも、すずさんは工夫を凝らして食卓をにぎわせ、衣服を作り直し、時には好きな絵を描き、毎日のくらしを積み重ねていく。ある時、道に迷い遊郭に迷い込んだすずさんは、遊女のリンと出会う。またある時は、重巡洋艦「青葉」の水兵となった小学校の同級生・水原哲が現れ、すずさんも夫の周作も複雑な想いを抱える。

1945(昭和20)年3月。呉は、空を埋め尽くすほどの数の艦載機による空襲にさらされ、すずさんが大切にしていたものが失われていく。それでも毎日は続く。そして、昭和20年の夏がやってくる――。
(作品情報 引用)

1.のん(能年玲奈)
この映画がこれだけ評価される最大の要因は「のん」の声だと私は思う。主人公すずのキャラクターにこれだけピッタリする声は他の人ではだせないだろう。先入観なしに映画を見に行ったので、のんと言ってもまったくピンとこない。解説を見て能年玲奈だとわかり驚いた。


「あまちゃん」で大フィーバーした能年玲奈が独立問題で、仕事がほとんどなくなる事態になっているのはネット上のうわさ話で見たことある。人気俳優が鼻高々に自分でプロダクションをつくってしまって、干されるパターンは芸能界ではい古今東西いくらでもある。でもこの映画を見てその類い稀なる才能をつぶしてしまってかわいそうだと感じた。

素朴ですずがもつやさしいイメージにあったその声は映画の趣をあげているのは間違いない。
すばらしい!!

2.呉の町
昭和20年8月広島市内が原子爆弾の被害を受けて悲惨な状態になったことを知らない日本人はいないだろう。でも同じ広島県でも呉が受けた被害については映画では語られていないかもしれない。自分も呉というと、ついつい戦後間もない呉の修羅場を描いた「仁義なき戦い」を連想する。戦前は軍艦がつくられ、寄港するまさに日本を代表する軍港である。当然相手の軍港に空襲を浴びせるのは、日本が真珠湾攻撃で軍艦を射程にするのと同じような意味合いを持つ。


昼夜問わずこれでもかというくらい空襲を浴びる。主人公はひどい被害を受けるし、そのために広島の被害がさほどでないので帰郷しようとする場面も出てくる。でもここで戻ったら、もっと大変なことになっていたのだ。

呉の語源は9つの嶺に囲まれているからと映画の中にでてくる。3年前旅行で広島に行った時、呉にも行った。生まれて初めてである。そのときの経験で呉の地形はわかっているが、今回は山腹に自宅がある設定である。高い位置から軍港を見渡し、寄港する軍艦を主人公や義姉の娘はみつめている。この海を見渡す映像コンテがこの映画のベースになる。そして、原爆を受けた広島と同じような壊滅的な町の被害を徐々に映しだす。悲劇だ。


3.ムードにあった音楽
いきなりフォーククルセイダーズの名曲「悲しくてやりきれない」の新しいカバーではじまる。この曲は井筒監督「パッチギ」でも繰り返し使われていた。ここでは原曲に劣らずむなしさとやさしさを感じさせるすばらしいアレンジだ。ここでまず胸にしみる曲を聴いたあと、最後のエンディングまで続く音楽のタッチが素晴らしい。やはりアニメにおける音楽の効果って大切な要素だ。

純情な主人公である。姑から闇市で砂糖を買うよう頼まれて街の中を歩いている時に、道に迷って遊郭に紛れ込む。雑踏から突如まわりに人がいなくなり、帰り路のわからないすずは道に座り込む。そのとき、色香著しい娼婦と思しき女性に助けを求める。同郷の娼婦はすずと親しくなるが、そのまま娼館にもどる。すずは彼女のことを娼婦とも思わないし、その建物が遊郭ということにも気づかない。

このシーンが印象に残る。純なまま花嫁になり、出戻りの小姑にいびられながら、つくってもつくっても飯炊きがうまくならない。それでも一心に家事に専念するすずの姿が健気に見えて仕方ない。しかも、空襲でひどい損傷をこうむる。いくつかのコメントを見ると、古きよき時代の映像と書いている人もいるが、そうは自分にはみえない。
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映画「湯を沸かすほどの熱い愛」 宮沢りえ&オダギリ・ジョー

2016-10-30 17:43:08 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
映画「湯を沸かすほどの熱い愛」を映画館で見てきました。


日本テレビの「JIP」で俳優の斎藤工が紹介する映画って割とよくできているものが多い。約一か月前に宮沢りえの新作「湯を沸かすほどの熱い愛」がなかなか泣けると紹介していた。それだけのきっかけで映画館に向かう。宮沢りえの主演作「紙の月」はなかなかの好演であり、40をすぎて演技力も熟成されてきた。ここでも実力を発揮している。

比較的ストーリーは単純には進まず、予想外の展開もありひねりも効いている。「オーバーフェンス」に引き続き、淡々としたオダギリジョーの演技もよく飽きずに楽しめたが、もうひとひねりがあるともっとよかったのにというのが正直な感想だ。確かにいくつかの場面では、かなり涙腺を刺激される。


1年前、主人の一浩(オダギリジョー)が家を出て行って以来銭湯・幸の湯は閉まったままだった。妻の双葉(宮沢りえ)と安澄(杉咲花)の残された母娘が二人で暮らしている。安澄は高校でいじめられていて登校拒否になりそうだったが、双葉は懸命に支えていた。ある日、いつも元気な双葉がパート先で急に倒れる。精密検査の結果すい臓がんをきっかけとした転移性の末期ガンと告知される。双葉は探偵を使い、夫のゆくえを探し出す。


そして引き戻すが、その昔飲み屋で知り合った女との間にできた小学生の少女を一緒に連れてきて安澄に「お前の妹だ。」と紹介する。そして幸の湯は4人で切り盛りして銭湯稼業を再開しようとするのであるが。。。

1.足利のロケ
雰囲気が地方都市の感じかなと思っていたら、車がとちぎナンバーである。転勤で栃木県に5年もいた自分の記憶から両毛地区と想像する。関東平野のはじっこで山が少ない。渡良瀬川かなと感じていて、最後のエンディングロールで足利市と判明する。作品情報を見ると、足利の銭湯とすでになくなった東京の銭湯の両方で撮影されていたらしい。河原がずいぶんと映るけど、これって有名な冤罪事件「足利事件」の殺人現場の方だ。


2.ひねりを加えた脚本(ここからネタバレ注意)がんが発覚して、家出した夫を引っぱり出すところまでは、母娘vs夫の構図かと思ったら、ひねりが効いていて夫が昔飲み屋の女とやって、その時できたと言われた娘を登場させる。このあたりはうまい。異母姉妹の妹は立場が違う。まったく無関係のところに登場したこの妹の立場は複雑だ。彼女のパフォーマンスに一番泣ける。


でもこれだけではすまなかった。
旅行に異母姉妹を連れだして、遠路沼津へ向かう。親戚の家なのかな?と思っていたら、店に入って高足カニを頼む。おしの女性が出てきて注文を取る。そして帰り際宮沢りえがその女をピンタするのである。何それ??オダギリジョー扮する夫の浮気相手と想像されるがどうなんだろう。
すると、宮沢りえが娘にあの人(篠原ゆき子)はあなたの母親だと告白する。え!本当!!

2ひねり目だ。なかなかやるね。このあともう少しひねりがあるけど、その紹介はやめておこう。

3.こんなことあるかなあ?(少しツッコミいくつか)
あと余命少しとなった時に、運転補助なしに足利~沼津って長距離運転させるかなあ?これだけはしておきたいという思いを実現させるために、夫が黙っているという感じはつかめるけど、普通であれば誰か運転手が一緒に行くよね。どうなんだろう??

その昔結婚していて、子供を捨てて出て行った女性は確かに安澄の母親だけど、再会したあと急激に仲良くなる。そればかりでなく、幸の湯にまで出入りするようになる。こんなことってあるのかな?

この映画の設定が末期がんで死んでいくとというのは誰にもわかる事実。自分も母をがんで亡くしたので、死ぬ寸前の状況はよくわかる。宮沢りえはよく勉強して、うまく演じているのがわかる。でもこんな時、娘だけが見舞いに行っていてあとは何もしないなんてことあるかしら?不思議??


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映画「後妻業の女」 大竹しのぶ&豊川悦司

2016-09-07 19:55:32 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
映画「後妻業の女」を映画館で見てきました。金持ち老人の後妻に入り、全財産を狙う大竹しのぶ演じる「後妻業の女」と彼女に翻弄される人々の姿を描いている。


矢沢永吉ファン仲間の女性の友人から男性からみて映画「後妻業の女」どう感じるか?と聞かれた。予告編の段階で見てみようかと思っていたけど、自分の信頼するブロガーさんたちの評判も今一つ、それでも彼女が気にする映画はしっくりする場合も多いので、思わず映画館に行ってしまう。でも、彼女自体この映画は好きでないみたい。

見に行くと、老人の男女の比率が高い。しかも、おばあさんたちが仲間同士できていて観客席は埋まっている。平日の名画座もリタイア―した方々が目立つが、おばあさんたちはあまりいない。これって老人の中で評判になっているのであろうか?独身をとおしたシルバーたちや、伴侶に先立たれた老人たちが婚活パーティに参加するなんて話は自分が知らない世界だ。でも老人の財産が狙われるなんて話は皆さん関心があるのであろう。


これもいわゆる悪女映画である。究極の悪女映画といえば、レベッカデモーネイ「ゆりかごを揺らす女」、レナオリン「蜘蛛女」、グレンクローズ「危険な情事」など数々あるが、保険金殺人を描いた元祖悪女映画名匠ビリーワイルダー監督バーバラ・スタンウィック主演の「深夜の告白」に軽く通じる部分がある。比較的近いのは伊丹十三の一連の作品や園子音「冷たい熱帯魚」あたりか。

大竹しのぶは怪演で悪女役がうまい。若き日のNHKテレビ小説や映画「青春の門」で見せた清純な姿はまったくみえない。彼女自身がひねくれて人生をすごしているのか?こういう役は実にうまい。「尼崎事件」の首班角田美代子を題材にして映画化されたとしても、彼女ならこなせるだろう。
娯楽としてはそれなりに楽しめた。

結婚相談所主催のパーティーで可愛らしく自己紹介する武内小夜子(大竹しのぶ)の魅力に、男たちはイチコロになっている。その一人、耕造(津川雅彦)と小夜子は惹かれ合い、結婚する。


二人は幸せな結婚生活を送るはずだったが、2年後、耕造が亡くなる。葬式の場で、小夜子は耕造の娘・朋美(尾野真千子)と尚子(長谷川京子)に遺言公正証書を突き付け、小夜子が全財産を相続する事実を言い渡す。納得のいかない朋美が調査すると、小夜子は後妻に入り財産を奪う“後妻業の女”であったことが発覚する。その背後には、結婚相談所の所長・柏木(豊川悦司)がいた。朋美は裏社会の探偵・本多(永瀬正敏)とともに、次々と“後妻業”を繰り返してきた小夜子と柏木を追及する。

一方小夜子は、次のターゲットである不動産王・舟山(笑福亭鶴瓶)を本気で愛してしまう……。(作品情報引用)

1.後妻
いろんな悪女映画はあるが、ここまで後妻をクローズアップするの初めてではないか。いきなり全財産が後妻(愛人)にいってしまうと遺族が大騒ぎするのは古くは山崎豊子原作「女系家族」が一番有名だろう。でもこの愛人はワルではない。むしろ、歴代の首相たちに影響を与えた思想家安岡正篤細△数子女史と婚姻してしまうなんて話がこの後妻業の話に一番通じる気がする。


カモの金持ち夫が死のうとしている時に大竹しのぶ演じる小夜子が現れ、全財産を小夜子に渡すという公正証書をだして遺族が大騒ぎになるという構図が続くのだ。公正証書は当人が公証人の前で伝えるのが基本だが、考えてみたら、当事者それぞれが代理人をだして公証役場で成立することもある。確かにこういうことはありうるんだ。とはいうものの法定相続でなければ、遺産分割協議書を書かなくてはならないはずなのに、こうなるのかな?そんなこと思っていたら、遺留分の請求を娘たちが請求するなんて話も当然出てくる。いずれにせよ、それなりの財産が後妻にいってしまうのだ。


色々あるが、大竹しのぶと豊川悦司のコンビは生き延びるという設定だ。その昔だったら、ワルの生き残りは映倫でひっかかってしまうだろう。あえて生き延びているのは、この世の中には、表ざたになっていないけど、同じような事例がいくつもあって、大金をせしめているワルがいっぱいいるということを語りたかったのであろう。

2.探偵業
後妻大竹しのぶに財産が行ってしまうのはどうもおかしいと尾野真千子演じる娘が同級生だった弁護士に相談して警察官上がりの永瀬正敏演じる探偵本多を紹介される。本多はきっちり調べて、大竹しのぶと豊川悦司を揺さぶる。やがて2人は追いつめられるのかと思ったら、永瀬が金目当てで2人を脅迫するような設定に移行する。実は探偵もワルというわけだ。


最近見た阿部寛主演「海よりまだ深く」という作品で、阿部寛演じる探偵が浮気調査で判明した写真を持って、調査対象者のところへ行ってお金をゆするなんて場面があった。探偵ってそんなもんなのかなあ。こんな映画ばかり見ていると探偵って信用できなく見えてくる。これも警鐘かな。

主演2人の演技は抜群だけど、大竹しのぶと尾木の取っ組み合いも面白い。老人役の津川雅彦をはじめとして脇役の演技が冴えている。世間の評判よりはましかなと感じた映画であった。

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映画「花芯」 村川絵梨&瀬戸内寂聴

2016-08-29 19:57:15 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
映画「花芯」を映画館で見てきました。


映画「花芯」は1957年(昭和32年)の瀬戸内晴美(寂聴)原作の小説が題材、「花芯」とは子宮のことで発表当時はポルノ小説かと物議を呈したらしい。以前日経新聞「私の履歴書」で瀬戸内寂聴自ら自分の半生を記したとき、不倫の恋の描写が激しいので面食らった覚えがある。それはもうきわどい表現で、日経連載の新聞小説「失楽園」を読んでいるときと同じようなドキドキ感があった。それ以来若き日の彼女の作品はずいぶんと読んだし、この作品も読んできわどさに閉口した。数年前「夏の終り」満島ひかり主演で映画化されたが、同じような私小説的な不倫物語である。でも今回は主演女優の村川絵梨が圧倒的にいい。


今回うわさを聞き、見に行こうとして事前情報を得たが、知っている俳優が少ない。主演の村川絵梨も知らなかった。今回瀬戸内自ら村川絵梨の裸体の美しさに言及しているコメントがある。確かに美しい。戦後間もないという時代背景を意識した着物姿も素敵で、彼女一人でもっている作品といってもおかしくない。

終戦が近付いてきた頃、主人公園子(村川絵梨)には親から押し付けられた大学生の婚約者雨宮がいた。彼は文学を志そうとしていたが、徴兵を逃れようとして理系に転向しようとしている。そのせこさに対しては主人公は軽蔑のまなざしを向けた。それでも自分の父親が病に倒れたこともあり、愛はなかったが、婚約者と結婚する。そして、男の子を生む。夫は主人公の妹と親しげに話しこむのを見て、ますますいやになっていく。


その後、2人は転勤で京都へ住み移る。その家は後家さんが貸主として切り盛りしていたが、同じ下宿人には夫の先輩にあたる越智という男がいた。主人公は一目見た時から越智に惹かれた。夫の帰宅も遅く、大家さんと越智を含めた麻雀をするようになる。しかし、ほどなく大家と越智が男女の関係にあることに気づくのであるが。。。


終戦前から昭和20年代を通じての話である。出演者が男女問わず、現代的な顔をしているので軽い違和感がある。それでも、村川絵梨は清楚な美貌を持っているにもかかわらず、大胆な乱れ方をするのがなかなか刺激的である。


1.瀬戸内寂聴
今の若い人はほとんど得度したあとの瀬戸内寂聴しかしらないであろう。彼女が出家したときはマスコミは大騒ぎだった。彼女がそういう道に進むのも、それまで情熱的な恋愛をしてきたことへの猛省もあったのであろう。幼い子供とは別れ別れになりながらも男に走るという生き方をした有名人女性はそうはいないだろう。この「花芯」を発表したときに子宮小説と批判され、文壇の世界からしばらく干されたのは気の毒だが、こうして美人女優がこの作品を演じることには瀬戸内寂聴も満足感をもつであろう。


2.村川絵梨
朝のテレビ小説にも出演したそうだが、全く見ない自分にとっては「風のハルカ」という題名すら知らない。いかにも終戦前後の着物を着こなすが、地味な着物なのにものすごくよく見える。松たか子のような清純派の顔立ちに、若いころの樋口加奈子の大胆さを兼ね備える。なんて素敵なんだろう。感度がよさそうな小ぶりなバストを大胆にあらわにして、男たちと交わる。清楚系の顔立ちとの落差の激しさに思わず食い入るように見てしまう。



花芯
原作のきわどさに驚くしかない


村川絵梨 『 Miles Away
村川絵梨の写真集で楽しむ
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映画「ふきげんな過去」 小泉今日子&二階堂ふみ

2016-06-29 20:12:03 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
映画「ふきげんな過去」を映画館で見てきました。

小泉今日子二階堂ふみと共演するという。予告編を何度か見たが、死んだはずのオバサンが突然戻ってくるという設定が興味深く、そのオバサン扮する小泉今日子が姪の二階堂ふみに自分が母親だと告白するシーンに対するあっけない娘の反応が滑稽で見に行きたいと思っていた。

映画を見はじめると、わけがわからない会話が続く。登場人物の名前をだして、あの人がどうしたこうしたと会話するのであるが、何が何だか良くわからない。状況説明もなく進行し、いよいよ小泉今日子の登場となるのであるが。。。

東京・北品川にある古びた食堂で生活している女子高生・果子(二階堂ふみ)の前に、18年前に死んだはずの伯母・未来子(小泉今日子)が突然現れる。古びた豆料理屋『蓮月庵』を営む果子の祖母サチ(梅沢昌代)と母サトエ(兵藤公美)、そしてなにもしない父タイチ(板尾創路)は、未来子との奇跡の再会に慌てふためく。そんな家族の様子を、果子は小学生のいとこのカナ(山田望叶)とともに冷めた目で見つめるのだった。


未来子は果子の母の姉だが、事件を起こし前科持ちとなり、死んだはずだった。戸籍もなく何かに追われているらしい未来子は「しばらく匿ってよ」と告げ、家族は果子の部屋に未来子を居候させようとする。図々しい未来子に苛立ちを隠せない果子だった。


果子は、商店街の喫茶店に通ってはその店に出入りする黒い帽子を被った謎の男・康則(高良健吾)を観察することで退屈をしのいでいた。その喫茶店の店主からある誘拐事件の話を聞き、いったい何かと聞きまわるのであるが。。。

1.小泉今日子
若いアイドル時代から彼女には好感を持っていて、「なんてたってアイドル」の奔放に踊る姿が大好きだった。でも40代すぎになり、年相応の魅力を若い時以上に感じるようになる。


映画では「トウキョウソナタ」でのリストラになった香川照之の妻役や「空中庭園」で崩壊する家庭の妻役が印象的だ。「空中庭園」で夫役だった板尾創路は今回も共演だ。TVドラマ「あまちゃん」で歌う「潮騒のメロディ」のメロディもいかにも昔のヒット曲ぽく自分もずいぶんとカラオケで歌ったものだ。紅白歌合戦での薬師丸ひろ子とのメドレー歌唱に感動したのが記憶に新しい。


気がつくと50歳になったんだ。この映画でも今の彼女の魅力が満ちあふれている。
いい女になったものだ。

2.北品川の町
東海道53次の最初の宿が品川で、現在の京急北品川駅の周辺が宿場になっていた。自分が小さい頃、品川区役所は第1京浜沿いにあった。五反田生まれの自分は幼い頃鉄道好きで、東海道線の車両を見に御殿山のソニー本社の前を通って八つ山橋から祖母と一緒に毎日のように眺めに行ったらしい。うっすらとその記憶はある。前田司郎監督は「五反田」出身らしい。もしかしたら、自分と同じような幼少期をおくっていて、たまに品川の宿場あとあたりをうろうろしていたのかもしれない。

そういえば、川島雄三監督フランキー堺主演の「幕末太陽傳」は時代劇だが、昭和33年売春防止法が施行される前の北品川の旅館が映るシーンがある。赤線地帯と思しき特飲街が立ち並んでいたらしい。今回は北品川の古典的商店街を映しだす。同時に屋形舟が停泊する運河を映しだすが、高層のマンション群が立ち並びいかにも東京のウォーターフロントの匂いが前面にでている。

3.二階堂ふみ
今回の二階堂ふみは決して悪くはないし、彼女らしいパフォーマンスは見えるのであるが、ひねくれた反抗期の女の子という設定があまりに極端すぎてちょっとついていけないようなセリフが多い。予告編を見ると見てみたい気にさせられるが、実際にの映画の場面でそれ以上のシーンがない。予告編がベストといった感じの映画という気がする。

このセリフのわけのわからなさは脚本家の頭脳の混乱を示している感じだ。そういえば彼女は八潮高校出身だから、このあたりは地の利があるのかな?

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映画「蜜のあはれ」 二階堂ふみ

2016-04-03 18:12:44 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
二階堂ふみの新作映画「蜜のあはれ」を映画館で見てきました。

二階堂ふみの新作は早めに映画館で見るようにしている。今回は室生犀星の原作に基づき、作家と女の子に化けた金魚との交流という題材である。
ロケハンティングがうまく室生犀星の出身地加賀、金沢を中心に昭和30年代前半という時代設定のイメージにあった場所が選ばれている。池のある庭があるたたずまいがいかにも30年代らしい木造家屋やおそらくは格式高いと思われる割烹などで撮影された映像はいい感じだ。


しかし、期待していたほどはのれなかった。基調となる題材が自分にはしっくりこなかったのかもしれない。二階堂ふみにしろ、大杉漣にしろ2人が絡む芝居は実にうまいんだけど物足りない感が強い。

自分のことを「あたい」と呼び、まあるいお尻と愛嬌のある顔が愛くるしい赤子(二階堂ふみ)は、共に暮らす老作家(大杉漣)を「おじさま」と呼んで、かなりきわどいエロティックな会話を繰り返し、夜は身体をぴったりとくっ付けて一緒に眠る。 しかしなにやら様子がおかしい。赤子は普通の女とは何かが違う。 普通の人間には彼女の正体がわからず、野良猫には正体がバレてしまう。 そう、彼女はある時は女(ひと)、ある時は尾ひれをひらひらさせる真っ赤な金魚だったのです・・・。


そんな或る時、老作家への愛を募らせこの世へと蘇った幽霊のゆり子(真木よう子)が現れる。 老作家の友人・芥川龍之介(高良健吾)、金魚売りの男(永瀬正敏)が3人の行方を密かに見守る中、ある事件が起きて・・・。(作品情報より)

1.二階堂ふみ
二階堂ふみ「私の男」などを経て、着実にエロさを増している。「私の男」の題材はいわゆる近親相姦で、そのきわどい題材をこなしながら成長していくのがわかる。今回もポスターをみて、そのよろめき具合に期待した。色っぽいんだけど、個人的には不完全燃焼に終わる。かなり肌の露出感が高まったが、乳首は隠して完全ヌードは見せない。こんな感じでバストトップを見せない芝居が続くのであろうか?あと10年近くはチラリズムか?もったいない。


2.大杉漣と真木よう子
室生犀星というと何度も映画化された「あにいもうと」を思いだす。ただ、顔の印象はない。今回初めてマジマジと写真を見て、見比べたが似ているではないか。大杉漣のロイド眼鏡がいい感じだし、演技もうまい。
自分の祖父もそうだったが、昭和30年代のおじさんには割とこの形のメガネをしている人が多くいたような気がする。そういえば、「英文700選」で有名な駿台予備校の伊藤和夫先生は似たようなロイド眼鏡をして、お腹を出しながらあまりうまくない発音で英語の講義をしていた。それが懐かしく2人が思わずだぶった。それを知っているのも我々の世代くらいだろう。



真木よう子はこの老作家に以前関係のあった女の幽霊を演じている。金魚から現生の女に変身している主人公には幽霊も見えるのであろうか?幽霊は主人公に近づきキスを交わし、一瞬レズビアン的要素を出そうとするが二階堂がそれを拒否する。そんな感じで見せ場がないままに真木よう子は姿を消す。

「さよなら渓谷」で人生最高の演技を見せて以降、「そして父になる」もよかったが、適役に恵まれない印象を持つ。

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映画「この国の空」 二階堂ふみ

2015-08-14 19:00:41 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
映画「この国の空」を映画館で見た。


空襲が続く終戦間際東京杉並の住宅街で、隣同士に住む所帯持ちの男と嫁入り前の娘が恋に落ちていくという話だ。荒井晴彦の監督脚本で二階堂ふみ が出演するということで映画館にいってみた。観客にはおばあさんが多いという印象をもったがどうしてだろう。途中までは若干緩慢で、思わず眠くなりそうだった。後半戦に入り二階堂と長谷川が一気に近づくところで多少の盛り上げは見せるが、もう一歩かな。競馬で言うと、中盤より後方につけていた差し馬が最後の直線で一気にまくるけど5着に終わるといった映画という印象を持った。

1945年、終戦間近の東京。
19歳の里子(二階堂ふみ)は母親(工藤夕貴)と杉並区の住宅地に暮らしている。
度重なる空襲に怯え、雨が降ると雨水が流れ込んでくる防空壕、
日に日に物価は高くなり、まともな食べ物も口には出来ないが、健気に生活している。


妻子を疎開させた銀行員の市毛(長谷川博己)が隣に住んでいる。
里子の周りでは日に日に戦況が悪化していく。
田舎へ疎開していく者、東京に残ろうとする者...。
戦争が終わると囁かれはするものの、すでに婚期を迎えた里子には、
この状況下では結婚などは望めそうもない。
自分は男性と結ばれることなく、死んでいくのだろうか。
その不安を抱えながら、市毛の身の回りの世話をすることがだんだんと喜びとなり、
そしていつしか里子の中の「女」が目覚めていくのだが──。(作品情報より)

1.二階堂ふみ
町役場の職員役である。父はおらず、母と2人で暮らす。横浜に住む伯母(富田靖子)が戦災にあったということで逃げ込んでいる。途中までは話し方の不自然さに??という感じであった。後半戦、長谷川と近づいていくうちに、色気づいていく。
大胆なラブシーンは「私の男」でも見せつけていたが、後半情事のあとの水浴びで背中のヌードを見せつける。ここでは戦前の日本の女が男にすり寄るというのがテーマで、積極的な女の匂いも見せる。


2.長谷川博巳
テレビドラマ「家政婦のミタ」では、長身の松嶋奈々子と共演だったせいでそんなに背が高く見えなかったが、二階堂ふみと並ぶとこんなに背が高かったんだと改めて思う。
杉並から大森まで通勤する銀行員という設定で、妻子は疎開に出している。メンデルスゾーンのバイオリン協奏曲の有名なフレーズを流暢に奏でる。それを二階堂がうっとり聞いているという構図だ。
まあ男の立場からすると、よくいる自分勝手な奴である。
それでも同じ立場だったら、誰しもが同じようにつまみ食いしてしまうだろう。ただ、あとが怖そう。

3.印象に残るシーン(2人の接近1)
米を用立てするため、2人で大森へ取りに行く。その時2人で神社に立ち寄る。2人きりしか境内にいないので、とっさに長谷川博巳二階堂ふみにぐっと近づく。二階堂は少しづつ後ずさりしていくが、後ろには大木がある。このまま長谷川が抱きつくのかなとなったとき、逆に二階堂が長谷川に抱きつく。意外性のある展開にドキッとしてしまう。そして接吻をかわそうとしたときに思わぬ妨害が。。。。


4.印象に残るシーン(2人の接近2)
寝付かれぬ二階堂ふみ長谷川博巳のことが気になってしかない。母親が寝ついたことを確認した後に、外に出てしまう。井戸の前に実がなっているトマトをもぎ取り洗う。それを二階堂は夜中に長谷川の元へいき、食べさせる。むしゃむしゃ食べたのを見届けた後、二階堂は長谷川の家に入り、くっついていく。。。


こんな感じのシーンがラストにかけて続き、少しは面白くなっていく。戦前は受け身に徹していた女性が積極的に男を求めることもあるというのを見せたかったんだろう。昭和25年の映画「暁の脱走」に通じるものを感じた。あの映画では山口淑子演じる慰問団の女性が、池部良ふんする上等兵に惚れてしまい情熱的に迫っていく。この山口淑子はかなりやばい。二階堂ふみはそれに比べると今回に限ってはおとなしめに感じてしまう。

空襲で身近な人が大勢死んでいく中、死を意識せざるを得ないのだ。長谷川も自分は丙種合格で戦争に行かなくて済んだけど、これからはわからない。現に自分の年齢に近い男が招集されている。そう言って、死を恐れている。女性ももしかして長く生きられないかもしれないので大胆に相手を求めるというわけだ。

それにしても途中までは退屈でつらいなあ。焼け出されて杉並の家にやってきた横浜の伯母さんが空襲が怖いとのたうちまわったりするシーンなどは興味深いけどあとは。。。

(参考作品)
私の男
近親相姦まがいの恋


ほとりの朔子
浪人生のひと夏の想い出


家政婦のミタ
長谷川博巳のなさけない父親につかえるミタさん
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映画「欲動」 三津谷葉子&杉野希妃

2015-07-22 20:46:08 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
映画「欲動」は2015年公開の杉野希妃の初監督作品だ。


「ほとりの朔子」のプロデュースでその存在を初めて知った杉野希妃のその美貌に引き寄せられた。今回は彼女の長編初監督作品である。死期の迫っている夫に付き添い、夫の妹が出産しようとするバリ島での妻の複雑な心の動揺を描いている。
これは予想よりもよかった。
バリ島のオールロケで、現地の美しい風景をバックに呪術的な踊りのシーンをおりまぜる。映像コンテの美しさはなかなかで、思わずうなってしまうシーンも多い。三津谷葉子のヌードは脱ぎっぷりもよく、2回に及ぶ濡れ場はなかなか官能的でかなりレベルの高いムードを見せる。

勢津ユリ(三津谷葉子)とその夫・千紘(斎藤工)は臨月を迎えた千紘の妹・九美(杉野希妃)の出産に立ち会うため、バリを訪れた。  


異国で出産する九美にとって兄がバリまで来てくれたことは嬉しく、また看護師であるユリの存在も心強かったが、その一方で心臓に重い病を抱える千紘にとってこの旅は危険を伴うものだった。  九美の夫・ルークを含め4人でバリ観光を満喫していたが、立ち寄ったカフェで何気ない会話の中で発せられた千紘の「日本に帰りたくない」という一言をきっかけにユリと千紘の口論が始まり、看護師であるユリに対し千紘が吐いた「人の死に慣れたお前が嫌なんだ」という決定的な一言によってユリはその場を去ってしまう。

 
バリの広大なライスフィールドをさまようユリだが歩き疲れて座り込むと先ほどのカフェにいた日本人男性の木村がユリの傍に車を停め、気分転換にクタに行こうと声を掛ける。誘いに応じ、クタのナイトクラブへ。ユリは大音量で鳴り響く音楽と周りの雰囲気に圧倒され気後れするものの、次第に開放感を感じ始め、その表情には明るさが戻ってくる。
そんなユリに地元ビーチのジゴロ・ワヤンが熱い視線を送るが、危うさを感じたユリはワヤンを避ける。するとクラブの通路では木村が地元の青年・イキと激しく絡み合っていた。思いがけない光景を前に魅入るユリ。そのユリの背後からワヤンが強引に彼女の体を奪おうとする。必死の抵抗で逃げることが出来たユリだったが、その心には怯えと共に突き動く欲動の感覚がはっきりと残っていた。 そして、翌日、ユリは千紘とのわだかまりを未だ感じながらもワヤンは再び出会うことになる。 (作品情報より)




多少ネタばれで語りたい。
この映画は「禁忌」とともに映画館で観たかったが、何せ夜遅くしかやっていない。いくらなんでもそれは無理。


先日「禁忌」を見た時は、杉野希妃のヌードしか見どころがないまさにC級映画だったので、この映画も大して期待していなかった。でも「なかなかやるじゃん」という印象をもつ。ともかく映画に映し出す映像の構図がすばらしい。現地の踊りは何が何だかわけがわからないが、ラストの夕日のもとで映す海辺のショットの美しさはたぐいまれなものだし、まさに「欲動」というべき三津谷葉子の夫との濡れ場は実にお見事だ。かつてグラビアアイドルと言われただけに男をそそるバストトップをもつナイスバディは実に美しい。


たしかに杉野希妃は美しいが、脱いだらバストは普通である。自分にないものを求めるのか?三津谷葉子の豊満なバディを映しだしながら、この映画を監督として撮ってみたいという気持ちをもつのは普通であろう。

重い心臓病のうえ、妻にイラついている夫が妻からセックスを迫られる。いったんは迫ってきたユリを拒否したが、ユリが思いっきり泣き始めると、男は女の涙に弱い。


そこから、妻を抱きしめたかと思うと、激しいセックスシーンがはじまる。かなりの長まわしで映し出す濡れ場はここ最近の日本映画では見られないすばらしいシーンである。やるな!杉野希妃といったところだ。


(参考作品)
ほとりの朔子
杉野希妃プロデュース&出演作品

 
禁忌
杉野希妃のヌードあり


欲動
ようやく全部見せてくれた三津谷葉子
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映画「スキマスキ」 佐々木心音

2015-07-12 09:19:07 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
映画「スキマスキ」は2015年公開の佐々木心音主演作品


「フィギュアなあなた」佐々木心音のヌードを見て、その魅力に取りつかれて以来、彼女の出演する映画はなるべく見るようにしているが、この映画は六本木のみで公開され、しかも上映回数も少ないのでアウト。ようやくDVDレンタルできるようになった。

低予算映画の典型みたいな映画で、ストーリーもどうってことない。ただ、佐々木心音のナイスボディの進化を見るだけの映画だけど、蒲田周辺の昭和に建てたアパートの部屋で、窓のすき間から美女の下着姿が見えて、それにときめく男子学生という構図がみていてたのしい。


隣に住む女の子はチョットだらしないみたいで、いつもカーテンが少しだけ開いている。
隙間に猛烈な愛着を感じてしまう因果な癖を持つ建築学科の2部に通う大学生ヘイサク(町田啓太)は隣家のカーテンの隙間から見える情景に夢中になっていた。そこのわずかな隙間からは可愛い女の子(佐々木心音)の隙だらけの私生活が垣間見えていたのだ。


学業に手がつかず、教授(松野井雅)からも追加のレポートの提出を迫られる始末だ。
そんなある日学食で一人食事をしていると、その彼女文緒が突然「ここに座っていいですか」と声をかけてくる。ヘイサクはビックリしてしまう。彼女は同じ大学の法学部に通う女子学生だったのだ。


そんなきっかけで文緒と友達になってしまう。ヘイサクの友人を含めて飲みに行くとあっけらかんとして感じのいい女の子だというのがわかる。それでも、帰りに送っていくとき、家はどちら?と言われ、ヘイサクは一瞬だじろぐ。そして別の方向へ向かった。しかし、覗くものはまた覗かれるもの。ヘイサクもまた、窓の隙間から文緒に観察されてヘイサクの一挙一動は写真にバッチリ撮られていたのだ。文緒は写真部に所属する華(中村映理子)に現像を頼んでいた。やせ型の体型の華はコンプレックスがあり、豊満なナイスバディの文緒にくっつきたがる。


ある日窓の中で2人が抱き合う姿を見てヘイサクは驚く。隙間から見ていたヘイサクと華が文緒をめぐって妙な対抗意識をもつようになるのであるが。。。

「うさぎドロップ」を描いた 宇仁田ゆみの同名コミックが原作だ。覗いている相手が突如学食で前の席に座った時は、一瞬ありえないと思ってしまったが、その後の展開を見るとそうでないことに気づく。自宅の目の前にあるアパートに住む女子学生の部屋の窓があいて豊満なボディの美女がいることがわかると普通の男性だったら興奮して舞い上がるであろう。これって普通の男が持つある意味あこがれだよね。
そう考えていくとだんだん面白くなっていく。

1.佐々木心音
「フィギュアなあなた」でアッと驚かせてくれてから早2年がたつ。「裸のいとこ」では脱ぎ渋って我々を落胆させたが、「マリアの乳房」ではバストトップをみせて期待を裏切らなかった。ただ、「マリアの乳房」はちょっとバランスが悪いし、撮影に問題があるのか佐々木心音がきれいに見えなかった。その間、園子音監督の『TOKYO TRIBE』では女子警官役で気前よくヌードになっていたけど、映画がちょっと好きにならずコメントアップしていない。それらの作品よりはましかな?ちょっとこの子変だ?と思わせるセリフもあるが、初めての交わりでの男をリードする場面なんかはかわいい。


2.初めての交わり
実際の町田啓太くんは男前でカッコいいけど、ここでは今一つもてなくて悶々としている童貞という設定だ。意外な展開で窓先の彼女と知り合い、彼女の部屋にもいくようになる。そして今までは窓のスキマから見る下着姿を見て興奮していたのが、いつの間にか彼女が目の前で脱いでいき、豊満なバストをみせてくれる。興奮しない男はいないだろう。

お互いパンツ一丁になった時に、同時にパンツをを脱ごうと彼女に言われ、同時に脱ごうとしたときに彼女だけが脱がないで男が脱いでアソコをみて彼女が笑うシーンがおかしい。


そのあと、2人が交わるシーンも初々しくていい感じだ。やさしいリードで導かれる男の立場になって見たい気がした。

(参考作品)

フィギュアなあなた
佐々木心音の出世作、ナイスバディにアッと驚く


過去記事 フィギュアなあなた

マリアの乳房
佐々木心音が超能力をもつ女に扮する


過去記事 マリアの乳房

スキマスキ
こんな子が身近にいたら
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