映画「ドリーミン・ワイルド 名もなき家族のうた」を映画館で観てきました。
映画「ドリーミンワイルド」は実在のミュージシャンの実話をもとにしたアカデミー賞俳優ケイシーアフレック主演の音楽を題材にしたドラマだ。監督脚本は「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」のビル・ポーラッドである。ビーチボーイズのブライアンウィルソンの紆余曲折を描いた「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」は自分の大好きな作品で、ケイシーアフレックも蓮實重彦先生お気に入りのデイヴィッドロウリー監督作品をはじめとして自分には相性がいい。これは早速行くしかない。モデルとなったドニー&ジョー・エマーソンのことは初めて知る。
1979年、ワシントン州の農場に生まれ育った10代半ばすぎのドニー(ノア・ジュプ)と兄ジョーの音楽デュオが父(ボー・ブリッジス)が広大な敷地内に建てたスタジオで1枚のアルバムを完成させるも世間からは見向きもされなかった。兄は実家に残り、弟はミュージシャンとして故郷を離れた。
2011年、妻のナンシー(ズーニーデシャネル)と音楽活動を続けるドニー(ケイシー・アフレック)のもとに兄ジョー(ウォルトン・ゴギンズ)から実家に来るよう連絡がある。アルバム「ドリーミンワイルド」が、コレクターの間で人気となり、再発盤リリースのためにレコード会社が来訪するというのだ。昔の不人気を思いドニーは疑心暗鬼だったが、両親は大喜びだ。その後ラジオ番組に出演したり、NYタイムズの取材も受け、シアトルの有名会場でのライブ開催も決まる。全米ツアーの話も舞い込む。しかし、ドニーは封印していた過去と向き合い葛藤する。
アメリカの郊外を舞台にした胸に沁みるいい映画だった。よかった。
30年前にだしたアルバムが突如脚光を浴びるシンデレラストーリーなのに、主人公ドニーはどうもスッキリしない。しかも、今は売れないミュージシャンだ。長い間苦労して音楽活動をしてきたのに、評価されるのは昔の曲だけ。一緒に組む兄は長年演奏とは無縁だった。プロから見ると相棒として物足りない。色んな葛藤が脳裏をよぎる。
⒈ケイシーアフレック
ケイシーアフレックは孤独で風変わりな男を演じると実にうまい。落ちぶれたミュージシャンで、脚光を浴びるのはうれしいがジレンマが残るドニーを巧みに演じる。アカデミー賞主演男優賞を受賞した「マンチェスター・バイ・ザ・シー」での元妻役のミッシェルウィリアムズとの掛け合いが強く印象に残っている。変人を演じる時のうまさがここでも引き立つ。
⒉お人好しの父と兄
きわどいビジネスを扱うアメリカ映画も好きだが、広大な草原が映像に映る田舎が舞台もたまにはいい。ここでは役柄としての主人公の父親と兄に感動する。2人とも日本でもよくいる田舎のお人好しだ。映画の途中まで普通のシンデラストーリーかと思っていたら、主人公とお人好しの家族との葛藤があった。葛藤といってもカリカリしているのは弟だけである。
⒊資産売却で支えた父親
父はワシントン州の郊外で広大な敷地の農場を経営してきたのに、音楽の才能がある息子たちのために敷地を切り売りして1700エーカーの敷地が今では65エーカーだ。ちなみに。1エーカーは1200坪でとんでもない敷地を持っていた。映画の最初で売地の看板が映像に映し出されてなんだと思ったらそういうことだった。
そんな父を演じるのは大ベテランであるボーブリッジスだ。自分が大好きなジェフブリッジスの兄貴だ。名作「恋のゆくえ」で弟ジェフブリッジスと兄弟デュオを演じていた。その時もミッシェルファイファーの女性ヴォーカルが加わり3人トリオになる。こんな名作が今回のボーブリッジスの起用に影響しているのかもしれない。
⒋寛容な兄貴
10代の頃、兄弟で売り出してきたけど、才能のあるのは弟だ。それは十分わかっているので兄貴が出しゃばらない。性格も温厚だ。弟のソロデビューの話があっても嫌な顔をせずに兄は快く受ける。兄貴と再結成して再デビューをしようと練習を始めても弟から厳しいことを言われ続ける。この映画のキーポイントになるライブのあとの弟の撹乱も同様だ。この兄貴はいい奴なんだなと映画の間思っていた。
ネタバレになるけど
色んな葛藤があった後で最後にライブハウスでの演奏シーンでラストを迎える。メンバーは兄弟と弟の長年の相棒の妻ナンシーだ。いい感じだと思っていたら、実在のエマーソン兄弟の演奏と代わっていく。エマーソン本人の通った声がいい。観ているうちに、家族内の葛藤シーンが脳裏を遮り涙がこぼれ落ちる。
映画「ドリーミンワイルド」は実在のミュージシャンの実話をもとにしたアカデミー賞俳優ケイシーアフレック主演の音楽を題材にしたドラマだ。監督脚本は「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」のビル・ポーラッドである。ビーチボーイズのブライアンウィルソンの紆余曲折を描いた「ラブ&マーシー 終わらないメロディー」は自分の大好きな作品で、ケイシーアフレックも蓮實重彦先生お気に入りのデイヴィッドロウリー監督作品をはじめとして自分には相性がいい。これは早速行くしかない。モデルとなったドニー&ジョー・エマーソンのことは初めて知る。
1979年、ワシントン州の農場に生まれ育った10代半ばすぎのドニー(ノア・ジュプ)と兄ジョーの音楽デュオが父(ボー・ブリッジス)が広大な敷地内に建てたスタジオで1枚のアルバムを完成させるも世間からは見向きもされなかった。兄は実家に残り、弟はミュージシャンとして故郷を離れた。
2011年、妻のナンシー(ズーニーデシャネル)と音楽活動を続けるドニー(ケイシー・アフレック)のもとに兄ジョー(ウォルトン・ゴギンズ)から実家に来るよう連絡がある。アルバム「ドリーミンワイルド」が、コレクターの間で人気となり、再発盤リリースのためにレコード会社が来訪するというのだ。昔の不人気を思いドニーは疑心暗鬼だったが、両親は大喜びだ。その後ラジオ番組に出演したり、NYタイムズの取材も受け、シアトルの有名会場でのライブ開催も決まる。全米ツアーの話も舞い込む。しかし、ドニーは封印していた過去と向き合い葛藤する。
アメリカの郊外を舞台にした胸に沁みるいい映画だった。よかった。
30年前にだしたアルバムが突如脚光を浴びるシンデレラストーリーなのに、主人公ドニーはどうもスッキリしない。しかも、今は売れないミュージシャンだ。長い間苦労して音楽活動をしてきたのに、評価されるのは昔の曲だけ。一緒に組む兄は長年演奏とは無縁だった。プロから見ると相棒として物足りない。色んな葛藤が脳裏をよぎる。
⒈ケイシーアフレック
ケイシーアフレックは孤独で風変わりな男を演じると実にうまい。落ちぶれたミュージシャンで、脚光を浴びるのはうれしいがジレンマが残るドニーを巧みに演じる。アカデミー賞主演男優賞を受賞した「マンチェスター・バイ・ザ・シー」での元妻役のミッシェルウィリアムズとの掛け合いが強く印象に残っている。変人を演じる時のうまさがここでも引き立つ。
⒉お人好しの父と兄
きわどいビジネスを扱うアメリカ映画も好きだが、広大な草原が映像に映る田舎が舞台もたまにはいい。ここでは役柄としての主人公の父親と兄に感動する。2人とも日本でもよくいる田舎のお人好しだ。映画の途中まで普通のシンデラストーリーかと思っていたら、主人公とお人好しの家族との葛藤があった。葛藤といってもカリカリしているのは弟だけである。
⒊資産売却で支えた父親
父はワシントン州の郊外で広大な敷地の農場を経営してきたのに、音楽の才能がある息子たちのために敷地を切り売りして1700エーカーの敷地が今では65エーカーだ。ちなみに。1エーカーは1200坪でとんでもない敷地を持っていた。映画の最初で売地の看板が映像に映し出されてなんだと思ったらそういうことだった。
そんな父を演じるのは大ベテランであるボーブリッジスだ。自分が大好きなジェフブリッジスの兄貴だ。名作「恋のゆくえ」で弟ジェフブリッジスと兄弟デュオを演じていた。その時もミッシェルファイファーの女性ヴォーカルが加わり3人トリオになる。こんな名作が今回のボーブリッジスの起用に影響しているのかもしれない。
⒋寛容な兄貴
10代の頃、兄弟で売り出してきたけど、才能のあるのは弟だ。それは十分わかっているので兄貴が出しゃばらない。性格も温厚だ。弟のソロデビューの話があっても嫌な顔をせずに兄は快く受ける。兄貴と再結成して再デビューをしようと練習を始めても弟から厳しいことを言われ続ける。この映画のキーポイントになるライブのあとの弟の撹乱も同様だ。この兄貴はいい奴なんだなと映画の間思っていた。
ネタバレになるけど
色んな葛藤があった後で最後にライブハウスでの演奏シーンでラストを迎える。メンバーは兄弟と弟の長年の相棒の妻ナンシーだ。いい感じだと思っていたら、実在のエマーソン兄弟の演奏と代わっていく。エマーソン本人の通った声がいい。観ているうちに、家族内の葛藤シーンが脳裏を遮り涙がこぼれ落ちる。