映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「ゲットスマート」 アン・ハサウェイ

2014-12-27 05:39:47 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
映画「ゲットスマート」はコメディ俳優スティーヴ・カレルと美人女優アン・ハサウェイによるアクションコメディ映画だ。なんと8000万$もかけたコメディというのも凄い。公開が2008年いかにもリーマンショック前の金余り映画ともいえるが面白い。


極秘諜報機関「コントロール」で情報分析官を務めているスマート(スティーヴ・カレル)が主人公だ。ある日、本部が犯罪組織「カオス」に襲われ、すべてのエージェントの身元が知られてしまう。そこで顔が知られていないスマートはエージェントになる。全身整形した美人エージェント99(アンハサウェイ)と組んで、カオスの陰謀を暴く使命を受ける。張り切るスマートだが、失敗の連続だ。それでも相手の組織の謎を解くカギをみつけるが。。。


その昔のテレビシリーズ「それいけスマート」はイントロが印象的だ。でも内容は少ししか覚えていないが、当時見た電話ボックスのシーンに記憶がだぶるデジャブ感がある。

今回は2人の主役を見せるためのものだ。
特に「40歳の童貞男」ことスティーヴ・カレルのコメディアンぶりが生かされる。美女アンハサウェイもこういったエージェントが似合う。「ダークナイトライジング」で見せた超かっこいいキャットウーマンの前哨戦だ。現代的なセンスあふれるコメディに仕上げてある。

スティーブカレルのおデブちゃんとのダンスシーンやその昔相撲の大内山に似た怖い男とのギャグまがいの関わりあいなど腹を抱えて笑えるシーンが続き、ラストに向かっては007やミッションインポッシブルにほんのちょっとだけひけを取るくらいの凄いアクションシーンもある。スティーブカレルだけでなく、アンハサウェイも大立ち回りだ。


気楽に楽しめると同時にスティーブカレルの巧みなコメディアンぶりに感心する。「ラ・ミゼラブル」の宣伝で来日したアンハサウェイは緩急自在に幅広い配役をこなし、完全にハリウッドのメジャーな存在になったなあ!
もちろん今もきれいだけど、女性としての絶頂はこの映画あたりかもしれない。


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映画「テイク・ディス・ワルツ」 ミシェル・ウィリアムズ

2013-04-30 05:46:39 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
映画「テイク・ディス・ワルツ」は2012年公開の若手女性監督サラポーリーによるミッシェルウィリアムス主演の映画だ。

サラポーリーが監督した前作「アウェイフロムハー」で認知症の女性を描いた。これはよかった。
この映画も予告編をずいぶんとみて、行くつもりもあったが、上映中になかなか渋谷文化村に行く機会がなかった。

フリーランスのライターであるマーゴ(ミシェル・ウィリアムズ)は仕事で訪れた島で、ダニエル(ルーク・カービー)という青年に出逢う。情熱的な眼差しをもつダニエルに、何かを感じてしまうマーゴ。帰りの飛行機も一緒でダニエルとの束の間の時間を楽しむが、彼が偶然にも自分たちの家の真向かいに住んでいることを知り驚く。
マーゴは料理本を作る夫ルー(セス・ローゲン)と結婚して5年目だ。2人の間に子供はいないが仲睦まじく暮らしている。マーゴは意図せずダニエルと過ごす時間が増え、夫とは正反対の彼に惹かれていく。しかし、一線は越えず付き合っていた。ダニエルはマーゴの家のパーティにも来るようになっていた。マーゴはときおり普通に旦那に夜のお誘いをしようとしたが、あまりのらない。そう思っているうちにマーゴの気持ちは少しづつ変わって行ったが。。。

不倫映画である。
旦那とは仲がいいけど、あまりかまってくれないので、身近にいる男性とおかしくなってしまう話だ。女性監督の視線で描かれているので、男性の自分から見てよくわかりにくい場面もある。何で彼から離れてしまうのかな??と思わせる部分が多い。同じ不倫映画でも女性目線なので感情流入できない。

ここではミッシェルウィリアムズの気前がいい。何度も裸体をさらしている。これはどういうことであろうか?女性監督の方が開放的になるのかな。友人たちとのシャワールームのシーンにはみんなで裸をさらしている。ミッシェルの弛みのある裸体にちょっと意外感があったけど、逆にリアルだ。かえって日常的なストーリーと感じさせてしまうのは脱がせたサラポーリー監督の巧みさだろう。

美術や映像的には丁寧につくられた跡がある。
夫がつくる鳥の煮込み料理はすぐにも食べたいと思わせるおいしそうなものだし、不倫の2人をとりまく背景の映像もきれいだ。遊園地で「Video Killed the Radio Star」の歌に合わせて、主人公が乗り物に乗るシーンはいかにも楽しそう。それを楽しむだけでも見る価値はあった。

自由業同士の子供のいない夫婦で奥さんがこんな浮気をする話は日本でもよくある話だ。
この映画は女性には共感をもって受け止められそうな流れを持っている気がする。

テイク・ディス・ワルツ
優雅な不倫物語
(D)
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映画「エージェント・マロニー」 スティーヴン・ソダーバーグ

2013-02-18 05:20:02 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
映画「エージェントマロリー」は昨年公開のアクション映画だ。

巨匠スティーヴン・ソダーバーグ監督が楽しみながら作ったような女性スパイが主人公だ。
主人公を演じたのは、女子総合格闘技界のスターとして知られるジーナ・カラーノ。激しい格闘シーンは、まさにリアルな迫力がある。彼女の脇を固めるのは一流どころだ。ユアン・マクレガー、マイケル・ダグラス、アントニオ・バンデラスといった名優が脇を固める豪華キャストだ。まあよくも集めたものだ。



マロリー(ジーナ・カラーノ)は世界を股にかけたフリーランスのエージェントである。
ダブリンからニューヨークに渡った彼女は訪れた田舎町のダイナーで元の仲間アーロン(チャニング・テイタム)と格闘になり、居合わせたスコットの車で逃走する。途中、マロニーが直近の出来事をスコットに伝える回想するシーンが続く。

時間軸はいったん戻る。
民間軍事企業のケネス(ユアン・マクレガー)は、米国政府の実力者コブレンツ(マイケル・ダグラス)とスペイン政府関係者のロドリゴ(アントニオ・バンデラス)から、凄腕の女性スパイ、マロリーを指名した人質救出作戦の依頼を受ける。

バルセロナに乗り込んだマロリーは、アーロンを含む3人の工作員と合流。監禁されていた東洋人ジャーナリストのヤンを無事に救出し、身柄をロドリゴに引き渡す。サンディエゴの自宅に戻ったマロリーの前に、再びケネスが現れ、英国諜報機関MI-6から請け負った新たな任務を指示。

ダブリンでは、同業者のポール(マイケル・ファスベンダー)と新婚夫婦になりすまし、スチューダー(マチュー・カソヴィッツ)というフランス人男性に接触するというもの。だが、この任務に不信を抱いたマロリーが周辺を探索すると、バルセロナで救出したヤンの死体を発見。しかも、その手には彼女が身に着けていたブローチが握られていた。

さらに、ホテルに戻った彼女を、突如ポールが後ろから襲撃してくる。何とかポールを倒したマロリーが彼の携帯を確認すると、そこにはケネスからの着信がある。ケネスはポールと話しているつもりでいるが。。。

裏切りに次ぐ裏切りはヤクザ映画の専売特許と思ったが、スパイ映画も同じようなものだ。
ここでは銃でドンパチやるのではなく、肉体での格闘を映し出す。あえて起用したジーナ・カラーノの格闘技の腕前を披露するのが趣旨だからだ。確かに他の女性が演じるアクションと違い、プロレスのような投げで彼女を投げ飛ばしたり、本気で彼女をテレビにぶつけたり、不意打ちのように後ろから殴られたり、彼女もずいぶんときつい仕事を受けたものだ。ここまでできる女性もそうはいまい。
でもケンカのような本格格闘技で活躍した彼女にはワケないのかもしれない。最強のアクション俳優だ。
正直彼女の存在は知らなかったが、かなり活躍していたみたいだ。

あまり余分な説明が入らないので、ユアンマクレガーにしろ、マイケルダグラスにしろいったい何者かということがわかりにくい。他についてもそうだ。あえてそうしているのかもしれないけど理解度の弱い自分には苦手な部類だ。格闘以外はちょっとどうかな?普通という感じだ。
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映画「コロンビアーナ」 ゾーイ・サルダナ

2013-02-14 21:32:52 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
映画「コロンビアーナ」は2012年公開のアクション映画だ。

家族を殺され復讐に燃える女殺し屋の姿を描いている。同じリュックベッソン作品である「ニキータ」に若干色彩が似ている。「アバター」で存在感を示したゾーイ・サルダナが、スレンダーな身体を生かして冷徹な女殺し屋を見事に演じている。

リュックベッソン製作というと、映画時間を簡潔にまとめるのが巧妙だ。アクションが多彩で品数が多く素晴らしい。大好きな映画人だ。ここでは「トランスポーター3」「96時間リベンジ」とリュックベッソンのプロデュース作品に連続参加のオリヴィエ・メガトンがメガホンをとる。

南米コロンビアが舞台だ。
マフィア同士の会話シーンからスタート。親分は別れたばかりの男を始末せよという。9歳の少女カトレア(アマンドラ・スティンバーグ)の父親はマフィアの親分ドンルイスからにらまれたのだ。万一のことがあったら、シカゴの叔父を訪ねろというと父親に言われメモをもらう。自宅に侵入したマフィアの舎弟たちは両親を惨殺する。カトレアがたった一人で椅子にたたずむところに舎弟頭がくる。「パパが隠しているこれぐらいの小さなもの知らない?」危機一髪のところでナイフを手に舎弟頭に叩きつけ逃げる。たったひとりでコロンビアの町を家から家へとマフィアの一味から逃走する。
父から教えられたとおりに叔父エミリオを頼って米国シカゴへ向かう。叔父も同じようなマフィアの生活をしていた。殺し屋になりたいとのたまう彼女は叔父の元で殺人機械のように育てられていく。



15年後に映像が移る。カトレアの腕前を見せるシーンだ。
美しく成長したカトレア(ゾーイ・サルダナ)は酔っぱらいのふりをして、警察にわざと検挙されて留置所に入る。夜になりみんなが寝静まるころ、おもむろに起きて空調のダクトを通じて忍者のように天井裏を這いまわり、狙い定めた留置所にいる男を抹殺する。そして何もなかったように自室に戻るシーンを映す。



カトレアは腕利きの殺し屋として叔父が手配した仕事を次々とこなしていた。同じような殺人が次から次へとおきるが、殺されるのはみんな凶悪犯たちであった。FBIの捜査官も注目する。CIAも情報を追っているが同業FBIには公開しない。その隙をぬってカトレアはマフィアの親分を狙い撃ちする。犯人の痕跡を見つけるきっかけを少しづつFBIが探し出そうとするのであるが。。。。

(家から家へと駆け抜ける少女)
冒頭で印象づけるのがアクション映画を盛り上げる基本定石。まずはいきなり主人公の子供時代の逃亡シーンを観客に鮮烈に見せつける。スピーディで見惚れる。まさにアルジェリアのカスバを思わせる重なり合う家の屋根や他人の家の中を駆け抜け、飛び降りて追うマフィアを振り切る。スリリングなスタートにビックリ。子供が演じるだけにヒヤヒヤもの。アマンドラ・スティンバーグという少女は大したものだ。これぞリュックベッソンの真髄だ。

留置場内での殺人劇やマフィアの豪邸に忍び込んでの殺人劇などなかなか面白い。
自ら手を下すのではなく、サメや猛犬に標的を食べさせたりするところがいい発想
そもそもスーパーレディなんだから多少オーバーになるのは仕方ないのでは。。
しなやかな主人公の動きに魅せられてしまう。それを見る映画なんだから

そして終盤でもみせる。
カトリアとマフィアの舎弟頭との対決シーンは殺しのプロ同士の決闘という感じで悪くない。
いくつかのパターンに別れたアクションシーンが続きいつもながらリュックベッソン作品として楽しまさせてもらいました。

なかなかいいです。

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映画「4ヶ月、3週と2日」 

2013-02-08 06:02:24 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
映画「4ヶ月、3週と2日」は2007年のルーマニア映画、その年のカンヌ映画祭パルムドールを受賞している。

妊娠中絶が制限されていた1987年のルーマニアを舞台に、友人の違法な中絶手術を助ける学生の一日を描く。タイトルの『4ヶ月、3週と2日』とは中絶する日までの妊娠期間のことだ。切羽詰まった状況に追い込まれた女性2人が中絶の日にどう行動するか?長回しの映像が続く。ほぼワンシーンワンショットで撮影された本作は、俳優の演技力が相当必要な作品だと思う。
映画としての水準はかなり高い。

1987年共産主義独裁政権下のルーマニアが舞台だ。
工科の大学生のオティリアは寮のルームメイトのガビツァと寮の中でせわしくなく動き回っていた。オティリアは恋人に会いに行く。彼からお金を借りた後、計画通りのホテルへ行くが、電話予約が入っていない事を知る。仕方なく別のホテルでダブルの部屋を取る。そのあとでガビツァの代わりにある男に会った。ガビツァは妊娠しており、ルームメイトのオティリアはその違法中絶の手助けをしていたのだ。共産主義下のルーマニアでは中絶は非合法で、それを犯すと重罪が待っていた。

オティリアは部屋をチェックインし、待ち合わせた男と部屋に入った。中にはすでにガビツァが来ていた。男はガビツァから妊娠2カ月と電話で聞いていた。その場では3カ月だという。しかし、前の生理からの妊娠月を数えると実際には4ヶ月である。男と金額交渉に入った。事前に処置の金額は決めていなかったのだ。妊娠4カ月を超える危険な状態での処置なのに、2人から提示された金額は少ない。これでは危険を冒してまでできないと男は怒る。交渉決裂となりそうな時、オティリアは大胆な提案をするのであるが。。。

ルーマニアというのは華がない国だというのが映像からよくわかる。東欧共産主義国を映すとどうしてもどんよりとした灰色のイメージになってしまう。ブルガリアのソフィアを映した映画と同じだ。そういう中での中絶の話である。もっと暗くなる。
映画の途中で主人公オティリアが恋人の家に遊びに行くシーンがある。本来は中絶したルームメイトの面倒をみたいけど、金を借りるという弱みもある。恋人の母親が自分のためにお菓子をつくっているようだ。結局行く。恋人の家系はルーマニアでは良い家系のようだ。医者が多く、在学中の成績の話題なんかも出てくる。あとはこの国のブルジョアの話題だ。オティリアの家はさほどでもない。黙ってみんなの会話を聞いている。このシーンは興味深かった。共産主義の矛盾が浮かび上がる。ハイエクが言うとおり、共産主義とは結局独裁主義で、資本主義以上の差別社会だということは今はみんなよくわかってきたと思う。



この映画を見て「何でこんなにルームメイトのこと面倒見るの?」とずっと思っていた。結局その謎は解けない。普通の神経では考えられない。単なる世話好きなのか?自分が同じように助けてもらっていたのかと思ったけど、そのセリフはなかった。
この妊娠した女の子はかなりいい加減だ。しかも、違法中絶をする男と会う前までは、本気で1カ月妊娠期間を間違えていた。しかも、計画はいい加減である。父親は出てこない。ルームメイトがいなければ、今回もできなかったであろう。それなのに感謝の気持ちがあるようにも思えない。ムカつく子だが、劇中だから仕方ない。
「掻爬」というのは久々聞いた言葉だ。三島由紀夫の小説「美徳のよろめき」で人妻が浮気をしまくって何度も中絶する話がある。その際にこの文字を使った。この響きはどす黒い雰囲気だ。

1シーンにかかわる時間は長い。出演者が移動するときは、手持ちカメラで追いかける。それなので躍動感がある。ドキュメンタリーを見ているようなリアル感もでてくる。たった一日のことをこの映像にするためにかなりの時間舞台稽古のようにリハーサルをしないとつくれないのではないか。内容的にはムカつくこともあるが、凄味は感じた。
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映画「あるスキャンダルの覚え書き」 ジュディ・デンチ&ケイト・ブランシェット

2013-02-07 05:23:20 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
映画「あるスキャンダルの覚え書き」は2007年のイギリス映画だ。
女教師が15歳の少年を誘惑するというのが、どうも気味悪い気がして見ていなかったが、これは予想以上におもしろい!
ジュディ・デンチ&ケイト・ブランシェットというオスカー女優2人の共演によるシリアスドラマ、いやサスペンスと言ってもいいかもしれない。途中まで予測の範疇のストーリーが続いた後、ラスト30分以降の展開が実によくできている。

舞台はロンドン郊外だ。
主人公バーバラ(ジュディ・デンチ)は独身、ブルーカラーの息子たちが多く通うハイスクールで歴史の教師をしている。厳格なベテラン教師で一目置かれている。彼女の一人称でストーリーは語られる。
その学校に一人の美術教師シーバ(ケイト・ブランシェット)が異動できた。あるとき男子生徒同士のいざこざがあり、ケイトが戸惑っている中にジュディが仲裁に入った。それをきっかけに2人は話をするようになる。「遊びに来ませんか?」というケイトの誘いに自宅に行くと、そこには年の離れた夫(ビル・ナイ)と2人の娘がいた。上流家庭で育ちおおらかなケイトにジュディも強く関心をもつようになった。

そんなある時、学校で行事があった。生徒たちがみんな演芸会に出ている時、姿の見えないシーバを探しに歩いていたジュディは美術室の中でケイトが一人の生徒スディーヴン・コナリー(アンドリュー・シンプソン)と性的な戯れにふけっているのを発見する。驚くジュディだ。

ジュディはケイトに連絡をしてパブで会う。ケイトから事情を聴く。この生徒の美術の才能に着目したケイトが放課後個人教授をするようになったのがきっかけで、その後2人はただならぬ関係になったのだ。ケイトがジュディに懇願して、学校に報告せずここだけの話にすることになった。当然教え子とは別れる約束をした。

しかし、一度結ばれた縁はなかなかとれない。別れると強く教え子にいったにもかかわらず、追ってくる教え子と再度よからぬ関係になる。学校に報告しなかったことでジュディとケイトはそれまでよりも仲良くなっていた。ジュディが可愛がっている子猫の行く末が短いことを泣きながらケイトの家に報告に行った時、教え子が塀をよじ登って家に入ってきたのだ。もう一度ジュディにばれてしまう。憤慨するジュディであるが。。。


単なる教え子との恋という話ではなかった。(それじゃAVだよね)
上で述べたストーリーがざっと約40分近く、そのあとに大きな変化が現れてくる。結局独身を通しているさみしい主人公が怖いほど変貌していくのである。予想通りの展開が過ぎて「あと30分をどう仕上げる」と思った後、どんでん返しが続く。これからのジュディ・デンチが凄い。ケイトを支配しようと表情が変わる。もともと007の「M」や女王陛下を堂々演じられる名女優である。その円熟といえる演技ぶりにはどきどきさせられる。迎え撃つケイトもさすがだ。この映画ではちょっと抜けている女性を演じていたが、ラスト近くで見せるケイトの迫力には恐れ入った。この映画のころ38歳だったケイトが美しい。2人が交互に演技合戦をしているようだ。



この映画でジュディは毎日日記をつける。ほとんどは予定がないさみしい毎日だが、その日が良い日だとゴールドの星のシールを日記帳に貼って行く。同時に仲のよくなった相手のことをストーカーのように知ろうとして日記にぶちまける。どちらかというレズビアン的心理もある。かなり嫉妬深い。
自分は男性なのでレズの心理はわからない。ある女性によると、彼女の知り合いにいるレズビアンの女性はその相手の行動に対して、男性に対する嫉妬心を大きく上回る強い激情をもって接しているそうだ。この映画を見ていて、その話を思い出した。
独身女性はこの映画をどう見るのであろうか?妙に気になってしまった。

ケイトの家庭を通じて若干アッパーの英国人家庭の偶像をよく描いていた気もする。映画自体のレベルはかなりの高水準であった。

あるスキャンダルの覚え書き
学生を誘惑する美術教師と彼女の魅力に狂う中年独身女教師
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映画「お買いもの中毒な私」 アイラ・フィッシャー

2012-11-23 04:31:06 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
映画「お買いもの中毒な私」は2009年製作のラブコメディだ。

カード破綻にはまりつつあるアメリカ女性の物語、都合のいい脚本だけど気楽に見れる楽しい映画だ。
現代アメリカの世相を裏側から鮮明に表わしているようで凄い!
この映画は単なるラブコメディとして見ない方が良いと思う。

舞台はニューヨーク
主人公のレベッカ(アイラ・フィッシャー)はガーデニング雑誌の編集者だ。買い物が大好きで気にいったものがあるとすぐカードで買ってしまう。気がつくとカードの請求書の山だ。支払い催促の電話にいつも悩まされている。

そんな彼女は一流ファッション誌の記者になることを夢見ており、記者の求人を見て応募する。ところが、面接当日受付に向かうと、もう補充できたと聞く。でも同じ出版社の経済雑誌には求人があるらしい。早速面接に向かう。編集長との面接はよくわからない経済の話でしどろもどろだ。あきらめていたところ、編集長は他の応募者と違う独特の個性を見いだし彼女は編集者として採用される。
編集長は早速に原稿を依頼する。でも彼女には経済の知識はなく、出てきた原稿は入門書とグーグル検索の話がネタだ。当然編集長からはありふれた話だと却下、どうしようかと彼女は借金に悩む自分自身の心情を原稿にする。それが編集長にうける!しかも、編集長が彼女を社長クラスがいるハイソなパーティにつれていくと、自由奔放な発言が受けるという意外な展開で彼女はもてはやされるようになるのであるが。。。

主人公はいい加減だ。借金の取り立てに追いやられ、ついたウソもつじつまが合わない。それでも、妙な運に恵まれてしまう。でもずっとうまくはいかない。そんな話だ。
ギャンブル依存症、アルコール依存症と並んで買い物依存症はよくある話だ。どれもカード依存症につながる。借金取りから逃げ回る主人公だ。そんな彼女に対して映画製作側はやさしく見守る。

この映画は現代アメリカの世相をよく表わしているかもしれない。リーマンショックの後、クレジットリボや住宅ローンにはまっていた人たちが多数破綻した。今でも復活できない人が多いかもしれない。どんなふうに買い物地獄にはまって行くのかがずいぶんと語られる。そして未回収金取り立ての男までが巻き込まれ笑えるコメディになる。女性にはもっと守銭奴な正反対の女性も多い。どちらかというと、この主人公は躁鬱病の躁の方だろう。うつは語られるが、躁病が言われることは少ない。すべてを自分の都合のいいように解釈する人だ。ある意味ギャンブル狂いに多い。カジノで破たんした大●製紙社長も躁病だろう。

主人公がカード依存症から脱却するために、同じ仲間たちとの懇談会に参加する。「これは必要か?」と買い物の前に自問自答の癖付けしているのに、目の前にバーゲンセールのチラシがすっとんできてバーゲンセールに行くときのシーンがおもしろい。

バーゲンセール会場でブランド品のブーツを見て、主人公は欲しいと思う。しかし、「これは必要か?」という自問自答にいったんはそのブーツを取り上げた元の場所に戻す。そのブーツを手に取る他の女の子がいて、主人公は興奮する。「これは私が最初にピックアップしたのよ!」女の子は言う。「だって今置いたじゃない。だから私のよ!」それに対して興奮する主人公!
結局それは主人公が手に入れる。カード残高が膨らみ後悔する主人公だ。
これは女の子の意地の悪さと、失うものへの執着心のようなものを感じた。

そんなシーンがいくつかある。ちょっとしたことで自分の思ったことの反対にはまる女性心理を教えてくれる意味でこの映画は意義がある気がする。
嫌味もある部分もあるが最高に面白い。
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映画「クロエ」 ジュリアン・ムーア

2012-09-24 06:00:23 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
映画「クロエ」はリーアムニーソン、ジュリアン・ムーアの2大スターが中心になったサスペンススリラー映画である。官能サスペンスといってもいいだろう。

夫の浮気調査を依頼した若い娼婦が夫と近づくことで揺れ動く妻ジュリアン・ムーアがクレジットトップだ。自分の視点からすると、彼女何でこんなことするのかなあ?と思うことばかりだ。若きマックス・シエリオットが美しき裸体を見せると同時に、ジュリアン・ムーアまで熟女ヌードを見せるのが見どころか。
悪女ものとしてドキドキを期待すると、肩すかしを食うかも?

舞台は雪がちらつくカナダトロントだ。
産婦人科医キャサリン(ジュリアン・ムーア)は、大学教授の夫デイヴィッド(リーアム・ニーソン)とピアニスト志望の一人息子マイケル(マックス・シエリオット)と3人で暮らしていた。

妻は夫の誕生日を祝おうとサプライズパーティを企画する。妻は大勢の招待客を自宅に招いたが、夫は飛行機に間に合わず帰れない。妻は落胆する。その翌日、何気なく見た夫の携帯から、教え子との浮気を疑わせるメールを発見する。彼女は不安を抑えられなくなる。
妻は偶然知り合った、若く美しい娼婦クロエ(アマンダ・セイフライド)に夫を誘惑させ、夫がどんな行動を取ったか報告させることにしたのだ。クロエは夫に接近する。夫は若い彼女に引き寄せられる。予想外に進展する2人の仲に戸惑う妻、そしてクロエは次第に魔性を発揮してくるのであるが。。。。

トロントの冬の街がきれいだ。雪がうっすらと舞う。以前ナイアガラに行くときにこの空港に離着した気がするが、自信がない。主人公夫婦が住む家が凄い。天井高3m以上あると思われる居住空間に、断熱性の高い木製サッシを使う。日本ではあまり見られないラグジュアリー空間だ。

カメラが追うジュリアン・ムーアは夫とは普通の夫婦関係だ。しかし、夜の生活もなくなってこれで大丈夫かと疑心暗鬼になっている。そんな時倦怠感を乗り越えようとバースデイパーティを企画するが、何も知らない夫は教え子との交流で帰らない。
バカだな!!この女性はと思う。ちゃんと言わないと男は外で何があるかわからない。言っておけばちゃんと準備するのは男だ。どんなに仕事の用事が入っても、家を優先させるはずだ。彼女も婦人科の開業医だ。仕事を持っているが、勤め人とは違うんだ。
そのずれがすべての始まりだ。

その上浮気調査を若い女性に依頼する心理もわからない。普通であれば、罠かと思って男が引く場合もあるが普通であればドンドン引き込まれていく。当たり前だろ!

それにしても気前よく脱ぐジュリアンムーアには驚く。他の映画でも拝見しているが、上品な肢体だ。ポルノやAVじゃないので寸止めにしているが、大胆だ。若い頃だったら単なるババアのヌードと思うだろうが、同世代だけに何か違うムラムラ感があるのは年をとったせいだろうか?

起承転結の最後の方がちょっと軽い気がした。「悪魔のような女」「危険な情事」や「エスター」の悪女ものに映る激しい終盤を途中期待したのに「アレ?」という感じだった。それが残念だ。

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セクレタリアト ダイアン・レイン

2012-08-26 18:42:16 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
映画「セクレタリアト」は日本未公開の2010年のアメリカ映画だ。
1973年、25年ぶりのアメリカ三冠馬となったセクレタリアトと情熱を注いだ人々の実話の映画化だ。

1969年のアメリカが舞台になる。4人の子を持つ主婦のペニー(ダイアン・レイン)は、幸せな暮らしを送っていた。そこに母親の訃報が届く。久々に帰った故郷の牧場では、経営する父親はすでにやる気を失っていた。経営難の上、調教師もやる気を失っていた。そんな状態で、父親が脳卒中で倒れる。このまま父親が死ぬと600万$の相続税がかかるという。売却するしかない状態だ。
結局彼女は自分が競走馬の生産牧場を受け継ぐと言い張る。主人公は新しい調教師を探す。目当てのルシアン(ジョン・マルコヴィッチ)はゴルフ三昧でやる気を出さない。しかし、牧場には牝馬としてはいい血統をもつ馬がいた。父親がオスよりも良いメス馬を育てるのにこだわったのだ。その馬がオス馬を生んだ。生まれると同時に立ち上がろうとする力強い馬だった。その後も馬は立派に育っていく。それを見て調教師のルシアンもやる気を出す。馬はセクレタリアトと名付けられる。

期待を込めて登場したデビュー戦では4着と敗れる。後のない主人公は騎手と調教師にあたり散らす。それでも、主人公はあきらめきれず、調教師と心中のつもりで次に勝負をかける。
次のレースでも凡走なスタートぶりだ。最後尾を走る馬を見て目を伏せる2人。ところがレース途中からセクレタリアトが突如まくり始める。最後のコーナーをすぎてから一気に先頭にあがりトップになる。


その後セクレタリアトは快進撃を続ける。7連勝だ。そんな時、相続に伴う資金不足を知り、馬を700万$という高額で買いたいという話が出てくる。主人公はこの馬の価値はこんなものではないと強気の姿勢だ。調教師や主人公の身内はこれから勝てないと価値は半分におちると不安がる。そうして出走した前哨戦で負けてしまう。あせる2人、しかも馬に食欲がない。
そしてセクレタリアトが、3冠レースに向けて登場する。そこにはライバルの強馬がいた。そこでも後方一気の追い込みで勝ってしまう。栄誉あるダービーを制覇!しかし、三冠に向けては距離特性が大丈夫かという不安があったが。。。。


dvd借りようとして、ダイアンレインとジョン・マルコヴィッチの2人の顔が目に入った。でも日本未公開だという。競走馬に関する映画って割と面白いのにと思いながら、何で?未公開と思う。映画好きだとメジャーだけど、一般にはちょっとインパクトのない配役だからか?
競走馬に関する映画では「シービスケット」がある。個人的に大好きな映画だ。レースを映し出すカメラの位置取りが抜群によく、自分が馬群の中に入ってしまう錯覚を感じさせる。あの映画で感じたようなレースとの一体感は若干落ちるかもしれない。


でも悪くはない。元になった実話の面白さだろう。後方一気の差し馬の動きって見ていてドキドキする。
結果がわかっているだけに、いづれ前に走る馬を次々抜こうとするだろうなあと思うのであるが、当然勝つと思われながら負けたレースをストーリーに入れ込む。負け戦での馬主、調教師、騎手の精神的な葛藤を組み込んだ所にストーリー展開のうまさを感じた。

三冠目のレースで、差し馬が突如として逃げ切り型にチェンジするところも面白かった。
競馬好きは楽しめるんだろうなあ。
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マリリン7日間の恋  ミシェル・ウィリアムズ

2012-08-22 19:41:56 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
映画「マリリン7日間の恋」はミシェル・ウィリアムズがマリリンモンローを演じオスカー主演女優賞の候補になった作品だ。

思った以上に素敵な映画で快適な時間を過ごせた。
イメージで普通の女性映画だと思っていたが、若い青年が年上の女性に憧れをもつというような青春ものとしても解釈できる。どちらかというと男性の方が楽しめるのではなかろうか。

舞台はロンドンだ。
今回の回想録の作者であるコリンクラーク(エディ・レッドメイン)が映画界に入ろうとするシーンからスタートする。名門出身であることをうまく使い、彼は売り込みをかけて、名優で監督もこなすローレンスオリビエ(ケネス・ブラナー)のもとで働くことに成功する。その作品「王子と踊り子」はローレンス自ら監督し、マリリンモンローをアメリカから呼んで共演する作品だった。


マリリンはアーサーミラーと3回目の結婚したばかりで、2人でロンドンにやってきた。セクシー女優としてすでに名高いマリリンが町を歩くと、大騒ぎだ。映画のけいこがはじまった。台本読みがはじまったが、なじめない。ローレンスは何とかとりなそうとするが、うまくいかない。同行する米国アクターズ・スタジオのポーラ・ストラスバーグ(ゾーイ・ワナメイカー)が中に入って何
とかしようとするが、彼女の情緒不安定は続く。
英国に滞在するマリリンの面倒をみるのに第三助監督コリンクラークが雑用をこなす。精神が不安定のマリリンも年下の彼には心を許すようになる。ちょうど用ができて夫のアーサーミラーもアメリカに帰国して、一人になったマリリンは彼を頻繁に呼びつけるようになるが。。。。


セクシー女優マリリンモンローの行く先には、一般の人たちや報道陣が付きまとった話は有名だ。日本に来た時は夫のヤンキースの大スタージョーディマジオが一緒だったのに、注目を浴びるのはいつもマリリンでずいぶんとやきもちをやき、離婚のきっかけとも言われている。

またマリリンが情緒不安定で監督、共演者、スタッフが舞台裏で苦労した話は何度も聞いたことがある。コメデイの名作ビリーワイルダー監督ジャックレモン、トニーカーチス主演の「お熱いのがお好き」はいつ見ても腹抱えて笑ってしまう。

でもその舞台裏はマリリンが薬漬けでセリフが覚えられず大変だったそうだ。でも主演2人はマリリンがからんだ時が一番楽しそうだ。マリリンは演技しているというより地であの独特の個性をつくるある意味天才的なところがある。
そういう扱いづらい女優だったマリリンの舞台裏をクローズアップする。
ミシェル・ウィリアムズは見事に演じたものだ。

共演者で目立ったのはローレンスオリビエを演じたケネス・ブラナーである。
これは実にうまい。マリリンが自分の思うように動いてくれず、いらいらする様子をうまく演じている。ケネスは映画監督でもあり、演技者の演技がうまくいかないケースには何度も出くわしているだろう。地でイケているせいかいい感じだ。ローレンスオリビエの妻としてヴィヴィアンリーが出てくるところも御愛嬌

ウィンザー城やイートン校のロケは英国らしくてよかった。マリリンが全裸で池に入って行くシーン、これはこのロケでやったのかなあ?あとは音楽のセンスが抜群だ。風景に合わせた落ち着いた音楽がいい。いかにも50年代らしくナットキングコールの歌声が聞こえた時は鳥肌が立つような感じを覚えた。ミシェル・ウィリアムズの歌も実にうまい。
快適な時間を過ごせた映画だった。
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ウェイトレス ケリーラッセル

2012-05-02 20:48:29 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
映画「ウェイトレス」は2007年制作のパイづくりの達人のウェイトレス物語だ。



食欲を増進させる映画ってあると思う。この映画はまさにそれ!
いきなり映像に映るカラフルな色をしたパイは食べるのがもったいないくらいきれいで、目を楽しませる。
傲慢な亭主との間に間違って妊娠してしまった彼女が産科医と恋をしたり、店の店員や店の常連とかわす厚情を描いたほのぼのコメディだ。


アメリカの地方都市のダイナーでウェイトレスとして働く主人公(ケリーラッセル)はパイ作りの名人だ。小うるさい店主のいる小さなダイナーで働きながら将来店を開こうとお金をシコシコ貯めている。店には他に2人のウェイトレスがいた。ある日自分の体調の変調に気付いた主人公はサニタリールームで2人のウェイトレスとともに妊娠検査薬を試した。どうも陽性らしい。
しかし、亭主は傲慢な男、自分のわがままが通らないと暴力的になるダメ男だ。困ったなあと思いながら、それでも生む決意をした。診断をしてもらおうと自分を産んでもらった女性産科医のところへパイをお土産につくって行く。ところが、その産科医はすでにそこに居ず、出てきたのは若い男性産科医だった。その産科医は彼女に関心を持ったようだった。
その後、軽い出血をして産科医に電話をすると、朝7時に来てくださいと言われて主人公は訪ねて行った。しかし、何も診てくれない。大丈夫だというだけで何も処置しない。まして何かを話そうとおじおじする産科医だ。腹立てて帰ろうとするが、バッグを忘れたことに気づき戻ろうとしたら彼が来る。主人公は思わず彼に対して吸いつく様な強烈なキスをしてしまうのであるが。。。。


基調はダメ亭主との妊娠が発覚しながらも、産科医と不倫をする妻の話である。それはあくまで基調であって、さまざまな個性ある登場人物を活躍させる。

まずは今回の脚本兼監督兼出演をこなすメガネのウェイトレス(エイドリアン・シェリー)の恋愛話をサブに添える。もともともてない系の彼女がブラインドデートに間違ってきてしまった男に惚れられてしまってオロオロする。まさにもてない系の典型のような男がしつこく付きまとう。
あとはいつも怒ってばかりいるダイナーの店主、うんちくばっかりうるさいダイナーの常連のおじいさん、妻子持ちなのになんかおじおじしている医師、彼女の妊娠がわかっても自分のことを優先して愛せよと子供のようにごねたり、日夜彼女に夜のお勤めを強引に求める傲慢な亭主などなど。。。
それぞれのセリフに個性をのぞかせる。脚本作りがうまい。

ラストに向かってのどんでん返しも絶妙な味わいだ。

この企画を通したメガネの女性脚本家兼監督エイドリアン・シェリーの才能には恐れ入る。単なるラブコメに終わらせない才覚を感じる。映像の色彩設計や編集もうまい。しかし、残念ながら若くして彼女はこの世にいない。殺人事件にあってしまったというのだ。本当にもったいないというのはこのことだ。
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私の中のあなた

2012-04-28 20:06:07 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
映画「私の中のあなた」を見た。
キャメロンディアスとアビゲイル・ブレスリンが主演だ。お涙頂戴と聞いていたが、逆にひたすらむかつく映画だった。
普通だったらこういう場合コメントしないが、あえて書いた。

アメリカのある家庭が舞台だ。
夫婦がいてその下に息子、娘が二人いる。
この映画では二人の娘に焦点をあてる。片や生まれてすぐ白血病だとわかった女の子(ソフィア・ヴァジリーヴァ)だ。
もう一人は姉を助けるために生を得た妹(アビゲイル・ブレスリン)だ。小さいころから何度も姉のためにさまざまな医療処置を受けている。
姉のほうは年を経るうちに衰弱している。もはや臓器移植するしか生きる道はない。両親からは無理だ。
そうして妹からの臓器移植を試みようとする。
ところが、妹は反発する。ただでさえも何度も自分の体から姉の医療処置のため何度もいじくられている。
妹は弁護士になけなしの700$を持って依頼に行く。裁判所に対して、姉のために自分の身体を何かしらの処置をすることを差し止める訴訟を出すのだ。
母キャメロンディアスは元々弁護士だった。姉が長生きできないことで悩み、その姉を助けるため妹を生み、いろんな処置を指図してきた。
それに対しての妹の反発だ。未成年である妹の訴訟は通るのか。。。。

白血病にかかった姉ソフィア・ヴァジリーヴァの演技は迫真の演技だと思う。妹アビゲイル・ブレスリンも悪くない。でもこの映画ではキャメロンディアスが演じる母親のしぐさ、せりふにむかついた。(キャメロン自体に何も罪はない。)
妹をまるで生体ロボットのように扱う。そして姉の医療処置のために妹の身体をいじくることに抵抗を示さない。訴訟をされても、裁判に持ち込むまで自分を曲げない。異常だ。
アメリカにはこんな酷い女性がいるのであろうか?

「私を離さないで」という昨年の映画でクローン人間を作り、彼女たちが臓器移植されるために生まれてきたと言う話をみた。この映画ではクローン人間たちは生に対して執着心を持っていた。
見たときには妙にジーンと来た。
逆にこの映画はむかつくばかり。(まあそういうむかつかさせるところがみそかもしれないけれど。。。)
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オリンダのリストランテ

2012-04-23 05:19:19 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
映画「オリンダのリストランテ」はアルゼンチンのブエノスアイレスを舞台にしたヒューマンドラマだ。
ブエノスアイレスでリストランテを営むオリンダのところへ、恋人を探しに来たドイツ人の青年が紛れ込み起きる出来事を描いた。やさしい目線で日本の人情物のようなタッチで流れるひと時はほのぼのしている。


主人公オリンダはブエノスアイレスでリストランテを経営している。イタリアからの移民である彼女がつくる料理はイタリアの田舎料理だ。若いウェイターを使っているが、何かというと口ケンカばかりしている。自分の味付けに妙に自信をもっているが、アルゼンチン人の口に合わないこともある。調味料を要求する客にくってかかることもある。常連が多く気楽に店をやっていた。そんな彼女も先のことを考えて店を売るべきかどうか考えていた。

そんなリストランテで、いつものようにウェイターに文句をつけて皿を投げつけたら、店に入ろうとした青年にあたってしまった。ぶっ倒れてしまった。青年ペーターはドイツから恋人を探しにきていたところだった。スペイン語は片言だけしか話せない。介抱を受けたあと、賄いをごちそうしてもらってホテルに戻った。ところが、気がつくと持っていたお金を何者かに持ち去られていた。
誰も身寄りのいないドイツ人青年はリストランテに助けを求める。しかし、彼女はここは泊るところではないと拒否する。ドイツ人は肩を落としながら、店の外へ行き、そこで座り込む。主人公オリンダは気になったが、雨が降ってきてしぶしぶ彼を店に泊めることにする。
翌日からドイツ人青年は恋人を探しにまわり始めるが、すぐには見つからない。主人公オリンダ、店のウェイターや常連の男女との関わりがはじまるようになるが。。。。


リストランテというが、料理映画を期待する人には期待外れであろう。そもそもはイタリアからの移民であり、現地人ではない。つくる料理もイタリア田舎料理だ。場面は少ないが食欲はそそられる。主人公は中年の太っちょ女で魅力をぷんぷんさせるわけではない。むしろ「肝っ玉母さん」といった風貌だ。
下町人情あふれた昭和の日本映画とむしろ通じるような気がする。


オリンダはもともと恋人を探してイタリアからブエノスアイレスに来た設定だ。店によく来る女性もメキシコ生まれでベネズエラ経由で流れていた女だったりして、移民を主題にしている印象もある。これらの移民を取り巻く世界は現代の欧州への移民ほど深刻な匂いはない。そんな彼女もある出来事をきっかけに故郷イタリアへの望郷の念を起こす。そんな故郷への気持ちをあらわにする場面は見ていていい感じになる。そもそも南米の人たちって大航海時代に欧州から流れてきたわけだからね。

ドイツ人が移住してくる映画としては「バグダッドカフェ」という名作がある。あの映画では太っちょのきれい好きなドイツ人女性が突如アメリカの郊外のカフェに来た話だった。ここでは対照的なスマートなドイツ人。典型的なドイツ人らしいかしこそうな風貌だ。このドイツ人の振る舞いも謙虚でわるくない。まったく違う設定ながら映画「バグダッドカフェ」に通じる人情のようなものが感じられた。
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マーガレットサッチャー メリルストリープ

2012-03-25 09:28:38 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
「マーガレットサッチャー 鉄の女」劇場に見に行った。

英国首相を10年にわたって務めた名宰相の回想録的映画だ。それだけにならず認知症になってしまったサッチャーの現在を映し出す。今年のオスカーで久々主演女優賞を取ったのがうなづかされるメリルストリープのすばらしい演技だ。現役時代、認知症となった現在の姿両方ともお見事だ。
政府に負担ばかり押し付け「小さい政府」を否定する今の狂った日本人には一番の薬になるような映画だと思うが、そう感じる人は少ないかなあ。


現在のマーガレットサッチャー(メリルストリープ)が映し出される。
家人からは外出しないように言われるがついつい出てしまう。そして亡くなった元夫が生きているのかと声をかけてしまう。
マーガレットは食料品店を経営しながら市政の政治家であった父親のもと育てられる。利発な彼女は名門オックスフォード大学に進む。その後彼女は政治に関心を示す。保守党の政治家の集会に参加するようになる。まだまだ女性が政治家になろうとする時代ではなかった。それでもダメもとで下院の選挙に挑戦、結婚後子育てをしながら1958年に初当選した。
その後教育相を務めるが、議会では野党とひたすら論争を重ねる。
ダメもとで保守党の党首に立候補する。絶対に無理だと思われながら当選する。
そのころの英国は労働貴族がえばっていた。
「福祉政策」という名のもとに労働党政権で経済が沈下していた英国民から支持を受け保守党が第1党に復帰する。そして党首サッチャーは英国史上初の女性首相となるが。。。。。


サッチャー首相は最近の民主党、社民党がもっとも嫌う新自由主義の思想に基づく政権運営をしていた。
福島党首みたいな左翼系の女性闘士には絶対にこの映画は受けないであろう。アカ思想の連中や左翼系新聞もこの映画は支持しないであろう。であるからなおのこと現代日本人が見なければならない映画だと自分は思っている。


我々が子供のころ、学校でイギリスを理想社会のように言っている日教組系社会科教師がいた。
「ゆりかごから墓場まで」なんと響きのいい言葉であったろうか。
その当時ビートルズの歌で「タックスマン」という歌があった。響きのいい歌で好きだった。
自分の父はとんでもない野郎の歌だ。と言っていた。「タックスマン」って税務署員と教えてくれた。
自営業の自分の家は時折税務調査に入られ調査のたびに「お土産」をたっぷり持っていかれた。
ビートルズは我々の比じゃない税金を取られていた。だから皮肉った「タックスマン」の歌をつくった。
ビートルズのジョンレノンがアメリカに移ったのと同様、国外に移動するイギリス人が多かった。
福祉という名のもとに高い税率で英国経済はボコボコにされた。
労働組合の連中が労働貴族としてもてはやされた。今の日本の組合のトップと同じである。
民主党が政権をとって一番喜んでいたのは組合労働貴族のバカ連中であろう。
この映画では何度もサッチャーは「労働者よ、働けるものは働け!」と怠けものを愚弄する。
日本人も単なるサボタージュの連中(本当の困窮者は別、これは守る必要あり)に言ってやればいい。

サッチャーは小さい政府を志向した。ミルトンフリードマンやハイエクの影響である。
以前ここでも取り上げたがミルトンフリードマンの本はいつ読んでも新しい。何から何まで国に押し付けようとする日本人を見ていると馬鹿じゃないかと思う。
フリードマンを信奉した中国の小平にしてもサッチャーにしてもみんな国をよくした。この間ブログに書いたが米国FRBバーンナンキ議長もフリードマンを尊敬する。


サッチャーの功績の1つにヨーロッパ共通通貨(のちの「ユーロ」)に加わらなかったことがある。
ヨーロッパ共通通貨ができる時、「何で参加しないのか?」と記者に問い詰められるサッチャーのシーンが映画に出てくる。頑固に彼女は「ノー」とする。短いが重要なシーンだ。
ユーロ通貨自体はドルや円との変動相場であるが、ヨーロッパの共同体の中では固定相場となる。経済状況の違う国同士がみな同じ価値であるはずがない。共通した経済政策では解決できるわけがない。これは現在のユーロ危機の状態を見るとよくわかる。いい時はいいが、今回のギリシャ危機のようになればダメになる。
ミルトンフリードマンは1950年から「変動相場制」を訴えていた。以前の金本位制は金と固定レートで結ばれ、金が統一通貨であった。大恐慌あとの金融危機は金本位制が生んだともいえる。これについてはケインズも同様の見解である。アメリカはニクソン時代に変動相場制に移る。結果的に正解である。のちに英国は共通通貨にいったん加わる。ポンドが固定相場であり、ジョージソロスに狙われポンド危機を招いてポンドは変動相場になる。そして共通通貨「ユーロ」には加わっていない。
今ヨーロッパはサッチャーがおそらくは予知した通りになっている。強烈なリーダーぶりを発揮した彼女の政策選択は正しかった。

この映画で面白いのは男性政治家たちに囲まれたサッチャーの姿である。
伝統あるウェストミンスターの議会場で与党、野党がものすごいヤジの中対決する場面がある。意外に議会場のシーンの映画って少ないから臨場感があってよかった。そこでの彼女はたくましい。負けない。
伝統と家柄が重んじられる世界で女性が政治に進出するってすごいことだったと思う。
あとはフォークランド紛争の時の決断、これは凄い!
戦勝した後の演説もすばらしい!ヤジに包まれた演説の時と違ってみんなシーンとして議会で彼女の演説を聞く。
この映画の中でのピークであろう。

そういうサッチャーを演じたメリルには本当に脱帽である。
意外に映画の評価が普通なのは、あまりにワンマンショーすぎるからであろう。
自分はこの映画好きです。
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ドラゴンタトゥの女 ルーニー・マーラ

2012-02-14 05:42:35 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
「ドラゴンタトゥの女」劇場で見てきました。
なかなかおもしろかったです。
主人公ダニエル・クレイグの影が薄くなるようなドラゴンタトゥの女ルーニー・マーラの存在感にびっくり。あの「ソーシャル・ネットワーク」の恋人役とはとても同一人物には見えません!!


「ドラゴンタトゥの女」は世界的ベストセラーの映画化作品をデイヴィッド・フィンチャー監督がハリウッドリメイクしたミステリーサスペンス映画だ。
雑誌「ミレニアム」のジャーナリストの主人公は、資産家から40年前に起こった少女の失踪事件の真相追究を依頼される。背中にドラゴンのタトゥをした天才ハッカーとともに捜査を進めていく。


月刊誌“ミレニアム”のミカエル・ブルムクヴィストことダニエル・クレイグは、名誉毀損の裁判で敗訴する。マスコミに騒がれ、編集長エリカことロビン・ライトに迷惑をかけるので身を引こうとしていた。同じ頃、ミカエルの身辺調査がセキュリティ会社に依頼されていた。調査を担当したのは、リスベットことルーニー・マーラというまだ若い女性だ。鼻や耳にピアスを付け、黒ずくめの服を着る、無表情な「ドラゴンタトゥの女」だ。得意のハッキングを駆使して、完ぺきなレポートを仕上げた。

やがて、ミカエルの許に弁護士から連絡が入る。大企業ヴァンゲルの元会長ヘンリック・ヴァンゲル(クリストファー・プラマー)からの面会の申し込みだった。雪深いスウェーデン北部のヘーデビーを訪れるミカエル。富豪ヘンリックは彼に姪ハリエットの写真を差し出し、事情を説明する。



1966年9月、ヴァンゲル一族の家族会議の日、姪ハリエットが姿を消した。捜索の結果、彼女は何者かに殺され、遺体は遺棄されたとされた。だが、自分が生きているうちに真相を知りたいと願うヘンリックは、表向きは自分の評伝の執筆依頼をミカエルに頼みながら、真相究明を依頼するのだった。
ヴァンゲル一族の資料を整理しながら、一族のさまざまな過去が明らかになっていく。ヘンリックの話した通り、酷い一族のようである。ヘンリックの兄は、ユダヤ人を迫害し続けるネオナチであった。その息子は酔っぱらって溺死、その娘がハリエットである。ハリエットの兄マルティン、父親の従姉妹にあたるセシリアとアニタ、隠居同然のハラルド、その他多くのヴァンゲル一族がいる。その一人一人を追っていく。
ミカエルは、残された写真などから、取材、調査を続けている。途方にくれるミカエルにヒントを与えてくれたのは、ミカエルの娘だ。壁に貼られたメモを見て、娘は聖書からの引用とほのめかす。
一方調査能力を買われたリスベットは、ヘンリックの手配で、ミカエルのアシスタントになる。ハリエットの残した旧約聖書の引用から、未解決の連続殺人事件と関係のあることを突き止めるが。。。


「ドラゴンタトゥの女」は少女時代に問題を起こして、いまなお後見人の保護下に置かれている。新しい後見人はとんでもない奴で、報告書に書く内容や、生活費を払う見返りに性的な奉仕を迫るデブ弁護士だ。しかし、後見人にレイプされる様子を隠しカメラで撮影して逆に脅す。これは見ようによってはスカッとするシーンだけどえげつないシーンで、一気に目が離せなくなる。

中盤からおもしろさが増幅する。「ドラゴンタトゥの女」は単なるえげつない女ではなかった。ハッカー能力だけでなく、賢さを発揮して次から次へと調査の仕事をこなしていく。CPUからだけでなく、古い普通の資料を解読して真相を導き出す。するどい手際の良さに、感心してしまう。劇中にのめり込む。こんな賢い秘書がいたら、とんでもないゼニ儲け出来るのにとまで不純なことまで自分で考えてしまう。

ダニエルクレイグが単なるオヤジになり下がっている。彼なりに調査を重ねるのだが、ここでは「ドラゴンタトゥの女」が輝いている。そして、ヒッチコック風ハラハラドキドキのカメラワークとあわせて気分が高揚した。

アニタを演じた美人俳優を見て、若き日のヴァネッサレッドグルーヴを思わせる美人だなあと銀幕の前で思っていた。ミケランジェロ・アントニオーニ監督「欲望」に出演したときの彼女の面影がある。プロフィルを見たら実の娘ジョエリー・リチャードソンだった。やっぱり娘は母親に似るんだなあ。


いきなりオープニングで流れるのが「移民の歌」なのにもビックリした。
「スクールオブロック」の時ほどの衝撃はないけど、映画のイメージにはぴったりだ。

「ハンナ」のシアーシャローナンとルーニー・マーラの2人の天才少女の卓越なる演技をみて、映画は永遠に続くなあと思った。逆に日本映画大丈夫かと。。。
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